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第11章~強くなるために~
第135話
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「上手くいくかどうかではない、一種のケジメみたいなものだ」
「ケジメ……」
「人の価値観はそれぞれ違うからな。どんなに話し合っても平行線で終わってしまうこともある。こちらが『浮気だ』と訴えても、相手が『浮気じゃない』と思っていれば主張は噛み合わない。だからといって、その度に喧嘩していては双方にとって損しかない」
「それは……」
「とはいえ、何もせずにこちらが一方的に我慢するのはあまりに理不尽すぎる。だから一発ぶん殴る。根本的な解決にはならんが、それで幾分気持ちは収まる」
「そう、ですか……」
「お前も、どうしても許せなければ一度兄をぶん殴ってみたらどうだ?」
ホズが、どこかそそのかすような口調で言ってくる。
――なるほど……。そういうのもアリなのか……。
できるかどうかはわからないが、やってみる価値はありそうだ。このままでは気持ちの整理がつかないし、こちらの気持ちを訴えるきっかけにもなる。
「……ありがとうございます。参考にさせていただきます」
アクセルはぺこりと頭を下げた。そして愚痴のように尋ねた。
「それにしても、兄上といいバルドル様といい、なんで浮気するんでしょうね? あれって直らないんでしょうか?」
「直ったら苦労しないさ。そもそも兄上は、自分がやっていることを『浮気』だとは思っていない。だから何度も同じことを繰り返してしまうんだ」
「ケジメ……」
「人の価値観はそれぞれ違うからな。どんなに話し合っても平行線で終わってしまうこともある。こちらが『浮気だ』と訴えても、相手が『浮気じゃない』と思っていれば主張は噛み合わない。だからといって、その度に喧嘩していては双方にとって損しかない」
「それは……」
「とはいえ、何もせずにこちらが一方的に我慢するのはあまりに理不尽すぎる。だから一発ぶん殴る。根本的な解決にはならんが、それで幾分気持ちは収まる」
「そう、ですか……」
「お前も、どうしても許せなければ一度兄をぶん殴ってみたらどうだ?」
ホズが、どこかそそのかすような口調で言ってくる。
――なるほど……。そういうのもアリなのか……。
できるかどうかはわからないが、やってみる価値はありそうだ。このままでは気持ちの整理がつかないし、こちらの気持ちを訴えるきっかけにもなる。
「……ありがとうございます。参考にさせていただきます」
アクセルはぺこりと頭を下げた。そして愚痴のように尋ねた。
「それにしても、兄上といいバルドル様といい、なんで浮気するんでしょうね? あれって直らないんでしょうか?」
「直ったら苦労しないさ。そもそも兄上は、自分がやっていることを『浮気』だとは思っていない。だから何度も同じことを繰り返してしまうんだ」
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