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第1話 女神誕生
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穢れ神の子は、多くの穢れた世界を彷徨った。
どろどろと融解していく人間。酸でも浴びたのか?頭が裂けて二つの頭になった人間、針を無数についている人、頭を壁にボールのように叩きつけて壊れていく人間。拘束された者あっち、どこか欠損した者達。排泄物を投げ続ける。紙を破り、ちぎっては貼り付ける人、何のために?答えは無いのだ。唯狂っているのだ。壊れているのだ。子どもは嫌悪はしなかった。この世界は母の世界だからだ。子どもの世界でもある。
子どもは不思議と成長はしなかった。それが好みの性癖をもった男たちはいる。
時折、こどもは女になり男を受け入れる。
狂った男は無い乳房を探してさ迷うおさな子のようだった。
狂った男は、闇医者に女にしてくれと嘆きながら懇願した。
子どもは男に薬を飲まされた。深い深い眠りと倦怠感の後に目覚めた後は、激痛に満ちた身体だった。薬物投与と人体改造。子どもは昔の子どもではなかった。
人工的な女になっていた。
物好きな男・・子どもは深い憂鬱に浸った。偽りの女より本物のほうが誰だって喜ぶのに・・それぐらい子どもにも分かっている。
何故・・と思って不意に男の嗜好が分かった。嗚呼この男は本物が嫌いなんだ。大嫌いなんだ。きっと偽りが好きなんだ。ケガレタ世界、イカレタ子が好きなんだ。
無いものを無理矢理あるものにさせるんだ。
子どもは本物以上に美しい幻の女になった。男の理想的な女になった。
狂った男は、犯罪的な負の才能に溢れていた。犯罪組織の幹部に見る見る昇りつめた。彼は奇形の頭を持っており、異常な感性を有し、普通の社会では生きられない存在だった。僅かな良心を代償にして、大量の金と高価な品物、豪奢な館。男は富と権力を得た。阿片のような薬を製造し、腐った社会を崩壊させた。
狂った男も美しくなった。見違えるように、支配者として相応しくなった。腐敗した犠牲者を糧に美しくなった。
毒のような美しさを持った狂った男。 無感動に虚ろに子どもは自分を女にした男を見やった。
猫のリタは傍らにいる。
無い膣を与えられ、処女膜などないのに、売女となじられて蹂躙された。
醜悪な一物が小さい子どもの穴に押し付けられた。無理やり埋められた時、子どもは暴れた。暴れるのを抑えて狂った男はひたすらに挿入し続けた。
胸にむしゃぶりつづけた。男は時折狂信者のように女になった子どもに尽くす。奉仕する。
男は女になった子どもを離さなかった。
子どもは不意に母が穢れ神だったと言っていたことを思い出す。
子どもは母の一部を受け継いている。
狂ったおかしな男たちに子どもは本物以上に女として愛される。狂ったように求められる。
危惧していた通り、おかしな男たちは、子どもを女神と称え始めた。
豪奢な館に女神として幽閉された。
奇形の女神。歪みの女神とも呼ばれた。だが、子どもが呼ばれるのが嫌なのは『だれよりも眩い奇跡の女神』と称えられることだった。
何が奇跡だ。狂った男に無理やり変形させられ、改造させられた怪物だ。こどもは己をそう自覚していた。
幽閉されてもこどもは何も思わなかった。嗚呼と思った。母親に似てしまったのだ。
ある意味、他の狂ったものたちに蠅のようにたかられないだろう。阿片のように、甘い蜜のように苦い薬のようにこどもは恋慕され憎悪され執着され憤怒されありとあらゆる感情を向けられる。
猫のリタが唯一正気を繋ぎとめていた。
誰よりも長けた生存本能が、こどもを、狂った男たちの夢の理想の女神へ変容させた。こどもは稀代の娼婦となり幻の女神となった。
誰よりも美しく、醜悪で誰よりも強く、脆い。 誰よりも凡庸で、誰よりも不可思議な者。誰よりも狂って、誰よりも正常な者。 誰よりも優しくて誰よりも残酷な女神。すべてを受け入れて全てを拒絶する者。
誰よりも身近にあり、誰よりも遠い存在。
誰よりも愚かで誰よりも聡明な者
現世にありながら、彼岸に存在する者。
誰よりも侮蔑され、誰よりも崇拝される者と化した。
どろどろと融解していく人間。酸でも浴びたのか?頭が裂けて二つの頭になった人間、針を無数についている人、頭を壁にボールのように叩きつけて壊れていく人間。拘束された者あっち、どこか欠損した者達。排泄物を投げ続ける。紙を破り、ちぎっては貼り付ける人、何のために?答えは無いのだ。唯狂っているのだ。壊れているのだ。子どもは嫌悪はしなかった。この世界は母の世界だからだ。子どもの世界でもある。
子どもは不思議と成長はしなかった。それが好みの性癖をもった男たちはいる。
時折、こどもは女になり男を受け入れる。
狂った男は無い乳房を探してさ迷うおさな子のようだった。
狂った男は、闇医者に女にしてくれと嘆きながら懇願した。
子どもは男に薬を飲まされた。深い深い眠りと倦怠感の後に目覚めた後は、激痛に満ちた身体だった。薬物投与と人体改造。子どもは昔の子どもではなかった。
人工的な女になっていた。
物好きな男・・子どもは深い憂鬱に浸った。偽りの女より本物のほうが誰だって喜ぶのに・・それぐらい子どもにも分かっている。
何故・・と思って不意に男の嗜好が分かった。嗚呼この男は本物が嫌いなんだ。大嫌いなんだ。きっと偽りが好きなんだ。ケガレタ世界、イカレタ子が好きなんだ。
無いものを無理矢理あるものにさせるんだ。
子どもは本物以上に美しい幻の女になった。男の理想的な女になった。
狂った男は、犯罪的な負の才能に溢れていた。犯罪組織の幹部に見る見る昇りつめた。彼は奇形の頭を持っており、異常な感性を有し、普通の社会では生きられない存在だった。僅かな良心を代償にして、大量の金と高価な品物、豪奢な館。男は富と権力を得た。阿片のような薬を製造し、腐った社会を崩壊させた。
狂った男も美しくなった。見違えるように、支配者として相応しくなった。腐敗した犠牲者を糧に美しくなった。
毒のような美しさを持った狂った男。 無感動に虚ろに子どもは自分を女にした男を見やった。
猫のリタは傍らにいる。
無い膣を与えられ、処女膜などないのに、売女となじられて蹂躙された。
醜悪な一物が小さい子どもの穴に押し付けられた。無理やり埋められた時、子どもは暴れた。暴れるのを抑えて狂った男はひたすらに挿入し続けた。
胸にむしゃぶりつづけた。男は時折狂信者のように女になった子どもに尽くす。奉仕する。
男は女になった子どもを離さなかった。
子どもは不意に母が穢れ神だったと言っていたことを思い出す。
子どもは母の一部を受け継いている。
狂ったおかしな男たちに子どもは本物以上に女として愛される。狂ったように求められる。
危惧していた通り、おかしな男たちは、子どもを女神と称え始めた。
豪奢な館に女神として幽閉された。
奇形の女神。歪みの女神とも呼ばれた。だが、子どもが呼ばれるのが嫌なのは『だれよりも眩い奇跡の女神』と称えられることだった。
何が奇跡だ。狂った男に無理やり変形させられ、改造させられた怪物だ。こどもは己をそう自覚していた。
幽閉されてもこどもは何も思わなかった。嗚呼と思った。母親に似てしまったのだ。
ある意味、他の狂ったものたちに蠅のようにたかられないだろう。阿片のように、甘い蜜のように苦い薬のようにこどもは恋慕され憎悪され執着され憤怒されありとあらゆる感情を向けられる。
猫のリタが唯一正気を繋ぎとめていた。
誰よりも長けた生存本能が、こどもを、狂った男たちの夢の理想の女神へ変容させた。こどもは稀代の娼婦となり幻の女神となった。
誰よりも美しく、醜悪で誰よりも強く、脆い。 誰よりも凡庸で、誰よりも不可思議な者。誰よりも狂って、誰よりも正常な者。 誰よりも優しくて誰よりも残酷な女神。すべてを受け入れて全てを拒絶する者。
誰よりも身近にあり、誰よりも遠い存在。
誰よりも愚かで誰よりも聡明な者
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