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第10章~日常の中で~
第32話
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「気持ちはわかるけど、それは駄目。お前はまだ私のこと好きじゃないから」
「そんなことないです。俺、兄上のこと好きですよ」
「うん、ありがとう。でもなんか違うんだよねぇ……。どう違うのか上手く説明できないけど、以前と同じ気持ちで『好き』って言ってるんじゃないのはわかるんだなぁ」
「そんなことは……」
「いいんだ。時間は無限にあるんだから、元の気持ちを思い出すまで、私はのんびり待つことにするよ」
「兄上……」
「それより、この後紅葉狩り行く予定だったけどどうしようか。お前、まだ行く元気ある?」
唐突に話題を変えられ、頭を切り替えるのに数瞬を要した。そう言えば、死合いが終わったら紅葉狩りに行くと約束していたのだ。
アクセルはちょっと苦笑して、答えた。
「……はい、もちろん行けますよ。ここから出たら、早速向かいましょう。場所がわからないので、案内お願いします」
そう言いつつ水の下で手を握ったら、フレインは「もちろんだよ」と微笑んでくれた。
死合いの傷が完治したのを確認してから、二人は泉から上がった。
本当に紅葉狩り(という名の鹿狩り)をするなら弓矢も必要になるので、一度家に戻って必要な武器を取りに行った。
「しかし弓矢ですか……。これに関しては俺、あまり得意だった覚えがないんですよね」
「だろうね。お前、飛び道具はあまり使わない子だったから。狩りの時も小太刀だけで臨んでたよ」
「そんなことないです。俺、兄上のこと好きですよ」
「うん、ありがとう。でもなんか違うんだよねぇ……。どう違うのか上手く説明できないけど、以前と同じ気持ちで『好き』って言ってるんじゃないのはわかるんだなぁ」
「そんなことは……」
「いいんだ。時間は無限にあるんだから、元の気持ちを思い出すまで、私はのんびり待つことにするよ」
「兄上……」
「それより、この後紅葉狩り行く予定だったけどどうしようか。お前、まだ行く元気ある?」
唐突に話題を変えられ、頭を切り替えるのに数瞬を要した。そう言えば、死合いが終わったら紅葉狩りに行くと約束していたのだ。
アクセルはちょっと苦笑して、答えた。
「……はい、もちろん行けますよ。ここから出たら、早速向かいましょう。場所がわからないので、案内お願いします」
そう言いつつ水の下で手を握ったら、フレインは「もちろんだよ」と微笑んでくれた。
死合いの傷が完治したのを確認してから、二人は泉から上がった。
本当に紅葉狩り(という名の鹿狩り)をするなら弓矢も必要になるので、一度家に戻って必要な武器を取りに行った。
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