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第13章~獣化の秘密~

第143話

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 一度も死合いに負けていないのに、ポイントが入らないからランクが下がる。たまたま運よく上位ランカーを負かしただけの下位ランカーに抜かされる……なんて現象も起こり得るわけだ。

 でも実力的にはたまたま勝利した下位ランカーより、上位ランカーの方が上なのは明らかなので、そういうことが起こらないためにも実力の近い上位ランカー同士で戦ったり、死合い相手の変更を行ったりと、いろいろ裏工作をしなければならないそうだ。

 上位ランカーでい続けるのも、地味に大変である。

「もういっそのこと、今のポイント計算方法を見直した方がいいんじゃないかとも思うんだけどね。単なるランクの上下じゃなくて、その人とどれだけランクが離れているかでポイントの量が決まるとかさ」
「ああ、その方が現実的かもしれないな。ただ、計算が面倒になってわけがわからなくなる人も増える気がするが」

 戦士エインヘリヤルは腕っぷしは保証されているものの、頭の方は首をかしげてしまう人も少なくない。時代や文化が様々なので、出身国によっては読み書きや計算といった教育を受けられなかった人もいるのだ。

 すると兄は笑いながら言った。

「そういう人は、自発的に計算ドリルでもやって頑張ってもらうしかないな。まあとにかく、面倒なポイント操作をしないといけないのは確かだ。わけがわからなくなってきたら、お前も計算手伝ってね」
「あ、ああ……それはもちろん……」
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