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第13章~獣化の秘密~
第54話
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アクセルはちょっと眉尻を下げて苦笑した。
それだったら別にチェイニーのせいではないだろう。わざと誘発剤を盛ったならともかく、たまたま見かけただけなら何の責任もない。
責任があるとしたら、無知ゆえにあの時兄を止められなかった自分の方だ。
「……気にしないでくれ。たまたま不運なことが重なっただけだ。俺なんか獣化の傾向どころか、獣化が存在すること自体知らなかったしな……」
「アクセルは、誰かが獣化するところ見たことないんだっけ?」
「ないんだ。兄上が初めてだったから、必要以上に驚いてしまって」
「そうかー……。まあ、身内が急に変なことになったらびっくりするかもね。でも、獣化した人って大抵は一ヶ月以内に戻ってくるんだけどなぁ」
「え、そうなのか?」
「平均的にはそれくらいかな。仮に誘発剤を盛られてても、初期の段階ならそこまで時間はかからないと思うよ。治療が難航してるのかも」
「そんな……」
「あ、驚かしてごめん。お詫びにいいこと教えてあげるよ」
チェイニーは情報通らしく、こんな裏情報を教えてくれた。
「施設に行くなら、正面からじゃなくて一端西側に歩いて行くといいよ。しばらく歩くと小さめの公園があって、その端っこに枯れ井戸があるんだ」
「枯れ井戸?」
それだったら別にチェイニーのせいではないだろう。わざと誘発剤を盛ったならともかく、たまたま見かけただけなら何の責任もない。
責任があるとしたら、無知ゆえにあの時兄を止められなかった自分の方だ。
「……気にしないでくれ。たまたま不運なことが重なっただけだ。俺なんか獣化の傾向どころか、獣化が存在すること自体知らなかったしな……」
「アクセルは、誰かが獣化するところ見たことないんだっけ?」
「ないんだ。兄上が初めてだったから、必要以上に驚いてしまって」
「そうかー……。まあ、身内が急に変なことになったらびっくりするかもね。でも、獣化した人って大抵は一ヶ月以内に戻ってくるんだけどなぁ」
「え、そうなのか?」
「平均的にはそれくらいかな。仮に誘発剤を盛られてても、初期の段階ならそこまで時間はかからないと思うよ。治療が難航してるのかも」
「そんな……」
「あ、驚かしてごめん。お詫びにいいこと教えてあげるよ」
チェイニーは情報通らしく、こんな裏情報を教えてくれた。
「施設に行くなら、正面からじゃなくて一端西側に歩いて行くといいよ。しばらく歩くと小さめの公園があって、その端っこに枯れ井戸があるんだ」
「枯れ井戸?」
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