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第12章~不穏な空気~

第129話

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 ――まあ旺盛なんて言ったら、性欲も相当なものだけどな……。

 自分で言うのもなんだけど……と思いつつ、アクセルは服を着て庭に出た。用意した木材を庭に置きっぱなしだったので、今日のうちに整理整頓しておこうと思ったのだ。その方が、いざ組み立てる時に効率がいい。

「……う」

 早速台車から木材を下ろしてみたが、三本ほど下ろしたところでだんだん腰が痛くなってきた。先程兄にやられまくったせいか、腰の踏ん張りが利かなくなっているようだった。日常生活は送れるものの、これでは鍛錬や力仕事ができない。

「ぴー……」

 腰の後ろに両手を当て、ぐぐっ……と背中を反らしていると、ピピが心配そうに駆け寄ってきた。

 腰にふわふわの身体をすり寄せてくるので、アクセルは苦笑しながら答えた。

「ありがとう、ピピ。助かるよ。まったく兄上は、食欲も性欲も旺盛で困っちゃうよな」
「ぴ……」
「とりあえず、今日は無理せずマイペースに仕事するよ。無茶なことして明日一歩も歩けなくなったら困るしな」

 兄がついてきてくれるとはいえ、明日はアロイスのところにスープを持って行き、鍛冶屋にノコギリを取りに行かなければならないのだ。食料の買い出しもあるし、日課の鍛錬もある。「腰が痛くて動けません」だなんて戦士エインヘリヤルとしてあるまじきことだ。

 アクセルは腰に負担をかけないよう注意しながら、適当に休みつつ木材を台車から下ろした。そして長さごとに木材を分類し、明日作業しやすいように四角く並べておいた。
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