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第12章~不穏な空気~
第155話
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アクセルがヴァルハラに来る前のことは目を瞑るしかないが、ヴァルハラに来てからもちょいちょいジークと浮気しているから、こちらとしては気が気ではないのだ。
するとジークは顎に片手を当てて、言った。
「ヤツは浮気性というより、寂しがり屋なだけだと思うぞ。寂しくなって一時的な身体の繋がりは求めるが、頭の中はお前さんのことでいっぱいだ。そこまで心配する必要ないと思うがな」
「そう……ですよね。俺もわかっちゃいるんですけど、やっぱり少し複雑で」
「ま、大好きなお兄ちゃんのことだから、なかなか割り切れないのもわかるけどな。でも俺は、あんなメンヘラ男の面倒を見るのはもう御免だ。あれに付き合えるのはお前さんしかいないさ」
「……メンヘラ男って」
思わず噴き出しそうになった。さすがにジークは、元彼だけあって言うことが辛辣である。
「話が終わったならさっさと帰ってやれよ。今頃腹を空かせて暴れてるかもしれないしな」
「それは困りますね。兄が本気で暴れたら家が壊れそうです」
それでは失礼します……といって、アクセルはいそいそとその場を立ち去った。
帰り際、コニーがランゴバルトの甲冑を丁寧に脱がせ、汗ばんだ身体を拭いているのを見て驚愕してしまった。身の回りの世話って、そういうことまでやるのか。
――あの二人の関係、やっぱり少し謎だな……。
今度時間があったらコニーにじっくり話を聞いてみよう。そう思い、アクセルは急いで市場で食料だけ買い込んで、家に戻った。
するとジークは顎に片手を当てて、言った。
「ヤツは浮気性というより、寂しがり屋なだけだと思うぞ。寂しくなって一時的な身体の繋がりは求めるが、頭の中はお前さんのことでいっぱいだ。そこまで心配する必要ないと思うがな」
「そう……ですよね。俺もわかっちゃいるんですけど、やっぱり少し複雑で」
「ま、大好きなお兄ちゃんのことだから、なかなか割り切れないのもわかるけどな。でも俺は、あんなメンヘラ男の面倒を見るのはもう御免だ。あれに付き合えるのはお前さんしかいないさ」
「……メンヘラ男って」
思わず噴き出しそうになった。さすがにジークは、元彼だけあって言うことが辛辣である。
「話が終わったならさっさと帰ってやれよ。今頃腹を空かせて暴れてるかもしれないしな」
「それは困りますね。兄が本気で暴れたら家が壊れそうです」
それでは失礼します……といって、アクセルはいそいそとその場を立ち去った。
帰り際、コニーがランゴバルトの甲冑を丁寧に脱がせ、汗ばんだ身体を拭いているのを見て驚愕してしまった。身の回りの世話って、そういうことまでやるのか。
――あの二人の関係、やっぱり少し謎だな……。
今度時間があったらコニーにじっくり話を聞いてみよう。そう思い、アクセルは急いで市場で食料だけ買い込んで、家に戻った。
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