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第3章~新たなる試練~

第187話

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 鞭のようにしなる尻尾に殴られ、アクセルは軽々と吹き飛ばされた。空中でどうにか体勢を立て直し、すべりながら地面に着地して、突進してくるオオカミ神を横に避ける。

 ――もし既に誰かが子供を狩ってしまっていたら……。

 オオカミ神の怒りを鎮める方法はない。退治するか、動けなくなるまで痛めつけることでしか、この獣を止める術はない。

 でも……でもそれは、さすがに可哀想なのではないか。このオオカミ神はただ、いなくなった子供を求めているだけだ。意味もなく無差別に暴れているのではない。

 だからと言って、このまま放置するわけにもいかない。街に入られたらおしまいだ。何とかここで食い止めないと。

「……!?」

 オオカミ神が跳躍した。巨体がズドンと着地し、はずみで地面がぱっくり割れた。直撃は避けたが、割れた足下に一瞬気をとられた。

 気付いた時には、オオカミ神の牙が目の前に見えていた。

 ――そんな……。

 何とか喰われないように頑張ったのに。結局俺はオオカミに喰われてしまうのか。兄上に身投げさせてしまうのか。やはり俺の力では、夢の内容を変えることはできないのか……。

「グオォォォッ!」

 オオカミ神の湿った呼気が全身に纏わりついた。小太刀を構える余裕もなく、アクセルは獣の牙に挟まれ、そのまま頭から飲み込まれそうになった。

 その時だった。
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