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第11章~強くなるために~

第111話(フレイン視点)

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 フレインはボックス席を離れ、オーディンの館に向かった。

 ちょうど遺体回収班がアクセルの身体を運んできたところで、館の手前に並んでいる回復の速い棺に入れようとしていた。

「やあ、ご苦労様。弟の復活にはどのくらいかかりそうかな?」
「外傷はさほどではありませんが、内部がかなり損傷しているので見た目よりは時間がかかるかと」
「あー……内部ね。骨とかだいぶ折れてたみたいだけど」
「骨もそうですが、肺と心臓が破裂していますので」
「……え、そこまでひどいの?」
「はい。なので、少なくとも丸一日はかかると思います」

 遺体回収班から遺体を預かった係の男が、慣れた動作で次々棺の中に放り込んでいく。

 蓋が閉まる直前、弟の死体をチラッと見たら、口元に吐血の跡が残ったままだった。せめて顔くらい拭いてあげればよかったかなと思う。

 ――しかし、胸部を殴るだけで肺と心臓を破裂させられるなんてねぇ……。

 あのアロイスって子、相当な馬鹿力だなと感心した。あばらが折れるのはよくあることだけど、内臓までまとめて損傷させられたなんて話はあまり聞いたことがない。弟より小柄なくせにあんな重そうな甲冑着て、その上で身の丈サイズの大剣をぶんぶん振り回せていたのだから、かなりの怪力であることはわかったが。
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