ままのひみつ ぼくのひみつ

おじいちゃんのひみつ

おじいちゃんのひみつはとても古い神の血を引いていることだった。
それも神々の中でもとても怖い神様の血を引いていることだった。
とても怖い神様は一度世界を滅ぼしたことがある。
あまりにも汚くなったからだ。人々からは愛や労わり、友愛　慈しみ　美しい思いはなくなり欲のみの世界
争いの世界になったからだ。最後の善良な子が殺された時、とても怖い神は全てを滅ぼした。
生き残りの人が、もう一度良い世界を創ろうとしていたが。神はもはや見放していた。

おじいちゃんは、善良な人ととても怖い神様との愛によって生まれた子孫だった。
おじいちゃんは、神様の血も引いていたから生き残りつづけ、偉大な巫女であるおばあちゃんに出会い、恋に落ち、ままを創った。
ままは、巫女ととても怖い神と原初の善良な人間の血を引いていた。

ままはとても珍しい人間だったのだ。
天使のぱぱがままを見初めたのも無理はない。
ままは原初の善良な人間の末裔でもあるから。

おじいちゃんはままがぱぱと結婚しても何も言わなかった。新しい神の眷属と結婚とは数奇なものよと思ったかもしれない。

おじいちゃんは古い神の末裔だから、黄泉の国へ下った。

おばあちゃんとはこれが最後だと思っていた。まさか、おばあちゃんが黄泉の国まで下るとは思わなかった。

おじいちゃんはますますおばあちゃんが好きになった。
黄泉の国で夫婦でいつまでも幸福に過ごした。

時折、ままの家族はどうなっているかとおばあちゃんは言った。

地上が見える鏡をおじいちゃんは創った。　神様の血を引いているからこれぐらいお手の物だ。

ぱぱは元天使だから、寿命が短命だった。すぐに天国へ戻ってしまったことを知るとおばあちゃんはままが気になった。
ままは、ぱぱの分まで人助けして、強くたくましくなった。

おばあちゃんはそれをみてほっとした。

いつか、ままと孫を見たいとも言っていた。

おじいちゃんはふむと言って、いつかはぱぱとままの家族、孫にも会ってみるかとのんびり待つことにした。

いつかは会えるだろう。　縁の深きものとの思いは通じるから。

おじいちゃんはおばあちゃんを慰めた。　少しままのことを思い出して寂しくなったのだろう。

おじいちゃんはおばあちゃんを抱きしめた。