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第9章~再会と記憶~

第73話

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「いやいや、ちょっと誤解してただけです。最下位でこれだけ見た目がよかったら、絶対上の連中にセクハラされてると思って。フレイン様の弟だなんて知らなかったんですよ」
「じゃあこの機に覚えておきなさい。この子は私の大事な弟だ。変なちょっかいを出したら容赦なく血祭りに上げるからね」
「承知しました。ところで今日は遊んでいかれますか? お詫びに無料にしておきますよ」
「いや、結構。もう遊ぶ必要もないし」

 そう言ってフレインは、アクセルの腕を掴んで早々に娼館を立ち去った。掴んでいる手に力がこもっていて、若干痛かった。

 ――フレインさん、怒ってる……よな……?

 アクセルが変なところで掴まっていたから、機嫌を損ねたのだろうか。こんなことなら、アンリなんかについて行くんじゃなかった。最初からきっぱり断っておけばよかった。

「アクセル」

 家に帰り着いた途端、フレインに両肩を掴まれて問い詰められた。

「本当に大丈夫だった? 何もされなかった? 変なところ触られたりもない?」
「だ、大丈夫です……。契約書を渡されただけですから……サインもしてませんし」
「本当に? 本当にそれだけ? 脅されたり変な話吹き込まれたりもしてない?」
「してません」
「そうか……よかった……」

 ようやくフレインはホッとしたように息を吐いた。

 次いで、顔を近づけてお説教してくる。
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