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第3章~新たなる試練~

第121話

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 ――俺たち、意外と似ているのかも。

 見た目も性格も実力も、兄とはまるで大違いだと思っていた。いや、実際顔も性格も実力も兄の足下にも及ばないのだが、お互いを思いやる気持ちだけは共通しているように思う。

 地獄の果てまでも一緒にいたい。その強烈な気持ちがあったからこそ、ヴァルハラで再会することができたのだろう。

「それじゃ、これ食べ終わったらハチミツ採りに行こうか。道具って何が必要だろう?」
「いろいろあると思うが……ヴァルハラのハチってどんな感じなんだ?」
「さあ? 私もちゃんと見たことないから」

 ……なんだかだんだん不安になってきた。兄は気軽な調子で「ハチミツ~♪」と山に入りそうだが、例のイノシシみたいにとんでもなく大きなハチが出てきたらどうするのか。さすがに身の丈サイズのハチはいないだろう……と信じたいが、出掛ける前に図書館で下調べをした方がいいかもしれない。

 ――ハチが大きければ、当然巣も大きいだろうし……。

 朝食を平らげた二人は、食器の片づけをして、まず図書館に赴いた。兄は「そんなことしなくても大丈夫だよ~」などと言っていたが、「俺に『気を付けなさい』って言ったのはどこの誰だよ?」と言い負かし、強引に兄を連行した。

「うーん……相変わらずここは小難しい本が多いね。もっとこう、娯楽系の本はないのかなぁ……」

 アクセルが掻き集めてきた本の山を、退屈そうに眺めている兄。ヴァルハラの図書館にはもともと娯楽系の書物は少なく、ヴァルハラの歴史だの神々の図録だの、そういった資料が多かった。
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