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第4章~更なる力を求めて~

第35話(フレイン視点)

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 そんなベッドのど真ん中で寝られては自分が寝るスペースがなくなってしまうのだけど、あまりにすやすや寝ているのでこのままにしておくことに決めた。自分は床か、あるいはソファーで眠ればいいや。

「お前、洞窟で何を見てきたんだい?」

 返事のない問いかけをしてみる。

 光も音も届かない洞窟では、嘘か本当かわからないようなことが起こる。それは入った人によって様々だが、大抵の人は摩訶不思議な経験をして戻ってくるのだ。

 今回弟はフレインの幻聴を聞いてきたようだが、フレインが洞窟に入った時は忘れかけていた過去の出来事が甦ってきた。生前、自分が誰に負けて死んだのか、それを無理矢理思い出す羽目になったのだ。あれはきつかった。

 ――普通の相手だったら、正面から滅多切りされることもなかったんだろうけど……。

 当時はわからなかったが、今ならわかる。自分を殺したのは、アースガルズの神だった。

 オーディンは戦死した強者を集め、眷属エインヘリヤルとしてヴァルハラに住まわせている。来たるべき最終戦争ラグナロクに備えるために、地上の強者を自らの意思で殺すこともあるそうだ。地上で戦争が起こるのも、オーディンがわざと争いを引き起こしているせいだと言われている。

「……まったく」
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