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第13章~獣化の秘密~
第150章
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――でも、兄上だったらちょっと鍛え直せばすぐ元に戻ると思うけど……。
一度鍛えた筋肉は、例え衰えても鍛錬し直せば復活しやすい(ケイジ曰く「マッスル・メモリー」というそうだ)。
だから獣化の治療で一時的に筋力が落ちても、そこまで気に病むことはない。獣化自体、兄のせいではないんだし、また普通に鍛錬し直せばいいだけのことだ。
でも兄にとってはやはり複雑で、しばらくはああやって落ち込んだままかもしれない。
下手に慰めると余計に気にしそうだから、こちらからはあまり話題にしないでおこう……。
そう思い、アクセルは淡々と夕食の準備をした。
「ぴー!」
ベランダからピピがしきりに鳴いてくる。久々の山歩きでいつもよりお腹が空いたのか、「はやくごはんちょうだい」と急かしてきた。
「ほらピピ、できたぞ。今日は野菜のスープパスタだ」
ペンネを茹でるのと同時に、ピピ用の野菜スープを煮込んでおいて、茹で上がったペンネを後から入れたのだ。
いつもの野菜スープにペンネを入れただけだが、たまにはこういうのもいいだろう。
「ぴー♪」
鍋を庭に出してやった途端、ピピは大喜びで鍋に顔を突っ込み、ペンネ入り野菜スープを食べ始めた。
その食べっぷりを横目で見つつ、アクセルは自分たちのパスタを皿に盛り、イノシシ肉のボロネーゼを上からかけた。
「わあ、美味しそう。お肉たっぷりで嬉しいよ」
兄が髪を拭きながら戻ってくる。
アクセルは皿とフォークを並べながら言った。
一度鍛えた筋肉は、例え衰えても鍛錬し直せば復活しやすい(ケイジ曰く「マッスル・メモリー」というそうだ)。
だから獣化の治療で一時的に筋力が落ちても、そこまで気に病むことはない。獣化自体、兄のせいではないんだし、また普通に鍛錬し直せばいいだけのことだ。
でも兄にとってはやはり複雑で、しばらくはああやって落ち込んだままかもしれない。
下手に慰めると余計に気にしそうだから、こちらからはあまり話題にしないでおこう……。
そう思い、アクセルは淡々と夕食の準備をした。
「ぴー!」
ベランダからピピがしきりに鳴いてくる。久々の山歩きでいつもよりお腹が空いたのか、「はやくごはんちょうだい」と急かしてきた。
「ほらピピ、できたぞ。今日は野菜のスープパスタだ」
ペンネを茹でるのと同時に、ピピ用の野菜スープを煮込んでおいて、茹で上がったペンネを後から入れたのだ。
いつもの野菜スープにペンネを入れただけだが、たまにはこういうのもいいだろう。
「ぴー♪」
鍋を庭に出してやった途端、ピピは大喜びで鍋に顔を突っ込み、ペンネ入り野菜スープを食べ始めた。
その食べっぷりを横目で見つつ、アクセルは自分たちのパスタを皿に盛り、イノシシ肉のボロネーゼを上からかけた。
「わあ、美味しそう。お肉たっぷりで嬉しいよ」
兄が髪を拭きながら戻ってくる。
アクセルは皿とフォークを並べながら言った。
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