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第11章~強くなるために~

第26話

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 ランキング一位の戦士を誘うとか図々しいことこの上ないが、兄の友達だし顔見知りだし、ついでにヒマそうにしていたのでつき合ってもらうことにした。

 それに、ミューが相手だったら実力差がありすぎて逆に何とも思わない気がしたのだ。

「あー、滝修行とか久しぶりだなー。僕、滝に打たれながらかき氷食べるのが好きなんだよねー」
「そ、そうか……」

 ……ただでさえ冷たい水なのに、かき氷まで食べるなんてどういう神経をしているのだろう。

 ミューは準備体操もそこそこに、ザバザバ水に入って滝の下に入った。

 だが、一分も経たないうちに滝から出てきて、近くの丸太や岩を物色し始めた。

「どうしたんだ?」
「んー、なんか刺激が足りない気がして。せっかくだから、何か担ぎながら打たれようかと思ったんだー。どれにしようかなー」
「……そうか。ミューはすごいな」
「あ、どうせならアクセル、僕の上に乗っかるー? それなら僕の刺激にもなるし、アクセルが気絶してもすぐにわかるし。お互いWIN-WINだよねー」
「……いや、それはちょっと」

 メリットがあるのはわかるが、下にミューがいたら全然集中できなさそうだ。

 気を取り直して、アクセルはそっと水の中に入った。相変わらず水は冷たく、身体の内側から凍り付いていくような感覚がする。

 それを我慢して恐る恐る滝の下に入ったら、上から石のように重い水がドドドド……と身体を打ってきた。頭のみならず肩や首にも直撃し、慌てて力を込めて刺激に耐える。

 重い上に冷たい水に三〇分耐えるというのは、簡単なようでかなり根性が必要だ。
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