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第14章~新しいバトル~

第85話

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 兄が続けた。

「お前の長所は脚力と機動性だから、小回りの利く武器の方が向いてるんだよね。私と違って足も速いし。後は単純な持久力と、武器を扱うテクニックさえ磨いてしまえばすぐ強くなれると思うな」
「ありがとう、本当に……。あなたのような兄を持てて、俺は幸せ者だ」

 自分がここまでこられたのは、冗談抜きで全て兄のおかげである。

 兄がいなかったらヴァルハラに招かれることもなかったし、きっと成人する前に野垂れ死んでいただろう。

 それもこれも、兄が愛情をもって育ててくれたからだ。永遠に感謝してもしきれないほどの恩がある。

 だからせめて自分は、少しでも兄の期待に応えなくてはならない。

「じゃあ、明日からはそれで鍛錬してね。それよりお兄ちゃん、お腹空いたな。早くシチュー食べたい」
「わかったよ。すぐ用意するからちょっと待っててくれ」

 アクセルはもらったボウガンを武器庫の一番手前に保管し、それから家に戻ってシチューを温め直した。

 長時間煮込んだことで、肉はホロホロに崩れ、人参やジャガイモも柔らかくなっていた。

 兄は「美味しい、美味しい」と何杯もおかわりし、結局一人で鍋の中身をほぼ空にしてしまった。

 そんなに食べて大丈夫か……と若干心配になったが、よく考えたら兄はもともと大食漢だった。この点も、自分とは全然違う。
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