178 / 2,666
第3章~新たなる試練~
第55話*
しおりを挟む
「兄上……」
両手を差し伸べようとして、紐で縛られていたことを思い出す。このままでは大好きな人を抱き締められない。すぐ側にいるのに悲しすぎる。
「あの、兄上……そろそろこれ……」
アクセルは両腕を揺らして訴えた。
兄を抱き締められないのもそうだが、単純に両手が使えないのは不便だ。何かにしがみ付くこともできないし、後ろに回されっぱなしなので肩も痛んでくる。
すると兄は少し首をかしげて聞いてきた。
「あれ? お前、縛られるの嫌いなの?」
「そ、そういうことではなく……。とにかく外してくれないか……? いい加減辛くなってきた……」
「もう、しょうがないな」
身体を横に転がされ、後ろに回されている腕の拘束を解かれる。ずっと背中に敷かれて痺れていたが、自由になった途端、腕の痺れも忘れた。
アクセルは当たり前のように兄に手を回し、意外とたくましい背中に抱きついた。
「兄上……好きだ、愛してる……」
「うん……私も大好き。見た目も性格も、全部ね……」
「全部……?」
「うん、全部……。お前の肉を知る度に、愛しくなってたまらないよ」
「……うっ……!」
急に兄の硬さを感じ、アクセルは低く呻いた。あまりに馴染みすぎて、今まで入りっぱなしだということを忘れていた。
「あの、兄上……すまないが、一度抜いて欲しいんだが……」
「えー……でも私、まだ出してないし……」
「っ……い、いや、でも」
「ところでお前、縛られるの嫌いじゃないよね?」
「……えっ?」
「せっかくだから、別のところ縛っちゃおうか」
兄が解いた紐を掴み、少し身体を起こした。
何をするのかと身構えた瞬間、陰部の根本に激痛が走った。
両手を差し伸べようとして、紐で縛られていたことを思い出す。このままでは大好きな人を抱き締められない。すぐ側にいるのに悲しすぎる。
「あの、兄上……そろそろこれ……」
アクセルは両腕を揺らして訴えた。
兄を抱き締められないのもそうだが、単純に両手が使えないのは不便だ。何かにしがみ付くこともできないし、後ろに回されっぱなしなので肩も痛んでくる。
すると兄は少し首をかしげて聞いてきた。
「あれ? お前、縛られるの嫌いなの?」
「そ、そういうことではなく……。とにかく外してくれないか……? いい加減辛くなってきた……」
「もう、しょうがないな」
身体を横に転がされ、後ろに回されている腕の拘束を解かれる。ずっと背中に敷かれて痺れていたが、自由になった途端、腕の痺れも忘れた。
アクセルは当たり前のように兄に手を回し、意外とたくましい背中に抱きついた。
「兄上……好きだ、愛してる……」
「うん……私も大好き。見た目も性格も、全部ね……」
「全部……?」
「うん、全部……。お前の肉を知る度に、愛しくなってたまらないよ」
「……うっ……!」
急に兄の硬さを感じ、アクセルは低く呻いた。あまりに馴染みすぎて、今まで入りっぱなしだということを忘れていた。
「あの、兄上……すまないが、一度抜いて欲しいんだが……」
「えー……でも私、まだ出してないし……」
「っ……い、いや、でも」
「ところでお前、縛られるの嫌いじゃないよね?」
「……えっ?」
「せっかくだから、別のところ縛っちゃおうか」
兄が解いた紐を掴み、少し身体を起こした。
何をするのかと身構えた瞬間、陰部の根本に激痛が走った。
11
お気に入りに追加
828
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
【完】ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが
咲
BL
俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。
ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。
「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」
モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?
重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。
※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。
※第三者×兄(弟)描写があります。
※ヤンデレの闇属性でビッチです。
※兄の方が優位です。
※男性向けの表現を含みます。
※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。
お気に入り登録、感想などはお気軽にしていただけると嬉しいです!
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
ある日、人気俳優の弟になりました。
樹 ゆき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる