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第9章~再会と記憶~
第2話(フレイン視点)
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――でも、誰と何回やっても満たされないんだよね……。
ラグナロクが終わり、ヴァルハラも平和になった。生き残った戦士は全員ヴァルハラに戻り、今まで通りの生活ができるようになった。
日課の死合いもあるし、狩りにも駆り出されるし、時々変な当番が回ってくることもあって、やるべき仕事はそれなりに多い。夜は宴に参加することもできるし、気に入った男とベッドインすることもあった。昨夜もジークにおねだりして、気絶するほどの快楽を与えてもらったのだ。
……でも、何をしても満足できない。
どういうわけか、心にぽっかり穴が空いてしまったみたいに、一時的な快感が全部抜けていってしまうのだ。その時だけはほんの一瞬楽しくても、それが終わるとすぐまた虚しくなってしまう。
特に自分の家に帰った時がひどかった。わけもわからず胸が痛くなって、意味もなく涙が溢れたりする。自分は鬱状態なのかと思ってしまうほど、不安定な日々が続いていた。
おかしい。一体自分はどうしてしまったんだろう。何がそんなに辛いんだろう。やっと元の生活ができるようになったのに、何かが足りない気がする……。
――死合いが終わったら、ピピちゃんの餌やりもしないとなぁ……。
ラグナロクが終わり、ヴァルハラも平和になった。生き残った戦士は全員ヴァルハラに戻り、今まで通りの生活ができるようになった。
日課の死合いもあるし、狩りにも駆り出されるし、時々変な当番が回ってくることもあって、やるべき仕事はそれなりに多い。夜は宴に参加することもできるし、気に入った男とベッドインすることもあった。昨夜もジークにおねだりして、気絶するほどの快楽を与えてもらったのだ。
……でも、何をしても満足できない。
どういうわけか、心にぽっかり穴が空いてしまったみたいに、一時的な快感が全部抜けていってしまうのだ。その時だけはほんの一瞬楽しくても、それが終わるとすぐまた虚しくなってしまう。
特に自分の家に帰った時がひどかった。わけもわからず胸が痛くなって、意味もなく涙が溢れたりする。自分は鬱状態なのかと思ってしまうほど、不安定な日々が続いていた。
おかしい。一体自分はどうしてしまったんだろう。何がそんなに辛いんだろう。やっと元の生活ができるようになったのに、何かが足りない気がする……。
――死合いが終わったら、ピピちゃんの餌やりもしないとなぁ……。
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