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第6章~ラグナロクの始まり~
第87話
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本当に、ラグナロクが起こっているなんて信じられないような静けさだ。常に乱戦が起こっているわけではないだろうが、「よし、出陣だ!」という気分にもなれない。
戦士としてあるまじきことかもしれないけど、できることなら神々の戦になんて巻き込まれたくなかった。俺たちはただのエインヘリヤルだ。戦争なんてお前たちで勝手にやってくれ。
――そういえば……。
ふと、先程戦った大蛇のことを思い出す。
確かヘルは、ロキの子供には巨大な蛇もいると言っていた。そしてロキは巨人族出身。
――あの蛇、ロキの息子だったらどうしよう……。
そう考えるとぞっとする。
さっきはどうにか撃退できたが、ロキの息子がまだこの山の中をうろついているのだ。しつこく追跡してきたことしかり、このままでは終わらないかもしれない……。
――やば……! 早く合流しないと……!
歩くスピードを速め、アクセルは急いで兄の元に向かった。
だんだん川幅が狭くなり、次第に兄の姿が見えてくる。
「兄上!」
遠目に綺麗な金髪が見えた瞬間、一気に元気が湧いてきた。
アクセルは猛ダッシュで川岸を走り、兄の元へ戻った。
「兄上えぇ!」
「……ありゃ? アクセル、何でそんなところから……って」
「……おわっ!」
あまりに夢中で走ったせいか、足元の石に躓いて盛大にすっ転んでしまった。ゴツゴツの石が多かったのもあり、かなり痛かった。
戦士としてあるまじきことかもしれないけど、できることなら神々の戦になんて巻き込まれたくなかった。俺たちはただのエインヘリヤルだ。戦争なんてお前たちで勝手にやってくれ。
――そういえば……。
ふと、先程戦った大蛇のことを思い出す。
確かヘルは、ロキの子供には巨大な蛇もいると言っていた。そしてロキは巨人族出身。
――あの蛇、ロキの息子だったらどうしよう……。
そう考えるとぞっとする。
さっきはどうにか撃退できたが、ロキの息子がまだこの山の中をうろついているのだ。しつこく追跡してきたことしかり、このままでは終わらないかもしれない……。
――やば……! 早く合流しないと……!
歩くスピードを速め、アクセルは急いで兄の元に向かった。
だんだん川幅が狭くなり、次第に兄の姿が見えてくる。
「兄上!」
遠目に綺麗な金髪が見えた瞬間、一気に元気が湧いてきた。
アクセルは猛ダッシュで川岸を走り、兄の元へ戻った。
「兄上えぇ!」
「……ありゃ? アクセル、何でそんなところから……って」
「……おわっ!」
あまりに夢中で走ったせいか、足元の石に躓いて盛大にすっ転んでしまった。ゴツゴツの石が多かったのもあり、かなり痛かった。
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