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第5章~神々の国へ~

第33話

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 アクセルも、自室に戻って身支度を……と思っていたら、バルドルがくるりと引き返してきた。

「あ、そうだ。きみに手紙が来ていたんだ」
「えっ……?」
「はい、これ。お兄さんからだろう?」

 模様も何もないシンプルな白い封筒。そこに綺麗な文字で「アクセルへ」と書かれている。兄の字だった。

「あ……ありがとうございます!」

 アクセルは手紙を受け取り、自室で早速開封してみた。昨日の今日で返事が来るとは思っていなかったから、さすがに少し驚いた。

「愛する弟へ

 お手紙ありがとう。私は元気だよ。

 手紙を受け取ってすぐに返事を書いてるんだけど、そっちにはいつ頃届くだろう? なるべく早く届くといいなぁ。

 ちなみに、こっちは特に変わらず。ミューもユーベルもジークも、みんな元気さ。

 あと、お前の同期の……えっと、何だっけ? チ……忘れちゃった。あの赤毛の少年が手紙を届けてくれたんだよ。彼にも手紙を書いてあげたら喜ぶかも。

 バルドル様にはよくしてもらってるみたいだね。私は会ったことないけど、彼は誰にでも愛される優しい神様らしい。そういう人のところでなら、一年間楽しく過ごせるだろうな。ちょっと安心したよ。

 お前がいないヴァルハラは寂しいけど、そっちの生活もなるべく楽しんで欲しい。どうせ一年は帰れないんだから、バルドル様といろんな思い出を作ってね。それで、帰ってきたらたくさんお話を聞かせてくれたら嬉しいな。

 また手紙ちょうだいね。くだらないことでも愚痴でも何でも大歓迎だよ。

 大好き。

お兄ちゃんより」
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