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第11章~強くなるために~

第19話

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「ピピ、ご飯にするぞ」
「……ぴ?」

 少々寝ぼけた鳴き声がしたと思ったら、ピピが猛スピードですっ飛んできた。美味しそうな野菜スープの匂いで目覚めたみたいだ。

「ほら、ピピの大好きな野菜スープだ。作りたてだから火傷しないように気をつけろよ?」
「ぴー♪」
「それじゃ、私たちもいただこうか」

 兄にホットサンドを差し出され、仲良くベランダに腰掛けて昼食をとった。こうしてみんなで穏やかな食事ができるのは、平凡だけど非常に幸せなことだ。戦うことが日常の戦士にとっては、家族と食事がとれるだけで十分ありがたい。

「これ食べたらいろいろ買い出しに行かないとな。兄上、ついてきてくれるか?」
「うん、もちろん」

 昼食を終え、食器や鍋を全部綺麗に片付けて、アクセルは兄と市場に買い物に出掛けた。

 数日分の食料と日用品――特に石鹸を多めに買い込んで、念のために材木も見に行った。

 が、やはり材木に関しては暖炉用の薪や丸太しか売っていなくて、露天風呂を作れるような幅広の材木は置いていなかった。これに関しては自分で収集してくるしかないようだ。

「別にそう困ることでもなくない? 以前のお前は木彫りでもポストでも自作してたじゃない。材料さえ集めれば、後は余裕でしょ」

 ……その材料集めが一番面倒なのだが。

「木彫りはわかるが、ポストはどうかな。そんなの作った覚えないぞ」
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