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冬休み編

第5話*

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「……文化祭をサボって茶室付近にいたのも、真面目にやりたくなかったからですか」
「別に文化祭なんてどうでもいいだろ。遊びみたいなもんだし。俺一人くらいサボったところでたいしたことねぇよ」
「…………」

 こういうタイプとは絶対相容れない……。

「あっ……!」

 屋上の金網に押し付けられ、夏樹は顔を歪めた。ベルトを緩められた直後、するりとズボンを下ろされ、次いで下着をも下ろされてしまう。

 寒空の下で下半身を剥き出しにされ、思わずぶるりと肩を震わせる。寒い。

「へえ……? 嫌がってる割には結構反応してんじゃん。お前、相当な淫乱だな」
「っ……あっ」

 いつもより少しだけ熱を持ち始めた股間を握られ、鼻にかかった声が漏れた。

 河口のキスで反応したつもりはないのだが、市川に開発されてしまったせいか、ちょっとした刺激でも過敏に反応するようになってしまったみたいだ。

 河口がやや蔑んだような口調で言う。

「こんだけエロい身体してりゃ、市川センセも簡単に落とせるだろうな。あのセンセ、単純そうだしさ」
「な……っ!」

 そんなんじゃない。夏樹は肩越しに河口を睨みつけた。

 何も知らないくせに、勝手なことばかり言うな。俺が先生を誘ったわけじゃないし、そもそも先生はそこまで単純な人間じゃない。スポーツしかできないように見えるけど、本当はものすごく多才な人なんだ。料理も和裁もできるし、お茶も着付けも身につけてるんだぞ!

 自分が市川を「筋肉馬鹿」だの「変態教師」だのと罵るのはいいけど、他人にそうやって言われると腹が立つ。

「なんだよ、そんな目でこっち見んな」
「っ……!」

 バシッと尻を叩かれて、夏樹は眉間にシワを寄せた。
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