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第14章~新しいバトル~
第103話
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ようやく攻撃が止まり、目だけで周りを確認したら、新品のロッカーが全てズタズタに切り裂かれていた。もちろん一番奥にあったアクセルのロッカーも壊れており、中にしまっていたタオルやハチミツ入りレモン水が台無しになっている。
――うわぁ……なんてことだ……。
やや青ざめていると、ユーベルは淡々と愛刀をしまって言った。
「ロッカーごときで喧嘩するなら、最初からロッカーなど使わねばよい。試合前に余計な騒ぎを起こさないでください」
「す、すみません……」
「ほら、そろそろ行きますよ。ランゴバルトを待たせるとキレられますからね」
「はい……」
仕方なくユーベルに続いて控え室を出ようとした。
――ったくもう、理不尽だな……。
とんだとばっちりだ。試合前に気分が悪い。どこの誰だか知らないが、ああいう面倒な輩には気を付けないとダメだ。
――あれ? そう言えば……。
先程のモヒカン男がついて来ない。
振り返ってみたら、壊れたロッカーに寄りかかったまま目を回していた。白目を剥いて気絶しており、ピクリとも動かない。
「……はぁ」
仕方なくアクセルは、踵を返してモヒカン男に駆け寄った。
もうすぐ試合が始まるのだ。このまま放っておくわけにもいくまい。メンバーが欠けてしまっては、始まる前から人数不利になってしまう。
「大丈夫ですか? 早く起きてください」
ところが軽く身体を揺すった途端、首から上がズレてゴトン、とそれが床に落ちた。
――うわぁ……なんてことだ……。
やや青ざめていると、ユーベルは淡々と愛刀をしまって言った。
「ロッカーごときで喧嘩するなら、最初からロッカーなど使わねばよい。試合前に余計な騒ぎを起こさないでください」
「す、すみません……」
「ほら、そろそろ行きますよ。ランゴバルトを待たせるとキレられますからね」
「はい……」
仕方なくユーベルに続いて控え室を出ようとした。
――ったくもう、理不尽だな……。
とんだとばっちりだ。試合前に気分が悪い。どこの誰だか知らないが、ああいう面倒な輩には気を付けないとダメだ。
――あれ? そう言えば……。
先程のモヒカン男がついて来ない。
振り返ってみたら、壊れたロッカーに寄りかかったまま目を回していた。白目を剥いて気絶しており、ピクリとも動かない。
「……はぁ」
仕方なくアクセルは、踵を返してモヒカン男に駆け寄った。
もうすぐ試合が始まるのだ。このまま放っておくわけにもいくまい。メンバーが欠けてしまっては、始まる前から人数不利になってしまう。
「大丈夫ですか? 早く起きてください」
ところが軽く身体を揺すった途端、首から上がズレてゴトン、とそれが床に落ちた。
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