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第11章~強くなるために~

第123話

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「あーおかえり。早速だけど、これに着替えてくれる?」
「? 何事だ? パーティーにでも参加するのか?」
「何言ってるの。今日はバルドル様の食事会の日でしょ。のんびりしてたら遅刻しちゃう」
「??? 食事会は昨日だったはずでは?」
「それが、手紙を読み返したら曜日が一日ズレていることが判明したんだ。正しくは水曜日じゃなくて木曜日だった」
「えっ、そうなのか? それを早く言ってくれよ」

 それじゃあ鍛錬なんてしている場合じゃない。急いで着替えて出掛けなくては。

 渡されたシャツに袖を通し、セットのズボンを穿き、ジャケットを羽織る。初めて着る服なのに色合いやデザインが自分によく合い、身体にもぴったりフィットした。

「ところで、この衣装どうしたんだ? 新しく買ったのか?」
「いや、ユーベルにもらったんだよ。最初は借りるつもりだったんだけど、気前よくプレゼントしてくれちゃって」
「そうなのか。さすがユーベル様というか何というか」
「こういうことに関しては、ユーベルの右に出る者はいないからね。コーディネートまで考えてくれて、助かっちゃったよ」

 まあ彼の場合は、人に衣装着せるのが趣味って面もあるけど……と笑う兄。何にせよ、復活してすぐに衣装が用意されているのはありがたかった。

 服を着こなし、洗面所でおかしなところはないかチェックしていると、洗濯籠が山盛りになっているのを見つけた。この間洗濯したつもりだったのに、もういっぱいになってしまっている。
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