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第11章~強くなるために~
第34話
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「そこでアクセルと会ったから、一緒に滝に打たれてたんだー。アクセルね、今日はちゃんと三〇分滝に打たれていられたんだよー。偉いよねー」
「い、いや……ミューが横にいてくれたおかげだ……」
喋っている間にも、唇が震えて奥歯がカタカタする。今更ながら、どれだけ体温を奪われていたかに気付いた。早く湯を浴びないと凍死しそうだ。
「お湯は沸いてるよ。ゆっくり温まって来なさい。そのままだと風邪ひいちゃう」
「あ、ありがとう……」
アクセルはガタガタ震えながら浴室に飛び込んだ。お湯の張っている湯船に入った途端、足先がビリビリ痛んだ。
しばらく湯に浸かり、十分に温まってから軽く身体を洗って風呂を出る。
風呂に入っている時、本当に自分の下半身が引き締まっているのか、鏡で見ながら確かめてみた。少しだけしっかりしてきたような気もするが、やはり毎日自分で見続けているとイマイチ変化が実感できない。本格的な死合いを行えば、少しは成長がわかるんだろうか……うーむ……。
新しい服を着て、リビングに戻る。そこでは兄とミューがのんびりお茶をしていた。お茶菓子はミューが提供したペロペロキャンディーである。お茶と合うかはわからないが。
「やあ、おかえり。ミューからいろいろ話は聞いたよ。頑張ってきたみたいだね」
「いや……ミューが興味深い話をしてくれたおかげだよ。ありがとう」
「ふふん、どういたしまして。僕の話もいいけど、ユーベルやジークの話の方がもっと面白いよー。今度鍛錬に誘ってみるといいよー」
「そうなのか。それはちょっと気になるな」
「い、いや……ミューが横にいてくれたおかげだ……」
喋っている間にも、唇が震えて奥歯がカタカタする。今更ながら、どれだけ体温を奪われていたかに気付いた。早く湯を浴びないと凍死しそうだ。
「お湯は沸いてるよ。ゆっくり温まって来なさい。そのままだと風邪ひいちゃう」
「あ、ありがとう……」
アクセルはガタガタ震えながら浴室に飛び込んだ。お湯の張っている湯船に入った途端、足先がビリビリ痛んだ。
しばらく湯に浸かり、十分に温まってから軽く身体を洗って風呂を出る。
風呂に入っている時、本当に自分の下半身が引き締まっているのか、鏡で見ながら確かめてみた。少しだけしっかりしてきたような気もするが、やはり毎日自分で見続けているとイマイチ変化が実感できない。本格的な死合いを行えば、少しは成長がわかるんだろうか……うーむ……。
新しい服を着て、リビングに戻る。そこでは兄とミューがのんびりお茶をしていた。お茶菓子はミューが提供したペロペロキャンディーである。お茶と合うかはわからないが。
「やあ、おかえり。ミューからいろいろ話は聞いたよ。頑張ってきたみたいだね」
「いや……ミューが興味深い話をしてくれたおかげだよ。ありがとう」
「ふふん、どういたしまして。僕の話もいいけど、ユーベルやジークの話の方がもっと面白いよー。今度鍛錬に誘ってみるといいよー」
「そうなのか。それはちょっと気になるな」
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