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4 悪役令嬢の計略1
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私は、ダイニングで起きた事、やっぱり兄様から私がアリサさんをいじめていると追及があったこと、これからマリネッセ様のお茶会で家族がアリサさんの行動を見ることを手紙に書いた。
「ラーニャ、手紙をお願い」
とラーニャに渡せば、
「お嬢様、私は、本当に信じられませんよ。お嬢様の言う通りになったり、アリサ様がなさること、言われる事、全て当たるんですもの。私は最初にお嬢様から、乙女ゲームって聞かされた時、頭がおかしくなってしまったと何度も神に祈りましたよ。早く治れと」
「そうよね、ラーニャ。私もあの時は、まさかのお母様からか神からか忠告に動揺していたから、壮大な物語を語ってしまったわね。でもあなたは、困りながらも私を信じてついてきてくれたわ。あなた無しでは、私、悪役令嬢にされてしまうところだったわ」
二人で手を握り語りあった。
私は、乙女ゲームの内容を書き出した後、確認する作業を始めた。これに私付きのメイドのラーニャが疑問に持ち、聞いてきたのが始まり。
そして私はこの時、乙女ゲームを語った。ラーニャは理解出来なくて、この世界にあるロマンス小説を出してきた。こんな話かと。読んでみて大半はこうだから、こんな真似をするヒロインがやってくることを伝えた。
それでも私は疑われた。
だから、アリサさんを見に行った。
ラーニャは私より5歳上なので、ちょうど恋愛系には、どハマり中だった。
これもラッキーだった。
アリサのあざとさをすぐに理解してくれた。やはりメイドの中にも料理人や執事長に媚びを売る子がいるそうで、
「お嬢様、確かにあの方は、要注意ですね、泣き真似したと思ったら笑ってますよ。あれは、男と女で態度を変えるタイプです」
これを出会う三か月前に知れた事は、とても大きな成果を上げた。
やはりメイドも噂話が好きなもので、ラーニャから言わないでよなんて聞いた話はぐるっと一周まわった。
そして、アリサさん達がやってきた。メイド達の視線は、笑顔の中に本当の姿を暴いてやるぞという意気込みが溢れていて、最初から疑って取り掛かった。
そしてお兄様の凋落にアリサさんが動き出せば、みんなやっぱりねと口を揃えた。
そうなるとメイドもアリサさんの味方はいない。
「アリサ様がお茶をしたいとミルフィーナ様をお誘いしようとしています」
「呼び方を聞かれました」
など逐一情報が入ってきたから、わざとお茶を誘われる日にレオナ様を呼んだり、アリサさんと呼ぶ事も強調したり、廊下で会わないように避けた。
聞いていれば、立派な悪役令嬢を私はしている。
「ラーニャ、私、悪役令嬢だったかしら?」
と聞けば、
「意地悪令嬢ぐらいじゃないですかね?」
と返ってきた。
「あら、酷いわね」
と笑った。
「ラーニャ、公爵家のお茶会に行くわ。アリサさんとお兄様も一緒よ。アリサさんがドレスや宝石の事、色々言うかもしれないけどメイドのみんなにもよろしくと伝えてね。私の持ち物が使いたいと言ったら貸して良いからね。上手く流しながら煽っておいてね。当日私、お腹痛くなる予定で欠席して、あちらのメイドとして参加出来るようにするわ」
と言えば、
「メイドですか?」
と聞き返された。
「ええ、お父様とお兄様に彼女の本当の顔を見て頂くチャンスですから」
「お嬢様、意地悪じゃないですね。悪役令嬢です」
「やっぱり!でも同じ学校に行ったら何をしでかすかわからないもの。怖くてあの子と同じとこなんて通えないわ」
「確かに、エルフィン様に仕掛けたあざとさや甘えや色仕掛けは、メイドのみんな見てましたし、お互い逐一報告しあった結果、わざとやっているに結論が出ましたから。あんなのを、学校でやられたら娼館の娘と言われてしまいますよ」
と言った。
そんなに凄いのか、アリサさんって。若干怖くなったが、もう賽は投げられた、悪いがこのお茶会で全てが決まると思った。
ごめんね、お義母様。お義母様は何も悪くない(私にとって)どんな風に育てたのか、気質なのか、生きるために女という武器を身につけさせたのかわからない。まだ紹介されて一カ月も経たない間で、この先の展開は読めないけど、仕掛けさせてもらいます。
私、悪役令嬢ですから。
「お嬢様、やはり宝石類、ミルフィーナ様のを貸して欲しいと言ってきたそうです」
「ここで私が貸さないと言えば、また泣き真似をして私を落とし入れる文言に変わるわ。ラーニャ、私には伝えておらず、メイド判断で使ってない宝石類を持って来たと言ったら、どうなるかしら?ラーニャだけじゃなくチームを組んで対応してみて!」
「お嬢様、私達がアリサ様に叱られました。お姉様の許可をもらってと。もしかして、お姉様が駄目だと言われたから黙って持ってきたの?と聞かれたので、もう一度、話してませんと言えば、ガッカリしてました。間違いなくお嬢様を怒らそうとするか、もしくは断られるのを期待しておりますね。凄いですね、アリサ様は、お嬢様を悪者や意地悪令嬢にしようとあの手この手を考えておりますよ。先程もエルフィン様が廊下に出るところを狙って待ち伏せしておりましたよ。ミルフィーナ様が宝石貸してくれるか聞いておりましたよ」
「あら、お兄様は何と言ったのかしら?」
と聞けば、
「この前商人が来た時のドレスを着ていくなら、きちんと合わせて宝石も買ったじゃないか、人の物ばかり欲しがるのはいけないよと言われておりました。かなり嫌悪感を出していたので、アリサ様は驚いていましたね。慌てて涙目を作り謝っておりましたが」
真面目か!
「ふふっ、お兄様もすっかり、アリサさんの正体がわかってきたわね。どう出るかしら?ヒロインさんは」
悪役令嬢らしい笑みを浮かべて、それらしい言葉を言ってみた(今はあえて)
「さすが悪役令嬢が様になってますよ、お嬢様」
あまり嬉しくないね。
「ラーニャ、手紙をお願い」
とラーニャに渡せば、
「お嬢様、私は、本当に信じられませんよ。お嬢様の言う通りになったり、アリサ様がなさること、言われる事、全て当たるんですもの。私は最初にお嬢様から、乙女ゲームって聞かされた時、頭がおかしくなってしまったと何度も神に祈りましたよ。早く治れと」
「そうよね、ラーニャ。私もあの時は、まさかのお母様からか神からか忠告に動揺していたから、壮大な物語を語ってしまったわね。でもあなたは、困りながらも私を信じてついてきてくれたわ。あなた無しでは、私、悪役令嬢にされてしまうところだったわ」
二人で手を握り語りあった。
私は、乙女ゲームの内容を書き出した後、確認する作業を始めた。これに私付きのメイドのラーニャが疑問に持ち、聞いてきたのが始まり。
そして私はこの時、乙女ゲームを語った。ラーニャは理解出来なくて、この世界にあるロマンス小説を出してきた。こんな話かと。読んでみて大半はこうだから、こんな真似をするヒロインがやってくることを伝えた。
それでも私は疑われた。
だから、アリサさんを見に行った。
ラーニャは私より5歳上なので、ちょうど恋愛系には、どハマり中だった。
これもラッキーだった。
アリサのあざとさをすぐに理解してくれた。やはりメイドの中にも料理人や執事長に媚びを売る子がいるそうで、
「お嬢様、確かにあの方は、要注意ですね、泣き真似したと思ったら笑ってますよ。あれは、男と女で態度を変えるタイプです」
これを出会う三か月前に知れた事は、とても大きな成果を上げた。
やはりメイドも噂話が好きなもので、ラーニャから言わないでよなんて聞いた話はぐるっと一周まわった。
そして、アリサさん達がやってきた。メイド達の視線は、笑顔の中に本当の姿を暴いてやるぞという意気込みが溢れていて、最初から疑って取り掛かった。
そしてお兄様の凋落にアリサさんが動き出せば、みんなやっぱりねと口を揃えた。
そうなるとメイドもアリサさんの味方はいない。
「アリサ様がお茶をしたいとミルフィーナ様をお誘いしようとしています」
「呼び方を聞かれました」
など逐一情報が入ってきたから、わざとお茶を誘われる日にレオナ様を呼んだり、アリサさんと呼ぶ事も強調したり、廊下で会わないように避けた。
聞いていれば、立派な悪役令嬢を私はしている。
「ラーニャ、私、悪役令嬢だったかしら?」
と聞けば、
「意地悪令嬢ぐらいじゃないですかね?」
と返ってきた。
「あら、酷いわね」
と笑った。
「ラーニャ、公爵家のお茶会に行くわ。アリサさんとお兄様も一緒よ。アリサさんがドレスや宝石の事、色々言うかもしれないけどメイドのみんなにもよろしくと伝えてね。私の持ち物が使いたいと言ったら貸して良いからね。上手く流しながら煽っておいてね。当日私、お腹痛くなる予定で欠席して、あちらのメイドとして参加出来るようにするわ」
と言えば、
「メイドですか?」
と聞き返された。
「ええ、お父様とお兄様に彼女の本当の顔を見て頂くチャンスですから」
「お嬢様、意地悪じゃないですね。悪役令嬢です」
「やっぱり!でも同じ学校に行ったら何をしでかすかわからないもの。怖くてあの子と同じとこなんて通えないわ」
「確かに、エルフィン様に仕掛けたあざとさや甘えや色仕掛けは、メイドのみんな見てましたし、お互い逐一報告しあった結果、わざとやっているに結論が出ましたから。あんなのを、学校でやられたら娼館の娘と言われてしまいますよ」
と言った。
そんなに凄いのか、アリサさんって。若干怖くなったが、もう賽は投げられた、悪いがこのお茶会で全てが決まると思った。
ごめんね、お義母様。お義母様は何も悪くない(私にとって)どんな風に育てたのか、気質なのか、生きるために女という武器を身につけさせたのかわからない。まだ紹介されて一カ月も経たない間で、この先の展開は読めないけど、仕掛けさせてもらいます。
私、悪役令嬢ですから。
「お嬢様、やはり宝石類、ミルフィーナ様のを貸して欲しいと言ってきたそうです」
「ここで私が貸さないと言えば、また泣き真似をして私を落とし入れる文言に変わるわ。ラーニャ、私には伝えておらず、メイド判断で使ってない宝石類を持って来たと言ったら、どうなるかしら?ラーニャだけじゃなくチームを組んで対応してみて!」
「お嬢様、私達がアリサ様に叱られました。お姉様の許可をもらってと。もしかして、お姉様が駄目だと言われたから黙って持ってきたの?と聞かれたので、もう一度、話してませんと言えば、ガッカリしてました。間違いなくお嬢様を怒らそうとするか、もしくは断られるのを期待しておりますね。凄いですね、アリサ様は、お嬢様を悪者や意地悪令嬢にしようとあの手この手を考えておりますよ。先程もエルフィン様が廊下に出るところを狙って待ち伏せしておりましたよ。ミルフィーナ様が宝石貸してくれるか聞いておりましたよ」
「あら、お兄様は何と言ったのかしら?」
と聞けば、
「この前商人が来た時のドレスを着ていくなら、きちんと合わせて宝石も買ったじゃないか、人の物ばかり欲しがるのはいけないよと言われておりました。かなり嫌悪感を出していたので、アリサ様は驚いていましたね。慌てて涙目を作り謝っておりましたが」
真面目か!
「ふふっ、お兄様もすっかり、アリサさんの正体がわかってきたわね。どう出るかしら?ヒロインさんは」
悪役令嬢らしい笑みを浮かべて、それらしい言葉を言ってみた(今はあえて)
「さすが悪役令嬢が様になってますよ、お嬢様」
あまり嬉しくないね。
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