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第14章~新しいバトル~
第4話
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「そうかもな。まあそれはそれとして、無理はよくないよ。とりあえず朝食を作るから、兄上はシャワーでも浴びてきたらどうだ?」
そう言ったら兄は素直に家に戻り、汗に濡れたタオルを持って浴室に向かった。
その間に、アクセルはポットでお湯を湧かし、昨夜兄が残したパスタを温め直して、自分の分のトーストを焼いた。朝食には熱いコーヒーを淹れるのが、個人的な習慣だ。
ピピには野菜をザクザク切ったサラダに、トーストとチーズを添えてやった。
――あとは……。
一度庭に出て、作ったばかりの兄たちの墓――もちろん、コピーの兄だが――の前まで行き、お供えした花を取り替えて墓石を軽く水拭きする。
そしてヤギの蜜酒の瓶を墓前に供え、祈りを捧げて家に戻った。
テーブルに食事を並べていると、タイミングよく兄が浴室から出てきてくれた。
「わあ、今日も美味しそうだね」
と、嬉しそうに言う。
「このコーヒーの香り、たまらないな。これぞ朝食! って感じがする」
「ああ。俺もコーヒーの香りがあると、何となく落ち着くんだ」
「じゃ、早速いただこうか。今ならいっぱい食べられそうだよ」
お互いの席につき、向かい合ってゆっくり食事をとる。宣言通り、兄は昨夜残したパスタを完食し、トーストも二枚平らげ、サラダも残さず食べてくれた。
朝鍛錬をしたせいかもしれないが、食欲が少し戻ってきたみたいでちょっと安心した。
そう言ったら兄は素直に家に戻り、汗に濡れたタオルを持って浴室に向かった。
その間に、アクセルはポットでお湯を湧かし、昨夜兄が残したパスタを温め直して、自分の分のトーストを焼いた。朝食には熱いコーヒーを淹れるのが、個人的な習慣だ。
ピピには野菜をザクザク切ったサラダに、トーストとチーズを添えてやった。
――あとは……。
一度庭に出て、作ったばかりの兄たちの墓――もちろん、コピーの兄だが――の前まで行き、お供えした花を取り替えて墓石を軽く水拭きする。
そしてヤギの蜜酒の瓶を墓前に供え、祈りを捧げて家に戻った。
テーブルに食事を並べていると、タイミングよく兄が浴室から出てきてくれた。
「わあ、今日も美味しそうだね」
と、嬉しそうに言う。
「このコーヒーの香り、たまらないな。これぞ朝食! って感じがする」
「ああ。俺もコーヒーの香りがあると、何となく落ち着くんだ」
「じゃ、早速いただこうか。今ならいっぱい食べられそうだよ」
お互いの席につき、向かい合ってゆっくり食事をとる。宣言通り、兄は昨夜残したパスタを完食し、トーストも二枚平らげ、サラダも残さず食べてくれた。
朝鍛錬をしたせいかもしれないが、食欲が少し戻ってきたみたいでちょっと安心した。
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