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第5章~神々の国へ~
第64話
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「要するに、ヴァルハラの環境が特殊だってこと。私たち神も、本来は不死身じゃないからね。怪我もするし、運が悪ければ死ぬこともあるよ」
「だが兄上は、万物の加護があるだろう?」
と、ホズが口を挟んでくる。
そう言えば以前、何かの拍子にバルドルが「私はどんな武器で攻撃されても死なない」みたいなことを言っていた。そのことを言っているのだろうか。
「母上が勝手にそうしたみたい。いいのか悪いのかわからないけどね。でもお前は不死身じゃないから、大怪我しないように気を付けて」
「無論だ。死者の国に送り込まれるのは御免だからな」
ホズはそう言っているが、無論アクセルだって死者の国に送り込まれるのは御免である。
――いつも通り手合わせしてもらおうと思ってたが……。
普段は斬られるのも怪我するのも怖くないが、蘇生できないとわかった途端、うっすらと恐怖が芽生えてきた。死者の国に行ったら、兄と会えなくなってしまう。
それだけは死んでも嫌だ!
「あの、ホズ様……万が一ということもありますから、手合わせは真剣ではなく模擬刀か何かで……」
そう言いかけたら、突然ホズが手にしていた武器を地面に置いた。
そして一枚の黒い布をこちらに差し出してきた。
「これをつけてくれ」
「? これは……?」
「ただの目隠しだ。それがあれば、武器なしの鍛錬でも強くなれる」
「……え。いや、あの……それは……」
アクセルはホズと黒い布を交互に見やった。
ホズは目が見えなくても十分強いが、自分は目隠ししたら本当に何もできなくなってしまうのだが……。
「だが兄上は、万物の加護があるだろう?」
と、ホズが口を挟んでくる。
そう言えば以前、何かの拍子にバルドルが「私はどんな武器で攻撃されても死なない」みたいなことを言っていた。そのことを言っているのだろうか。
「母上が勝手にそうしたみたい。いいのか悪いのかわからないけどね。でもお前は不死身じゃないから、大怪我しないように気を付けて」
「無論だ。死者の国に送り込まれるのは御免だからな」
ホズはそう言っているが、無論アクセルだって死者の国に送り込まれるのは御免である。
――いつも通り手合わせしてもらおうと思ってたが……。
普段は斬られるのも怪我するのも怖くないが、蘇生できないとわかった途端、うっすらと恐怖が芽生えてきた。死者の国に行ったら、兄と会えなくなってしまう。
それだけは死んでも嫌だ!
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そう言いかけたら、突然ホズが手にしていた武器を地面に置いた。
そして一枚の黒い布をこちらに差し出してきた。
「これをつけてくれ」
「? これは……?」
「ただの目隠しだ。それがあれば、武器なしの鍛錬でも強くなれる」
「……え。いや、あの……それは……」
アクセルはホズと黒い布を交互に見やった。
ホズは目が見えなくても十分強いが、自分は目隠ししたら本当に何もできなくなってしまうのだが……。
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