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第11章~強くなるために~
第17話
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「ほらピピ、終わったぞ。これでだいぶさっぱりしたんじゃないか?」
「…………」
「……ピピ?」
返事がないので正面に回り込んで様子を窺ったところ、ピピは目を閉じているのではなく眠っているようだった。耳をすましたら、「すぴー……」と規則正しい音がしている。
「……ふふ」
アクセルは思わず噴き出した。
本当にピピは可愛い。癒される。賢いしいい子だし、もっと大事にしないとバチが当たりそうだ。
アクセルはなるべく音を立てないよう使ったスポンジやたらい、石鹸を片付け、それから家に戻ってサッと湯浴みした。本当はピピの近くで湯浴みしたかったけれど、寝ている側でお湯をバシャバシャやったらピピが起きてしまうかもと思ってやめた。
「兄上、お待たせ」
髪を拭きながらキッチンに入ったら、兄は一人でせっせと何かを調理していた。フライパンでハムやチーズを挟んだ食パンをトーストしている。ホットサンドだろうか。
「昼ご飯、作っておいてくれたのか」
「まあね。一人でボーッとしてても時間の無駄だし。昼食だから簡単なものでいいやと思って、適当に作っておいたよ」
「そうか……ありがとう。何かいろいろすまないな」
「ま、うちの弟は世話が焼けるからね。そこがまた可愛いんだけど」
「すみません……」
兄に迷惑をかけていることは自覚している。きっとこれは死んでも直らない。
「…………」
「……ピピ?」
返事がないので正面に回り込んで様子を窺ったところ、ピピは目を閉じているのではなく眠っているようだった。耳をすましたら、「すぴー……」と規則正しい音がしている。
「……ふふ」
アクセルは思わず噴き出した。
本当にピピは可愛い。癒される。賢いしいい子だし、もっと大事にしないとバチが当たりそうだ。
アクセルはなるべく音を立てないよう使ったスポンジやたらい、石鹸を片付け、それから家に戻ってサッと湯浴みした。本当はピピの近くで湯浴みしたかったけれど、寝ている側でお湯をバシャバシャやったらピピが起きてしまうかもと思ってやめた。
「兄上、お待たせ」
髪を拭きながらキッチンに入ったら、兄は一人でせっせと何かを調理していた。フライパンでハムやチーズを挟んだ食パンをトーストしている。ホットサンドだろうか。
「昼ご飯、作っておいてくれたのか」
「まあね。一人でボーッとしてても時間の無駄だし。昼食だから簡単なものでいいやと思って、適当に作っておいたよ」
「そうか……ありがとう。何かいろいろすまないな」
「ま、うちの弟は世話が焼けるからね。そこがまた可愛いんだけど」
「すみません……」
兄に迷惑をかけていることは自覚している。きっとこれは死んでも直らない。
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