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13 悪役令嬢、ヒロインアイテム装着
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翌日、朝食後にウキウキしているアリサさんに、
「おはようございます」
と声をかけたら、
「ミルフィーナ姉様、今日は、私都合が悪いのです。また誘ってください」
と言われた。
誘ってはいないよ。挨拶しただけよ。
ポジティブ脳?天然?って凄い。
これが、天真爛漫というのだろうか?私には、少しも言語的理解が出来ない。
「ラーニャ、朝からアリサさん張り切っていましたよ」
「ええ、サラが一緒に街に行くそうです」
「そう…」
「お嬢様、今日は家庭教師の先生が待っておりますから、どこにも出かけられませんよ。もちろん後をつけようなんて提案却下ですから」
「わかっているわ、実験も無理ってことよね?ふぅ、ヒョウさんはどう?」
「それがメイド達、キャーキャー言ってます。芋の皮剥きも皿洗いも顔が見えないけど醸し出すオーラ的なもの、絶対イケメン!不思議ですけど、メイドだからわかるのか高貴な何かが出ているのですよ。もしかするとお嬢様の言う通りかもしれないです」
「ラーニャ、やっぱり疑っていたのね」
と言うとラーニャは私から目を背けた。
そして何か鏡の前で片付けながら、
「それでもやっぱり、隣国の王子様とは思えないのですけど」
と言った。
王子様が、街や家にふらふらしていたらおかしいと思うのが普通ですから。
「まぁ、私が近づくのはまだ良くないわ。どうにかお父様にご理解を得ないと動けないの。もう少し、彼のことよろしくね」
朝から授業が立て込んでいる。来年から学校に通うのだが、さすがに基礎学力は身につけてから通う。
私は地理や歴史、政治に経済、すべて苦手だ。もちろん上位貴族との結婚が望ましいのだろうけど、私には無理だ。だって嫌いなんだもの。
「ミルフィーナ様、何故そのようなお顔になるのですか?無ですよ、無の表情」
どんな顔だ。全く表情筋が動かないのと、瞼が重くなるのを阻止しているだけなのに。
「勉強も明るく楽しくですよ」
と言われても、少しも楽しくない。
明るさね、アリサさんの真似した方がいいんじゃないかな。あのポジティブさが欲しい。
急に思い出した、昨日の買い物の青い鳥の髪留めってどうしたかな。隠しておくだけでいいのかな?
「先生、すいません。クローゼットに確認したいものがありまして」
と断りを入れてから、昨日の鞄を見ると光沢した青い鳥が出てきた。相変わらず派手だ。横髪を止めてみた。
これでポジティブになったら、性格変わるという呪いの髪留めだな。
と勝手に楽しくなってしまう。
私は今とっても授業がつまらないから。
先生が紙を使って説明する。歴史と経済を絡めながら、過去の出来事と人物に興味がなかったのに経済と病気の関係、広がる領土と地理。
不思議とスラスラと頭に入ってくる。
何故頭が否定しないのか?
まるですべて受け入れていくみたい。初めての経験に驚いているはずなのに冷静に話しを聞いていられる。
意味がわからない。
勉強したいとは思ってない。
なのに何故か要点を強調された参考書を読まれているみたいだ。
先生が間に挟む「えっと」「つまり」「そうそう」などの言葉が消えている?
スラスラと頭の中で整理されて今日はとってもわかりやすい授業だった。
「嘘、ないない!」
あり得ない、私の個人的な思い込みだろうか?
よぎるのは、不思議な物、魔法?レアアイテム!まさか本当に、ヒロインアイテム最強!
今日は頑張ったで良い気がするが、青い鳥の髪留めを外した。横髪に止めていただけなのですぐ外せるのだか、手が震えた。
「本当にこれで成績が良くなるなんてある?でもアリサさんは、つい最近から家庭教師の授業を受けている。ゲームが始まる学校で落ちこぼれという設定はなかったし、特待生というのも関係ないのだけど、これは…」
青い鳥を見つめる。
無機物と目が合う。
すでに怖い。
ゲームなのだからアイテムぐらいとは思っていた。
実際使って体験してみると怖い。
だけどこれも思い込みかもしれない。ヒロインがつける物だからアイテムの力のせいだろう的な脳が錯覚している場合もある。
今日の勉強は私の実力かもしれない。
「お嬢様、お茶と菓子持ってきましたよ」
とラーニャが入ってきた。相変わらずメイドとしてこの接し方はいいのだろうか?
「ラーニャ、良い所に来てくれました。少し実験に付き合ってください」
「ヘ?嫌です。お嬢様、あの惚れ薬なら私は信じておりません。惚れさせたい相手もおりませんから」
と慌てる。
確かに昨日実験と言ったが、あちらは、少し片付けてからじゃないとお父様の協力がいただけない。
「違うのラーニャ、この青い鳥の髪留めの方よ」
「はあ!?それってアリサさんが学校にしていくと言っていた髪留めですね。それが?」
「まぁ物は試しよ!」
先程の歴史経済の教科書を読む。
ラーニャには普通に聞いてもらう。
「今日のお勉強の復習ですか?」
と言われたが、私は答えず、すぐにラーニャの横髪に青い鳥の髪留めをつけるように言った。
髪留めを付けた事を確認した後、先程の教科書の続きを読んだ。
ラーニャの表情に注目しながら。
「どうだったラーニャ?」
「二回目に読まれた教科書の方が、読むのがお上手でしたよ、お嬢様。それに興味のない私でもなるほどと思いましたよ」
と言った。まぁ二回目の方が読むのは上手くなるのは、当然だ。ラーニャは確かに髪留めを付けた方が興味を持ってくれてる顔をしていた。思い込みかも知れないけど、表情筋が動いていたから。
「ラーニャ、この髪留め、話を聞きやすくするとか興味を持たせてくれるとか頭に重要な事がスルスル入ってくるとか、あり得ると思う?」
と真面目に聞いてみた。
ラーニャは笑って、
「お嬢様、そんな都合の良い物ありませんよ。お嬢様の読み方や言い方で違っただけですよ。なんでもかんでもアリサ様のせいにしてはいけませんよ」
確かにそうだけど。
都合の良い物=ゲームヒロイン
頭の中に公式が出来ているのは、次から次に攻略して成り上がるからなのだろうか?ヒロイン無双ではなくて、陰でしっかり準備や努力をしているのだろうか?
「そう言えば、アリサさんは家庭教師の授業ペースはどうなのかしら?」
とラーニャに聞けば、メイドのサラ曰く、
「馬車の音に耳を澄ましているのか、授業でもエルフィン様がお戻りになると、授業を切り上げエルフィン様に聞くからとよく先生に言っているそうです。かなり執事長に先生方からの注意や失望の声が届いているみたいです。刺繍は上手らしいですよ、お嬢様より」
「一言余計よ」
やはり、真面目に授業は受けてなかったか。アリサさんなら優先すべきは、攻略だろうとは思っていた。
青い鳥の光沢が眩しく感じる。私は、青い鳥の髪留めをハンカチに包み引き出しの中にしまった。
アリサさんには申し訳ない。
ここでこの事実を聞いたのは、ラーニャだけ。なんと言っても彼女は信じていない!狡い?大丈夫。私は、全てを受け入れて、授業のたびにつけようと心に決めた。
学校ではつけない、王子様との接触は避けるべきだな。
他のゲームの悪役令嬢がどんななのかは知らないが、私は、ゲームの知識があっても勉強の知識はない。
努力すれば良いと簡単にいうが、興味がないものは覚えられない!
楽して覚えられるなんてラッキー。にんまり笑った私は、悪役令嬢だからヒロインアイテムを奪ったという設定で勘弁してほしい。
レアアイテム万歳!
ラッキー!!ヒロインアイテム大好き。
「おはようございます」
と声をかけたら、
「ミルフィーナ姉様、今日は、私都合が悪いのです。また誘ってください」
と言われた。
誘ってはいないよ。挨拶しただけよ。
ポジティブ脳?天然?って凄い。
これが、天真爛漫というのだろうか?私には、少しも言語的理解が出来ない。
「ラーニャ、朝からアリサさん張り切っていましたよ」
「ええ、サラが一緒に街に行くそうです」
「そう…」
「お嬢様、今日は家庭教師の先生が待っておりますから、どこにも出かけられませんよ。もちろん後をつけようなんて提案却下ですから」
「わかっているわ、実験も無理ってことよね?ふぅ、ヒョウさんはどう?」
「それがメイド達、キャーキャー言ってます。芋の皮剥きも皿洗いも顔が見えないけど醸し出すオーラ的なもの、絶対イケメン!不思議ですけど、メイドだからわかるのか高貴な何かが出ているのですよ。もしかするとお嬢様の言う通りかもしれないです」
「ラーニャ、やっぱり疑っていたのね」
と言うとラーニャは私から目を背けた。
そして何か鏡の前で片付けながら、
「それでもやっぱり、隣国の王子様とは思えないのですけど」
と言った。
王子様が、街や家にふらふらしていたらおかしいと思うのが普通ですから。
「まぁ、私が近づくのはまだ良くないわ。どうにかお父様にご理解を得ないと動けないの。もう少し、彼のことよろしくね」
朝から授業が立て込んでいる。来年から学校に通うのだが、さすがに基礎学力は身につけてから通う。
私は地理や歴史、政治に経済、すべて苦手だ。もちろん上位貴族との結婚が望ましいのだろうけど、私には無理だ。だって嫌いなんだもの。
「ミルフィーナ様、何故そのようなお顔になるのですか?無ですよ、無の表情」
どんな顔だ。全く表情筋が動かないのと、瞼が重くなるのを阻止しているだけなのに。
「勉強も明るく楽しくですよ」
と言われても、少しも楽しくない。
明るさね、アリサさんの真似した方がいいんじゃないかな。あのポジティブさが欲しい。
急に思い出した、昨日の買い物の青い鳥の髪留めってどうしたかな。隠しておくだけでいいのかな?
「先生、すいません。クローゼットに確認したいものがありまして」
と断りを入れてから、昨日の鞄を見ると光沢した青い鳥が出てきた。相変わらず派手だ。横髪を止めてみた。
これでポジティブになったら、性格変わるという呪いの髪留めだな。
と勝手に楽しくなってしまう。
私は今とっても授業がつまらないから。
先生が紙を使って説明する。歴史と経済を絡めながら、過去の出来事と人物に興味がなかったのに経済と病気の関係、広がる領土と地理。
不思議とスラスラと頭に入ってくる。
何故頭が否定しないのか?
まるですべて受け入れていくみたい。初めての経験に驚いているはずなのに冷静に話しを聞いていられる。
意味がわからない。
勉強したいとは思ってない。
なのに何故か要点を強調された参考書を読まれているみたいだ。
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スラスラと頭の中で整理されて今日はとってもわかりやすい授業だった。
「嘘、ないない!」
あり得ない、私の個人的な思い込みだろうか?
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今日は頑張ったで良い気がするが、青い鳥の髪留めを外した。横髪に止めていただけなのですぐ外せるのだか、手が震えた。
「本当にこれで成績が良くなるなんてある?でもアリサさんは、つい最近から家庭教師の授業を受けている。ゲームが始まる学校で落ちこぼれという設定はなかったし、特待生というのも関係ないのだけど、これは…」
青い鳥を見つめる。
無機物と目が合う。
すでに怖い。
ゲームなのだからアイテムぐらいとは思っていた。
実際使って体験してみると怖い。
だけどこれも思い込みかもしれない。ヒロインがつける物だからアイテムの力のせいだろう的な脳が錯覚している場合もある。
今日の勉強は私の実力かもしれない。
「お嬢様、お茶と菓子持ってきましたよ」
とラーニャが入ってきた。相変わらずメイドとしてこの接し方はいいのだろうか?
「ラーニャ、良い所に来てくれました。少し実験に付き合ってください」
「ヘ?嫌です。お嬢様、あの惚れ薬なら私は信じておりません。惚れさせたい相手もおりませんから」
と慌てる。
確かに昨日実験と言ったが、あちらは、少し片付けてからじゃないとお父様の協力がいただけない。
「違うのラーニャ、この青い鳥の髪留めの方よ」
「はあ!?それってアリサさんが学校にしていくと言っていた髪留めですね。それが?」
「まぁ物は試しよ!」
先程の歴史経済の教科書を読む。
ラーニャには普通に聞いてもらう。
「今日のお勉強の復習ですか?」
と言われたが、私は答えず、すぐにラーニャの横髪に青い鳥の髪留めをつけるように言った。
髪留めを付けた事を確認した後、先程の教科書の続きを読んだ。
ラーニャの表情に注目しながら。
「どうだったラーニャ?」
「二回目に読まれた教科書の方が、読むのがお上手でしたよ、お嬢様。それに興味のない私でもなるほどと思いましたよ」
と言った。まぁ二回目の方が読むのは上手くなるのは、当然だ。ラーニャは確かに髪留めを付けた方が興味を持ってくれてる顔をしていた。思い込みかも知れないけど、表情筋が動いていたから。
「ラーニャ、この髪留め、話を聞きやすくするとか興味を持たせてくれるとか頭に重要な事がスルスル入ってくるとか、あり得ると思う?」
と真面目に聞いてみた。
ラーニャは笑って、
「お嬢様、そんな都合の良い物ありませんよ。お嬢様の読み方や言い方で違っただけですよ。なんでもかんでもアリサ様のせいにしてはいけませんよ」
確かにそうだけど。
都合の良い物=ゲームヒロイン
頭の中に公式が出来ているのは、次から次に攻略して成り上がるからなのだろうか?ヒロイン無双ではなくて、陰でしっかり準備や努力をしているのだろうか?
「そう言えば、アリサさんは家庭教師の授業ペースはどうなのかしら?」
とラーニャに聞けば、メイドのサラ曰く、
「馬車の音に耳を澄ましているのか、授業でもエルフィン様がお戻りになると、授業を切り上げエルフィン様に聞くからとよく先生に言っているそうです。かなり執事長に先生方からの注意や失望の声が届いているみたいです。刺繍は上手らしいですよ、お嬢様より」
「一言余計よ」
やはり、真面目に授業は受けてなかったか。アリサさんなら優先すべきは、攻略だろうとは思っていた。
青い鳥の光沢が眩しく感じる。私は、青い鳥の髪留めをハンカチに包み引き出しの中にしまった。
アリサさんには申し訳ない。
ここでこの事実を聞いたのは、ラーニャだけ。なんと言っても彼女は信じていない!狡い?大丈夫。私は、全てを受け入れて、授業のたびにつけようと心に決めた。
学校ではつけない、王子様との接触は避けるべきだな。
他のゲームの悪役令嬢がどんななのかは知らないが、私は、ゲームの知識があっても勉強の知識はない。
努力すれば良いと簡単にいうが、興味がないものは覚えられない!
楽して覚えられるなんてラッキー。にんまり笑った私は、悪役令嬢だからヒロインアイテムを奪ったという設定で勘弁してほしい。
レアアイテム万歳!
ラッキー!!ヒロインアイテム大好き。
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