5 / 65
5 ヒロインの違和感
しおりを挟む
『なんかおかしい』
急にお兄様の態度が激変したわ。お兄様がミルフィーナ姉様に注意してからね。あれは、私も同じ話題を出していたのが悪かったわ。
だけど、ミルフィーナ姉様は、隙がないというか同じ屋敷にいるのに接点がない。なさすぎるから、呼び方とお茶の話になってしまう。
メイドにも避けられているのかしら?とさりげなく聞いてみたが、
「先程は、廊下に出ていた」
とか
「庭園にいましたよ」
とか、
「すれ違いが多いですね」
と言われる。
本当にそうかしら?
お兄様は、すぐに私に心を開いてくれたけど、使用人もどこかよそよそしい。お母様に言えば、まだ一か月も経っていないのだから、これから仲良くなるわとか言われた。
侯爵家の人と仲良くしたいのはわかるけど、急に距離を詰めるのは違うわとお説教されたし。
お母様も様子が変。妙に周りを気にしているというか、もう女主人なのだからミルフィーナ様なんて呼ぶ必要無いのよ、と意見したら怒られた。
何故家族にそんな身分を気にするのかわからないわ。
だって私達同じ位置づけよ!
お母様があんな態度だから使用人も、私と距離があるのよ。
お母様のせいなのか、
「何かいつもと違うのよね」
私は、子爵家の娘だったがお父様が亡くなって5年。お父様の弟の叔父様が子爵家を継いだ。当然叔父様にも家族がいるので、私と母様は別宅に住んでいた。
「本当は私達が住んでいたのに」
と当時何度も思っていたし、明らかにお父様が亡くなってから、私達は衣食住の質が落ちた。叔父様達家族が、服を作っても私達は作ってもらえない。食事も同じものではない。メイドが一人と料理人が一人。別宅がどうなっているかなんて気にしてないようだった。
ある日、久しぶりに従兄弟と会った。沢山のお菓子に囲まれていた。お茶会ですって。私は、従兄弟に甘えてみた。
するとお茶会に毎回呼ばれる。従兄弟同士仲良くしようと言った。
まぁ、こんなんでお菓子が貰えると思ったら、笑ってしまう。
隣に座ってニコニコ話を聞いたり、腕を引っ張ったり、手を繋いだり。
ただ、違う令嬢が一緒になると一気に私から新しい令嬢へとお菓子が移動していた。
だから、令嬢達が来た時は、よく話を聞きながら、その令嬢達が従兄弟の事をすこしでも悪く言ったなら、そこを強調して従兄弟に告げ口のように言うと、やっぱりアリサしかいないと言って大量のお菓子が目の前に出された。
「何だ簡単じゃない」
心に芽吹く言葉。それから私は上手く回っていた。どんな人にもつけいる隙があって甘言を囁けば思う通りに人は動く。
まさかのお母様の再婚。
これは驚いた。相手は侯爵様なんて凄い出世だと従兄弟も驚いていた。
上手く溶け込まなければと気合いが入った。
今までの人と接していて一番上手くいったパターンは、同情を引くと人は、隙が大きくあく。そこに入り込むと私の世界はより潤沢にまわる。
なんとなく同じ年の令嬢は苦手。
みんな同じような目で私のことを見る。蔑むみたいな上から目線。気に入らないわ。
今回もそう。
お兄様になるエルフィンはいいわ。あの目は私を好意的に見ている。だけどもう一人ミルフィーナは駄目。あれは注意深く見ている目。
嫌だわ。あの目。
なんで私のこと見るのよ。いつもの令嬢達のように、私の周りから出て行って欲しいわ。
中々餌に食いつかない。メイドも子爵家と違って私の言葉をそのまま信じてすぐに行動しない。
腹が立つ。メイドのくせに自分で考えるんじゃないわよ。
仕方ない。エルフィンを使おう。このお兄様は凄く単純だった。
「私怖いんです~」
「私仲良くしたいだけなんです~」
「私いじめられているのかも知れないです~」
と言えば、簡単に同情していた。しかし話す話題がない。仲良くなりたいからとメイドに聞いても兄妹の情報を全然流さないから同じ話ばかりになるし。
度々、鉢合わせの偶然を装う事やスキンシップが必要な事を私は従兄弟から学んでいるから。
エルフィンには、甘えられる。
そんな姿をメイドに見られても、さすが侯爵家のメイド、注意されたりしない。
ただあの目は嫌い。
使用人は壁になると聞いたことがあったけど、本当だとしても、誰か一人味方につけるべきだ。
あわよくば、ミルフィーナの情報を流すタイプのメイド。
そして、私がいつもより大袈裟にエルフィンに相談に行くとエルフィンは、ミルフィーナに直接虐めを言及した。
ちょうどお義父様とお母様がいたから、
「良いタイミングだ。流石お兄様」
と心の中で喜んでいると、何故かあっと言う間にお兄様は論破された。
何が起こっているのかわからなかった。
お母様がすぐに近づいてくる。
そして自部屋に私を入れた。メイドにお茶だけ用意させて、退出させた。
「お母様?」
と聞くと、
「アリサ、何故あんな事をエルフィン様に言ったの?」
「私は、本当にみんなと仲良くしたいから」
と言えば、お母様は、
「仲良く?何度も同じ話を振り返しているだけじゃない。あれじゃ、ミルフィーナ様だって怒るわ。この間呼び名は決まったじゃない。なんでまた同じ話をするの?お茶だって、レオナ様はエルフィン様の婚約者であなたが割り込んでいいわけがないのよ。何故あなたが譲らないの?」
と言われた。
「譲る?私が?私はみんなと仲良くしたいだけなんです!譲るとかじゃなくて。みんなで一緒にお茶を飲めば良いじゃないですか?何故二人で飲もうとするんですか?」
と聞いた。
私はおかしいことは言ってない。従兄弟達や令嬢達みんなでお茶を飲んでいた。何故侯爵家では出来ないの?
お母様は驚いた顔をしていた。
「あなたの従兄弟達はお見合いを兼ねたお茶会をいつもしていたの。よりいい相手を見つけるために。下位貴族はそうやって縁を繋いでいくのよ。あなたも参加していたのは、早く良い相手を捕まえられるようにでしょう!エルフィン様は、もう決まった婚約者がいるの、あなたとは違うのよ」
「もちろんわかっております。一番身分が上の殿方を優先し、見込みがある方を見極める。そんな方のそばにおりました」
と言えば、お母様は、
「アリサ、違うの。小さい頃から参加させてた障害かしら。何かずれている気がするわ。身分制の世界で、私達は出しゃばっては駄目なのよ。アリサお願い、私の邪魔をしないで」
と母様は言った。
「もちろん、お父様を取ったりしないわ」
と言えば、まさかお母様から平手打ちがきた。
そして何も言わず部屋から出て行った。何故あんなに怒るのか?
私は上手くやっているのに。お父様に甘えたりしていないはず。
いや、ドレスが欲しくて甘えてしまったか…あれ、お母様に見られたのかしら?
お母様のやきもちかもしれない。
使用人が言っていた女の劣情が一番醜い。
気をつけよう。
頬がジンジンする。
急にお兄様の態度が激変したわ。お兄様がミルフィーナ姉様に注意してからね。あれは、私も同じ話題を出していたのが悪かったわ。
だけど、ミルフィーナ姉様は、隙がないというか同じ屋敷にいるのに接点がない。なさすぎるから、呼び方とお茶の話になってしまう。
メイドにも避けられているのかしら?とさりげなく聞いてみたが、
「先程は、廊下に出ていた」
とか
「庭園にいましたよ」
とか、
「すれ違いが多いですね」
と言われる。
本当にそうかしら?
お兄様は、すぐに私に心を開いてくれたけど、使用人もどこかよそよそしい。お母様に言えば、まだ一か月も経っていないのだから、これから仲良くなるわとか言われた。
侯爵家の人と仲良くしたいのはわかるけど、急に距離を詰めるのは違うわとお説教されたし。
お母様も様子が変。妙に周りを気にしているというか、もう女主人なのだからミルフィーナ様なんて呼ぶ必要無いのよ、と意見したら怒られた。
何故家族にそんな身分を気にするのかわからないわ。
だって私達同じ位置づけよ!
お母様があんな態度だから使用人も、私と距離があるのよ。
お母様のせいなのか、
「何かいつもと違うのよね」
私は、子爵家の娘だったがお父様が亡くなって5年。お父様の弟の叔父様が子爵家を継いだ。当然叔父様にも家族がいるので、私と母様は別宅に住んでいた。
「本当は私達が住んでいたのに」
と当時何度も思っていたし、明らかにお父様が亡くなってから、私達は衣食住の質が落ちた。叔父様達家族が、服を作っても私達は作ってもらえない。食事も同じものではない。メイドが一人と料理人が一人。別宅がどうなっているかなんて気にしてないようだった。
ある日、久しぶりに従兄弟と会った。沢山のお菓子に囲まれていた。お茶会ですって。私は、従兄弟に甘えてみた。
するとお茶会に毎回呼ばれる。従兄弟同士仲良くしようと言った。
まぁ、こんなんでお菓子が貰えると思ったら、笑ってしまう。
隣に座ってニコニコ話を聞いたり、腕を引っ張ったり、手を繋いだり。
ただ、違う令嬢が一緒になると一気に私から新しい令嬢へとお菓子が移動していた。
だから、令嬢達が来た時は、よく話を聞きながら、その令嬢達が従兄弟の事をすこしでも悪く言ったなら、そこを強調して従兄弟に告げ口のように言うと、やっぱりアリサしかいないと言って大量のお菓子が目の前に出された。
「何だ簡単じゃない」
心に芽吹く言葉。それから私は上手く回っていた。どんな人にもつけいる隙があって甘言を囁けば思う通りに人は動く。
まさかのお母様の再婚。
これは驚いた。相手は侯爵様なんて凄い出世だと従兄弟も驚いていた。
上手く溶け込まなければと気合いが入った。
今までの人と接していて一番上手くいったパターンは、同情を引くと人は、隙が大きくあく。そこに入り込むと私の世界はより潤沢にまわる。
なんとなく同じ年の令嬢は苦手。
みんな同じような目で私のことを見る。蔑むみたいな上から目線。気に入らないわ。
今回もそう。
お兄様になるエルフィンはいいわ。あの目は私を好意的に見ている。だけどもう一人ミルフィーナは駄目。あれは注意深く見ている目。
嫌だわ。あの目。
なんで私のこと見るのよ。いつもの令嬢達のように、私の周りから出て行って欲しいわ。
中々餌に食いつかない。メイドも子爵家と違って私の言葉をそのまま信じてすぐに行動しない。
腹が立つ。メイドのくせに自分で考えるんじゃないわよ。
仕方ない。エルフィンを使おう。このお兄様は凄く単純だった。
「私怖いんです~」
「私仲良くしたいだけなんです~」
「私いじめられているのかも知れないです~」
と言えば、簡単に同情していた。しかし話す話題がない。仲良くなりたいからとメイドに聞いても兄妹の情報を全然流さないから同じ話ばかりになるし。
度々、鉢合わせの偶然を装う事やスキンシップが必要な事を私は従兄弟から学んでいるから。
エルフィンには、甘えられる。
そんな姿をメイドに見られても、さすが侯爵家のメイド、注意されたりしない。
ただあの目は嫌い。
使用人は壁になると聞いたことがあったけど、本当だとしても、誰か一人味方につけるべきだ。
あわよくば、ミルフィーナの情報を流すタイプのメイド。
そして、私がいつもより大袈裟にエルフィンに相談に行くとエルフィンは、ミルフィーナに直接虐めを言及した。
ちょうどお義父様とお母様がいたから、
「良いタイミングだ。流石お兄様」
と心の中で喜んでいると、何故かあっと言う間にお兄様は論破された。
何が起こっているのかわからなかった。
お母様がすぐに近づいてくる。
そして自部屋に私を入れた。メイドにお茶だけ用意させて、退出させた。
「お母様?」
と聞くと、
「アリサ、何故あんな事をエルフィン様に言ったの?」
「私は、本当にみんなと仲良くしたいから」
と言えば、お母様は、
「仲良く?何度も同じ話を振り返しているだけじゃない。あれじゃ、ミルフィーナ様だって怒るわ。この間呼び名は決まったじゃない。なんでまた同じ話をするの?お茶だって、レオナ様はエルフィン様の婚約者であなたが割り込んでいいわけがないのよ。何故あなたが譲らないの?」
と言われた。
「譲る?私が?私はみんなと仲良くしたいだけなんです!譲るとかじゃなくて。みんなで一緒にお茶を飲めば良いじゃないですか?何故二人で飲もうとするんですか?」
と聞いた。
私はおかしいことは言ってない。従兄弟達や令嬢達みんなでお茶を飲んでいた。何故侯爵家では出来ないの?
お母様は驚いた顔をしていた。
「あなたの従兄弟達はお見合いを兼ねたお茶会をいつもしていたの。よりいい相手を見つけるために。下位貴族はそうやって縁を繋いでいくのよ。あなたも参加していたのは、早く良い相手を捕まえられるようにでしょう!エルフィン様は、もう決まった婚約者がいるの、あなたとは違うのよ」
「もちろんわかっております。一番身分が上の殿方を優先し、見込みがある方を見極める。そんな方のそばにおりました」
と言えば、お母様は、
「アリサ、違うの。小さい頃から参加させてた障害かしら。何かずれている気がするわ。身分制の世界で、私達は出しゃばっては駄目なのよ。アリサお願い、私の邪魔をしないで」
と母様は言った。
「もちろん、お父様を取ったりしないわ」
と言えば、まさかお母様から平手打ちがきた。
そして何も言わず部屋から出て行った。何故あんなに怒るのか?
私は上手くやっているのに。お父様に甘えたりしていないはず。
いや、ドレスが欲しくて甘えてしまったか…あれ、お母様に見られたのかしら?
お母様のやきもちかもしれない。
使用人が言っていた女の劣情が一番醜い。
気をつけよう。
頬がジンジンする。
127
お気に入りに追加
4,354
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
【完結済み】婚約破棄致しましょう
木嶋うめ香
恋愛
生徒会室で、いつものように仕事をしていた私は、婚約者であるフィリップ殿下に「私は運命の相手を見つけたのだ」と一人の令嬢を紹介されました。
運命の相手ですか、それでは邪魔者は不要ですね。
殿下、婚約破棄致しましょう。
第16回恋愛小説大賞 奨励賞頂きました。
応援して下さった皆様ありがとうございます。
本作の感想欄を開けました。
お返事等は書ける時間が取れそうにありませんが、感想頂けたら嬉しいです。
賞を頂いた記念に、何かお礼の小話でもアップできたらいいなと思っています。
リクエストありましたらそちらも書いて頂けたら、先着三名様まで受け付けますのでご希望ありましたら是非書いて頂けたら嬉しいです。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
愛する貴方の愛する彼女の愛する人から愛されています
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「ユスティーナ様、ごめんなさい。今日はレナードとお茶をしたい気分だからお借りしますね」
先に彼とお茶の約束していたのは私なのに……。
「ジュディットがどうしても二人きりが良いと聞かなくてな」「すまない」貴方はそう言って、婚約者の私ではなく、何時も彼女を優先させる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
公爵令嬢のユスティーナには愛する婚約者の第二王子であるレナードがいる。
だがレナードには、恋慕する女性がいた。その女性は侯爵令嬢のジュディット。絶世の美女と呼ばれている彼女は、彼の兄である王太子のヴォルフラムの婚約者だった。
そんなジュディットは、事ある事にレナードの元を訪れてはユスティーナとレナードとの仲を邪魔してくる。だがレナードは彼女を諌めるどころか、彼女を庇い彼女を何時も優先させる。例えユスティーナがレナードと先に約束をしていたとしても、ジュディットが一言言えば彼は彼女の言いなりだ。だがそんなジュディットは、実は自分の婚約者のヴォルフラムにぞっこんだった。だがしかし、ヴォルフラムはジュディットに全く関心がないようで、相手にされていない。どうやらヴォルフラムにも別に想う女性がいるようで……。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる