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第6章~ラグナロクの始まり~

第80話

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 でもせっかく散策しているのだし、兄上のためにも何かしら持って帰りたい……と、アクセルは更に奥へと入っていった。

 少し進むと、うっすらと木々の色が変わってきた。今まで深い緑色だったのが、どことなく黄色みがかった葉の色が多くなってきた。樹木の種類が変わってきた証拠だ。

 ――もしかしたら何かあるかも……。

 少し期待を込めて、注意深く周りを見て回った。

 木の実とは言わない。食べられるキノコとか山菜とか、そういうのでも万々歳だ。今は少しでも食料が欲しい。次にいつ食べ物にありつけるかわからないんだし。

 そう思い、アクセルは一度その場にしゃがんで茂みを掻き分けつつ、目を凝らした。

 ほとんどはただの雑草のようだったが、一部はよく見かける山菜に似ていた。ワラビとか、タラの芽とか。

 ――意外とあるじゃないか、山菜……あ、こっちにも。

 何故か土筆つくしも見つけてしまい、季節外れの不思議に一人首をかしげた。

 もっとも、ここは神の世界なので季節も何もないのかもしれないが。

 まあ山菜が集められれば何でもいいや……と思いつつ、黙々と収穫を続ける。丈の長い黒服の裾をたくし上げ、採った山菜を次々そこに放り込んでいった。籠がないから、ローブのような黒服はとても役に立った。

 そうやって山菜を集め続け、そろそろ服もいっぱいだ……と思ったところで、よいしょと腰を上げる。

 そこで周囲を見回して気付いた。

 ――しまった、ここどこだ……?
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