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第13章~獣化の秘密~
第5話※
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やむを得ずアクセルは、兄の喉仏めがけて軽く突きを繰り出した。弱点を突かれた兄はぐっ……と仰け反り、絞めていた首から手を離した。
そこを見逃さず、ガバッと上半身を起こして気付けがてら兄の頬を殴った。
兄は近くの壁に叩きつけられ、呻きながらずるずると床に崩れ落ちた。ちょっとやりすぎたが、ここに至ってはやむを得ない。
「うぅ……」
「兄上、落ち着いてくれ! 俺は……」
「いたぃ……いたイよぉ……ひドい……」
「あに……」
「なんデいじわるすルの……? ぼくハただ、ふつうニくらしたいだケなのに……」
「え……?」
「やっぱりみンな、ぼくのこトきらいなんだ……。ぼくをすきなひとなんテいないんだ……」
「……!」
「みんなだイきらい……! うわあァぁん!」
今度は号泣されてしまい、罪悪感で胃の辺りがきゅっと縮んだ。
というか、目の前にいる人物は本当に兄・フレインなんだろうか。兄は滅多に弟の前で泣かないし、理不尽に駄々をこねることもしない。
いくら獣化の症状だとしても、あまりに人格が変わりすぎなんじゃないか。獣化とは、その人本来の性格まで変えてしまうのか。
――……いや、そうじゃないのかも。
詳しいことはまだ理解していないものの、獣化とは、理性が利かなくなって本能が剥き出しになることだと思う。少なくとも初期症状はそんな感じだ。食べることを我慢できなかったり、所かまわず寝てしまったりするのは、本能が抑えられなくなっているからだろう。
そこを見逃さず、ガバッと上半身を起こして気付けがてら兄の頬を殴った。
兄は近くの壁に叩きつけられ、呻きながらずるずると床に崩れ落ちた。ちょっとやりすぎたが、ここに至ってはやむを得ない。
「うぅ……」
「兄上、落ち着いてくれ! 俺は……」
「いたぃ……いたイよぉ……ひドい……」
「あに……」
「なんデいじわるすルの……? ぼくハただ、ふつうニくらしたいだケなのに……」
「え……?」
「やっぱりみンな、ぼくのこトきらいなんだ……。ぼくをすきなひとなんテいないんだ……」
「……!」
「みんなだイきらい……! うわあァぁん!」
今度は号泣されてしまい、罪悪感で胃の辺りがきゅっと縮んだ。
というか、目の前にいる人物は本当に兄・フレインなんだろうか。兄は滅多に弟の前で泣かないし、理不尽に駄々をこねることもしない。
いくら獣化の症状だとしても、あまりに人格が変わりすぎなんじゃないか。獣化とは、その人本来の性格まで変えてしまうのか。
――……いや、そうじゃないのかも。
詳しいことはまだ理解していないものの、獣化とは、理性が利かなくなって本能が剥き出しになることだと思う。少なくとも初期症状はそんな感じだ。食べることを我慢できなかったり、所かまわず寝てしまったりするのは、本能が抑えられなくなっているからだろう。
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