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第8章~ラグナロクの終わり~

第18話

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 この先に進んだらどうなる? この先はどんな世界なのだ? わからない。知らない場所を一人で進むことほど、愚かしいことはない。アクセルの場合、気をつけているつもりでも、いつの間にかピンチに陥っていることはよくある。そうなったら、今度こそ助けてくれる人はいない。

 だけど……。

「……よし」

 一時間だけここで待ってみよう。それで二人が戻って来なかったら先に進もう。

 そう決めて、アクセルは待っている間に自分のできることをしようと考えた。

 まず台所に行って、床下の食糧貯蔵庫に何か入っていないか確かめた。ヴァルハラから逃げて来てからずっと、まともな食事にありつけていない。先に進むにしても、腹ごしらえをしないことには何もできない。

 ――すごい、何でもある……。

 空っぽかもしれないと覚悟していた分、これは嬉しい驚きだった。これなら兄の分はもちろん、ピピの食事もたっぷり作ることができる。

 もっとも、こんなところに食料がいっぱいあること自体、罠のような気もするが……。

 ――でも、透ノ国に来たのに今更食べ物で罠にかけるっていうのもな……。

 そんな地味なことをするくらいなら、幻を見せるなり怪物に襲わせるなりした方が手っ取り早い。

 罠の可能性は低いと判断し、アクセルはいくつか食料を選んで勝手に料理することにした。
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