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第12章~不穏な空気~
第44話
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「あ、兄上!? 入ってくるなって言ったじゃないか!」
「風呂場には入ってないでしょ。私だって早く身体綺麗にしたかったんだよ」
「それは……」
「お前が汚したところ、ちゃんと掃除しておいたし。ちゃんと一人で後片付けして、お兄ちゃんすごく偉いよね」
「え、えー……はい、ありがとうございます……」
「じゃあお前、私が入っている間に夕飯でも作っておいて。今日はお肉の気分だから、ガッツリしたステーキで頼むよ」
ポン、と肩を叩き、兄はそのまま風呂場に入っていった。
気を取り直し、普段着に着替えてリビングに戻ったら、兄の言う通りきちんと後始末がされていた。
アクセルが撒き散らしたはずの白濁や潮は拭き取られ、臭いまでしっかり消されている。さすがに兄は、その辺りの始末が徹底しているようだ。
――ちゃんとステーキ作っといてあげよう……。
そう思いつつ、アクセルはキッチンに入った。食料棚を確認したら先日買った猪肉がまだ残っていたので、それをじっくり焼くことにした。
同時に野菜を大量に切り、ピピが好きな野菜スープを作る。野菜もそろそろなくなってきたので、また市場に買いに行かなければ。
うちは兄といいピピといい、食料を大量消費するやつが多いからなぁ……と内心ボヤいていると、いつの間にやら兄が戻ってきた。
「風呂場には入ってないでしょ。私だって早く身体綺麗にしたかったんだよ」
「それは……」
「お前が汚したところ、ちゃんと掃除しておいたし。ちゃんと一人で後片付けして、お兄ちゃんすごく偉いよね」
「え、えー……はい、ありがとうございます……」
「じゃあお前、私が入っている間に夕飯でも作っておいて。今日はお肉の気分だから、ガッツリしたステーキで頼むよ」
ポン、と肩を叩き、兄はそのまま風呂場に入っていった。
気を取り直し、普段着に着替えてリビングに戻ったら、兄の言う通りきちんと後始末がされていた。
アクセルが撒き散らしたはずの白濁や潮は拭き取られ、臭いまでしっかり消されている。さすがに兄は、その辺りの始末が徹底しているようだ。
――ちゃんとステーキ作っといてあげよう……。
そう思いつつ、アクセルはキッチンに入った。食料棚を確認したら先日買った猪肉がまだ残っていたので、それをじっくり焼くことにした。
同時に野菜を大量に切り、ピピが好きな野菜スープを作る。野菜もそろそろなくなってきたので、また市場に買いに行かなければ。
うちは兄といいピピといい、食料を大量消費するやつが多いからなぁ……と内心ボヤいていると、いつの間にやら兄が戻ってきた。
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