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第11章~強くなるために~
第143話
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「……大きな声では言えないけど、『あの巫女の息子を復活させるなんてとんでもない』という一派が少なからずいたんだよ」
「えっ……?」
「巫女と石碑さえなければ、無茶苦茶な予言に振り回されることもない。せっかく自由になったのに、巫女の息子が後を継いでしまったらまた石碑に従う日々に逆戻りだ。そんなのは御免だ……って、暴動が起きそうになったんだよ。息子など復活させず、残った息子も透ノ国に閉じ込めろ……とか言い出す者もいて」
「そんな……」
アクセルは言葉を失った。
こちらからすれば巫女を継ぐ気など全くないし、兄を一人だけ透ノ国に閉じ込めるのも言語道断だ。
自分たちはヴァルハラでオーディンの眷属として生きてきた。それはこれからも変わらないし、変えるつもりもない。
「でもそれ、結局杞憂だったんですよね? 俺が無事に復活できたってことは、何も問題なかったってことですよね?」
改めて尋ねると、バルドルは小さく頷いた。
「そうだね、今のところは。父上としても『ラグナロクを生き延びられたのは、巫女の息子たちのおかげ』という意識が少なからずあったみたいで。反対する連中を力ずくで捻じ伏せて、復活の儀式を行ったらしいんだ。力ずくで捻じ伏せちゃうところが、父上らしいところだね」
「はあ。それで……その反対していた方々は今どうしてるんですか?」
「えっ……?」
「巫女と石碑さえなければ、無茶苦茶な予言に振り回されることもない。せっかく自由になったのに、巫女の息子が後を継いでしまったらまた石碑に従う日々に逆戻りだ。そんなのは御免だ……って、暴動が起きそうになったんだよ。息子など復活させず、残った息子も透ノ国に閉じ込めろ……とか言い出す者もいて」
「そんな……」
アクセルは言葉を失った。
こちらからすれば巫女を継ぐ気など全くないし、兄を一人だけ透ノ国に閉じ込めるのも言語道断だ。
自分たちはヴァルハラでオーディンの眷属として生きてきた。それはこれからも変わらないし、変えるつもりもない。
「でもそれ、結局杞憂だったんですよね? 俺が無事に復活できたってことは、何も問題なかったってことですよね?」
改めて尋ねると、バルドルは小さく頷いた。
「そうだね、今のところは。父上としても『ラグナロクを生き延びられたのは、巫女の息子たちのおかげ』という意識が少なからずあったみたいで。反対する連中を力ずくで捻じ伏せて、復活の儀式を行ったらしいんだ。力ずくで捻じ伏せちゃうところが、父上らしいところだね」
「はあ。それで……その反対していた方々は今どうしてるんですか?」
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