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第12章~不穏な空気~
第67話*
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だけど兄が手を貸してくれそうな雰囲気はなく、三メートルくらい離れた場所からこちらを眺めてくる。それだけならまだしも、どこか楽しそうな笑みを浮かべてくるので、さすがにイラッとしてしまった。こっちは笑えないほど追い詰められているのに!
「ほらほら、ちゃんと歩いて。でないといつまで経っても終わらないよ」
「っ……」
「それとも歩き方わからない? 右足と左足を交互に前に出すんだよ。こう……一、二と」
「わかってるよ!」
大声を出した途端、腹がきゅっと締まって中のボールが変なところに擦れた。それでまた腰が砕けそうになった。
――くそ……下手に喋ると逆効果か……。
こうなったら、なるべく腹のことは考えず無心で風呂場まで歩くしかない。
アクセルはよろよろと足を踏み出し、壁を伝いながら廊下を歩いた。風呂場までの道のりがやたらと長く感じた。
「はっ……う……く」
「ほらほら、もう少しだよ。頑張って、お前ならできる」
「っ~~~~」
一方の兄は、煽るだけ煽って一切手を貸そうとしない。弟が目の前で苦心しているのに、本当に見ているだけだった。
理不尽な怒りがこみ上げて来て、思わず大声で罵りたくなる。
――くっそ……兄上、覚えとけよ……!
風呂場に着いたら一発殴ってやろうと心に決め、アクセルは唇を噛み締めた。そしてよろよろと足を動かし続けた。
腹の中にボールが入っているのはもちろんだが、後孔から持ち手が生えているのもまた恥ずかしい。顔から火が出そうだ。
「ほらほら、ちゃんと歩いて。でないといつまで経っても終わらないよ」
「っ……」
「それとも歩き方わからない? 右足と左足を交互に前に出すんだよ。こう……一、二と」
「わかってるよ!」
大声を出した途端、腹がきゅっと締まって中のボールが変なところに擦れた。それでまた腰が砕けそうになった。
――くそ……下手に喋ると逆効果か……。
こうなったら、なるべく腹のことは考えず無心で風呂場まで歩くしかない。
アクセルはよろよろと足を踏み出し、壁を伝いながら廊下を歩いた。風呂場までの道のりがやたらと長く感じた。
「はっ……う……く」
「ほらほら、もう少しだよ。頑張って、お前ならできる」
「っ~~~~」
一方の兄は、煽るだけ煽って一切手を貸そうとしない。弟が目の前で苦心しているのに、本当に見ているだけだった。
理不尽な怒りがこみ上げて来て、思わず大声で罵りたくなる。
――くっそ……兄上、覚えとけよ……!
風呂場に着いたら一発殴ってやろうと心に決め、アクセルは唇を噛み締めた。そしてよろよろと足を動かし続けた。
腹の中にボールが入っているのはもちろんだが、後孔から持ち手が生えているのもまた恥ずかしい。顔から火が出そうだ。
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