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第1章~あなたを目指して~
第32話
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大人はできるだけ避けること……と心の中にメモし、アクセルも茂みの中に入っていった。周囲の気配を確認しつつ、自分の武器・二刀小太刀に目を落とす。
――弓矢くらい持ってくるべきだったな……。
あまり荷物を持って行くと動きが鈍くなると思ってやめたが、こうして個人的に狩りをするのなら、弓矢は絶対必要だ。ちょっと失敗した。やりにくいことこの上ない。
――兄上が勧めてくれた武器も、狩りを前提とはしてないしな……。
再び兄との思い出に脳を浸す。
最初はアクセルも、兄の真似をして「太刀」を使っていた。でも自分にはあの重さと長さがどうにも扱いづらくて、手合わせの成績もあまり伸びなかったのだ。
俺は兄上みたいになりたかったのに、武器すらまともに扱えないのか。
そう悩んでいた時、兄にこう意見された。
「もっと刀身を短くしてみたらどうだろう?」
「……短く? 短剣にしろって言うのか?」
「いや、そこまで短くしなくていいけど。でもお前の長所は腕力じゃなくて瞬発力だからね。もっと小回りが利いて軽い武器の方がいいんじゃないかな?」
「軽い武器か……」
それで考えあぐねた結果、二振りの小太刀を使うことにした。
太刀を扱えなくなったのは残念だったが、武器を替えたおかげで成績も伸び、生来の真面目な性格も相まって、アクセルは十六歳で初陣を飾ることができたのである。
――もっとも、兄上と同じ戦場に立つことは叶わなかったが……。
アクセルが戦場に立てるようになった時には、兄は既に前線でバリバリ活躍していた。お互いの出陣場所が違うので会うことも滅多になく、早く前線に出たいと思っていたら兄が戦死してしまったのだ……。
――弓矢くらい持ってくるべきだったな……。
あまり荷物を持って行くと動きが鈍くなると思ってやめたが、こうして個人的に狩りをするのなら、弓矢は絶対必要だ。ちょっと失敗した。やりにくいことこの上ない。
――兄上が勧めてくれた武器も、狩りを前提とはしてないしな……。
再び兄との思い出に脳を浸す。
最初はアクセルも、兄の真似をして「太刀」を使っていた。でも自分にはあの重さと長さがどうにも扱いづらくて、手合わせの成績もあまり伸びなかったのだ。
俺は兄上みたいになりたかったのに、武器すらまともに扱えないのか。
そう悩んでいた時、兄にこう意見された。
「もっと刀身を短くしてみたらどうだろう?」
「……短く? 短剣にしろって言うのか?」
「いや、そこまで短くしなくていいけど。でもお前の長所は腕力じゃなくて瞬発力だからね。もっと小回りが利いて軽い武器の方がいいんじゃないかな?」
「軽い武器か……」
それで考えあぐねた結果、二振りの小太刀を使うことにした。
太刀を扱えなくなったのは残念だったが、武器を替えたおかげで成績も伸び、生来の真面目な性格も相まって、アクセルは十六歳で初陣を飾ることができたのである。
――もっとも、兄上と同じ戦場に立つことは叶わなかったが……。
アクセルが戦場に立てるようになった時には、兄は既に前線でバリバリ活躍していた。お互いの出陣場所が違うので会うことも滅多になく、早く前線に出たいと思っていたら兄が戦死してしまったのだ……。
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