ままのひみつ ぼくのひみつ

さいごのひみつ

弟のいうとおりだわ。あたしたちはとても古い血を濃厚に引いていた。
それもとても怖い神をね。
生け贄をたべながら生き長らえる　力を膨大なものにする神霊の血をね。
あの神霊は何をとち狂ったが、生け贄の女と交わって子をなした。

だからあたしたちも人間の血を引いている。でも良心や優しさなど　人間を全く同じものと思えなかった。
慣れないやつらと家族なんでごめんよ。
あたしたちはぱぱが可哀相だとか善良とか理解できなかった。

あたしたちは古い理をもつ女の子たちだった。
家族は本当はとても相性と運がいいものがなるべきだと思った。

だからあたしたちは、生まれてくるのを断った。

ぱぱとままのような家族はごめんよ。

あいつらが幸福になればいい。

これがあたしたちのせめてものの愛よ。

あたしたちはとても古い神の眷属になっている。

お互いにあわないほうがいい家族もあるのよ。

これはあたしたちの秘密よ。

これで家族のひみつはおしまい。おしまい。