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第7章~ラグナロクの最中に~
第63話
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「あと数時間で夜が明けちゃうかな。まあ明日はお互い非番だから、よかったね」
「……ああ、そうだな……」
ふかふかの毛並みに寄り掛かっていたら、猛烈な眠気が襲ってきた。
兄も隣に寄り添い、一緒に掛布団をかけつつ、こちらを抱き締めてくれた。何だかとても安心した。
「兄上……」
「うん、おやすみアクセル。明日は一緒に拡張工事やろうね……」
小さく頷き、アクセルは眠りについた。
兄もピピも側にいてくれる。そのことがとても幸せだった。
***
それから一ヶ月程が経った……と、思う。「思う」というのは、毎日変化のない生活を地下で送っているため、日付感覚が薄れているのだ。
ラグナロクが行われているというのに、アクセルは今まで一度も出陣を許されておらず、たまの外出はと言えば食料調達の狩りやら拡張工事の資材探しばかり。鍛錬はしているものの、いい加減身体が訛ってしまいそうだ。ここまで戦場から遠ざかっていると戦士の血が騒ぎ、そろそろ思いっきり武器をふるいたいと思ってしまう。
――……こんなものか。
梯子を金槌で打ち付けたところで、アクセルは額の汗を拭った。
拡張工事はエンドレスで続いているが、緊急避難口はほぼ完成した。これでいざ敵が攻め寄せて来ても、ここから外に出られる。
後は石碑を見つけてここに運び込んで、誰かが壊してくれるのを待つのみである。
……まあ、ちょっと後味は悪いけど。
「……ああ、そうだな……」
ふかふかの毛並みに寄り掛かっていたら、猛烈な眠気が襲ってきた。
兄も隣に寄り添い、一緒に掛布団をかけつつ、こちらを抱き締めてくれた。何だかとても安心した。
「兄上……」
「うん、おやすみアクセル。明日は一緒に拡張工事やろうね……」
小さく頷き、アクセルは眠りについた。
兄もピピも側にいてくれる。そのことがとても幸せだった。
***
それから一ヶ月程が経った……と、思う。「思う」というのは、毎日変化のない生活を地下で送っているため、日付感覚が薄れているのだ。
ラグナロクが行われているというのに、アクセルは今まで一度も出陣を許されておらず、たまの外出はと言えば食料調達の狩りやら拡張工事の資材探しばかり。鍛錬はしているものの、いい加減身体が訛ってしまいそうだ。ここまで戦場から遠ざかっていると戦士の血が騒ぎ、そろそろ思いっきり武器をふるいたいと思ってしまう。
――……こんなものか。
梯子を金槌で打ち付けたところで、アクセルは額の汗を拭った。
拡張工事はエンドレスで続いているが、緊急避難口はほぼ完成した。これでいざ敵が攻め寄せて来ても、ここから外に出られる。
後は石碑を見つけてここに運び込んで、誰かが壊してくれるのを待つのみである。
……まあ、ちょっと後味は悪いけど。
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