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第9章~再会と記憶~
第61話(フレイン視点)
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「瞬殺ですか……。フレインさんは強いんですね」
「腕っぷしはね。……でも、脆いところもいっぱいあったりして」
自虐的に苦笑したら、アクセルはこんなことを言い出した。
「そうなんですか? 俺にはとても頼もしく見えますが……でも、脆いところのない人間なんていませんし、それが当たり前だと思いますよ」
「えっ……?」
「いいところとダメなところを併せ持っているのが人間ですもんね。フレインさんは強くて優しいですけど、そういう人ほどあまり弱さを見せないって言いますし。フレインさんにもきっと、人には言えない悩みがあるんだろうなと思います」
「…………」
「あっ……すみません! 生意気なことを言ってしまって……気を悪くしたなら謝ります。申し訳ありませんでした」
「いや、全然いいよ。むしろホッとした。やっぱりお前は昔のアクセルのままだ」
そう言ったら、アクセルは少し安心したように息を吐いた。
――これからは、事あるごとにこういう会話をすることになるんだろうな……。
気にするなと言っても、弟は記憶がないことを気にしてしまう。彼はそういう人間だ。それは仕方がない。
ならば、そんなこと考える暇もないくらい充実した日々を送らせればいい。それだけで十分気は紛れる。
フレインはアクセルの腕を掴んで、言った。
「基礎体力はもちろんだけど、武器の感覚を思い出すのも大事だよ。お前の武器、ちゃんと保管してあるから取りに行こう」
「は、はい……」
アクセルを引っ張りつつ、庭の裏手に回って武器用の倉庫に向かった。
「腕っぷしはね。……でも、脆いところもいっぱいあったりして」
自虐的に苦笑したら、アクセルはこんなことを言い出した。
「そうなんですか? 俺にはとても頼もしく見えますが……でも、脆いところのない人間なんていませんし、それが当たり前だと思いますよ」
「えっ……?」
「いいところとダメなところを併せ持っているのが人間ですもんね。フレインさんは強くて優しいですけど、そういう人ほどあまり弱さを見せないって言いますし。フレインさんにもきっと、人には言えない悩みがあるんだろうなと思います」
「…………」
「あっ……すみません! 生意気なことを言ってしまって……気を悪くしたなら謝ります。申し訳ありませんでした」
「いや、全然いいよ。むしろホッとした。やっぱりお前は昔のアクセルのままだ」
そう言ったら、アクセルは少し安心したように息を吐いた。
――これからは、事あるごとにこういう会話をすることになるんだろうな……。
気にするなと言っても、弟は記憶がないことを気にしてしまう。彼はそういう人間だ。それは仕方がない。
ならば、そんなこと考える暇もないくらい充実した日々を送らせればいい。それだけで十分気は紛れる。
フレインはアクセルの腕を掴んで、言った。
「基礎体力はもちろんだけど、武器の感覚を思い出すのも大事だよ。お前の武器、ちゃんと保管してあるから取りに行こう」
「は、はい……」
アクセルを引っ張りつつ、庭の裏手に回って武器用の倉庫に向かった。
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