転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第7章~ラグナロクの最中に~

第27話

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「でもさ、今日だって置いてけぼりにされてたじゃん? 書き置きのひとつでも残していってくれれば、心配する必要もなかったのにさ。その辺がなんか雑だなーって思っちゃう」
「兄上はもともとマメじゃないから、大雑把なところもたくさんあるんだよ。でもいざという時は俺よりしっかりしてるから、いいんだ」
「そういうものかな。オレからすると、アクセルばかり空回りしてるようで可哀想になってくるよ」

 などと同情されてしまい、アクセルは密かに苦笑した。

 ――確かに、俺の一人相撲なことはたくさんあるけどな……。

 でもそれは自分が未熟なだけだから、兄が特別悪いわけではない。兄には深い考えがあるのだろうし、それを詳しく弟に話さないのは兄なりの思いやりであるはずだ。

 まあ、嘘をつかれたのはちょっと悲しいけど……。

「それで、その石碑って見つかりそうなのか?」
 アクセルはあえて話題を変えた。チェイニーは首をかしげて、答えた。
「さすがにまだ見つかってないけど、上位ランカーは優秀だからね。近いうちに見つけるんじゃないかな。そしたら今拡張しているところに運び込んで、破壊工作をするんだと思う」
「ああ、なるほど。そのための拡張工事だったのか。それじゃあ、せめて俺は地下での作業を頑張らないとな」
「…………」

 獣の肉を部位ごとに切り分け、煮込む前に一口サイズにしておく。ざくざくと包丁を入れていく瞬間が、料理の中で一番好きだった。肉や野菜を切り刻むのは、いい意味での憂さ晴らしになる。

 チェイニーも隣で肉を切りながら、ポツリと尋ねてきた。
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