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34交流会
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珍しく、今日は朝から雨でミリーが溜息を吐いた。
「お洗濯できません」
「なら、久しぶりにミリーのケーキを食べたいわ」
と言うと、良い笑顔で返してくれた。
「この間、王都のカフェのケーキが美味しかったんですよ。アーシャ様。なんでもモンブランというイガグリを使ったケーキで、あの日のことを思い出しました。貯蔵庫に入ったら、イガグリが落ちてきて逃げ帰ったこと」
懐かしい顔して語るミリー。
「あれ考えたのもアーシャ様ですよね。子供ながら意地悪です。痛かったんですよ」
「ごめんなさいね」
「あの日のことで思い出したんですが、あの時逃げ出した仲間が学園の生徒にいましたね。私も門の出入りだけなので声はかけませんでしたが」
とミリーの衝撃発言。
「えっ?本当?」
「はい、一番最初に教会に行った子です」
と胸を張って答えるミリー。
「ミリー、私、名前忘れちゃったんだけど、覚えている?」
「申し訳ありません。あの頃みんなボロボロで名前なんて聞いたかどうかさえ忘れてしまいましたけど、でも荷馬車に乗せられた時や川で綺麗にした時、あの赤茶の髪は印象に残ってます」
ゼノン!?
ゼノン・アキュアなの。
いや、向こうからも話しかけてこないし、こっちから、あなた昔、誘拐されましたかなんて聞けない。確かに貴族の子かなとは思ったけど、明るい騎士だっけ予告書。マリーさんとの出会い、確かに明るかったな。
まぁ、私は、漫画には巻き込まれていないから、関わりはないけど。
「元気そうなら何より嬉しいわね」
交流会1日前
「フランツ王子様が剣舞披露をご一緒に見ることになりました。ローズリー嬢が警備を一団手配してくれたおかげで慌てずにすんだ。リア王女も参加するそうなので、粗相のないよう頼む」
とサミエル会長から、朝、連絡事項が追加された。
「最終準備とリハーサルをしましょう」
とローズリーさんが司会進行する。
首筋に視線を感じ、私は、ゆっくりと手洗い場に行く。
「アーシャ様、こちら事前に提出された警備隊と騎士団、私設警備隊で、今日変更の名前がこちらになります」
「ありがとうございます、ユイナ様」
「やめて下さい、様付けなんて私平民ですから」
「クラスメートに平民も貴族も関係ないでしょう。それより、私設警備隊と変更の名前の横の勢力図、アステリア王国の関係者ばかりじゃないですか?ガレットさんはこれでいいとおっしゃっているんですか?」
「私は渡しに来ただけですから!」
「フランツ王子様なのか婚約候補者達が邪魔なのか、もちろん誰の為かもわかりません。では、ガレットさんにフランツ王子様は剣舞披露前に挨拶されて、すぐに帰路されるルートを一本確保して下さい」
「フランツ王子様なんですか、本命?」
とユイナが聞いた。
「さぁどうでしょうね。ただ三年前のカイル王子襲撃事件の親族が中心にいるのはどうでしょうね?」
あのカイル王子襲撃、側妃の侍女が後妻に入った家の義理息子が首謀者となり、侯爵家は取り潰し、領地も没収になった。親戚一同大変だったろう。そしてアステリア王国と縁を持った家もひたすら爪を隠し、尻尾を隠し、陰謀論なんてないと何度も言う。
アステリア王国のリア王女がフランツ王子が好きかどうかもわからない、会ったこともない、悪役令嬢がどうかさえわからない。ただあの事件があった事実と政治的を思えば、王子は逃れるなら逃げた方がいい。リア王女を思えば婚約候補者を蹴散らす何か不祥事を起こすのかもしれない。
「では、ユイナさんよろしくね。事件は何も起こらない。これが一番平和だから」
寄宿舎であったガレットさんは何も言わない。管理人のガレットさんだ。理事長の顔をしたのは、学園長室の一度だけ。
「今日の夕飯も美味しいですね」
交流会当日
生徒達は、窓からアステリア王国の交流学生を見ている。
生徒会メンバーは、おそろいの黄色の腕章をした。私は、一番後ろにつく。リア王女が一番前にいる方なら、ルイーゼと同じ香りがする令嬢だ。同じ学園の生徒を指差して呼ぶ。名前は呼ばない。中々の傲慢さだ。
そしてアステリア王国の学生を会議室に案内して、これからのスケジュールをローズリーさんが説明した。
交流会参加10名を5名ずつに分けて校内見学、その後、講堂で合唱、昼食を学食で取る。そして剣舞を見る。
説明が終わると、リア王女から
「フランツ王子様が見当たらないわ」
とご立腹の様子だったが、会長が剣舞披露前に挨拶と並んで見学すると伝え納得した。
「では案内します」
と廊下を通り一年の教室から周り、四年生まで進み、
「私は、化学に興味があるので実験室を見たい」
とリクエストがあった。警備隊は、目につく所にいた。何もない事が一番、私は、そう信じていた。
ローズリーさんの司会進行もとても上手く合唱を聞き、リア王女も何も文句は言わなかった。
学食でサプライズが起きた。
フランツ王子様がいて、みんなと一緒に食べると座って待っていた。フランツ王子の横にリア王女が座り、その周りをアステリア王国の学生が座る。少し離れた場所に生徒会が座った。和やかに食事が進むわけがなかった。
「失礼します。リア王女様、私達フランツ王子様の婚約候補者ですが、あまり馴れ馴れしくしないでください」
と候補者の一人が強気な物言いで言った。そうすればルイーゼも調子に乗って、
「未婚の男女が触れそうな距離ってはしたないですわよね、みなさん」
とリア王女を蔑める発言をすれば、アステリア王国の学生が睨みつけ、学生騎士が何人か立ち上がる。
リア王女は、楽しそうに、
「みなさん、お心が狭いのね。一国の王妃候補者なら全員もう一度教育し直した方がいいわ。オルビア王国の品格を感じないですわ」
と言った。
候補者達が、少し後退りした時、学園長が現れた。
「まぁみなさん、今は、学生同士交流を深めましょう」
と言い、候補者達を席に戻した。
私の首筋に視線を感じた。手ではらい食事を続けた。会議室でお茶を飲む手筈になっているので、会長に
「カップを一つ増やしてきます」
と言って先に会議室に行く。スッと足音もなくユイナが斜め後ろに入った。
「変更だそうです。フランツ王子様は帰路しないそうです」
廊下や階段に待機している警備隊や騎士を目で確認しながら、
「フェルナンドさんだけで大丈夫?」
と聞くと、
「もう一人すぐ近くにいますが、生徒会メンバーは守れないです」
でしょうね。私達は狙われるというより、ついでや巻き込まれだろう。
「剣舞を見る時、流石に武器持ってたら怪しいよね?」
「全く平和的に感じません」
とユイナは言った。何かが起きる前提で話さないといけない。
「では、二重取りにしようか?警備隊を大外に移動させて剣舞披露の内側に下がって騎士待機かな。内と外で挟む。騎士は、担当教師や学生服着せて剣は隠せる物でね。至急ね」
「はい、お伝えします」
面倒なことにならなければいい。危惧している程度で済めばいい。何故人のために家の為に自分や家族を犠牲にするのか?何の信念を持っているのか、私にはわからない。権力なのか?
会議室でお茶を配るメイド、お菓子を配るメイド、みんな和気藹々と話している。交流はちゃんと出来ている。
何故何もなかったで終わらせないのだろうとフランツ王子を見た。笑いもしない冷たい目と合う。帰路と言った時点で私の気持ちはわかってくれていると思う。でも、フランツ王子は…
剣舞披露の会場に移動する。
ゾロゾロと。会場には、前もって配置していた警備が異常ない事を告げた。
フランツ王子の挨拶、そして剣舞披露が始まる準備をした。フランツ王子は席に戻ろうとした。令嬢が一気に近づいた。
フェルナンドさんが払ったと同時に私設警備隊が動き出した。フランツ王子に向かっていくが、中には騎士が外扉からは警備隊が入る。生徒会メンバーは、椅子席に身を屈めている。私もその一人だ。身を屈めるよう指示したのはアステリア王国の騎士学生だった。リア王女を守りながら。フェルナンドさんに簡単に捕まった令嬢、ローズリーさん。私設警備隊も取り押さえられた。エリオンは信じられないという顔をしている。
ローズリーさんの髪は乱れフランツ王子を睨んでいる。生徒会メンバーは立って見ている。ローズリーさん以外フランツ王子の婚約候補の関係者、王妃がフランツ王子に敵対する令嬢を選ぶわけない、きっと。しかし表情が気になった。なんというかギラついているような。リア王女の顔を見る。驚いてもいなさそうだ。こちらは、何故か哀れんでいるような顔?
すぐに騎士達が王女や生徒会メンバーを移動させている。
ローズリーさんのご実家は伯爵家。アステリア王国の側妃侍女が入り込んでいなかったが、先に取り潰された侯爵家の出のお母様がいただけ。
それが問題だったのだろうか。
「どうして?」
と聞きたいけど聞けないだろう。フランツ王子は、もう決めているようだから。
騎士団や警備隊に連れられて、本日は、下校。寄宿舎に戻れば、先にフランツ王子様とフェルナンドさん、ガレットさんがいた。
「これから迎えの馬車が来るまで、お茶を飲みますから、ご一緒にいかがですか?」
と誘われた。
「申し訳ございません。本日は疲れました。ご遠慮させていただきます」
と言ってミリーと自部屋に戻った。
描き溜めているイラストを一枚抜いた。
エリオンとローズリー
朗らかに優しい先輩と後輩の構図だ。
エリオンの頬の紅葉が今は、胸が痛かった。
「お洗濯できません」
「なら、久しぶりにミリーのケーキを食べたいわ」
と言うと、良い笑顔で返してくれた。
「この間、王都のカフェのケーキが美味しかったんですよ。アーシャ様。なんでもモンブランというイガグリを使ったケーキで、あの日のことを思い出しました。貯蔵庫に入ったら、イガグリが落ちてきて逃げ帰ったこと」
懐かしい顔して語るミリー。
「あれ考えたのもアーシャ様ですよね。子供ながら意地悪です。痛かったんですよ」
「ごめんなさいね」
「あの日のことで思い出したんですが、あの時逃げ出した仲間が学園の生徒にいましたね。私も門の出入りだけなので声はかけませんでしたが」
とミリーの衝撃発言。
「えっ?本当?」
「はい、一番最初に教会に行った子です」
と胸を張って答えるミリー。
「ミリー、私、名前忘れちゃったんだけど、覚えている?」
「申し訳ありません。あの頃みんなボロボロで名前なんて聞いたかどうかさえ忘れてしまいましたけど、でも荷馬車に乗せられた時や川で綺麗にした時、あの赤茶の髪は印象に残ってます」
ゼノン!?
ゼノン・アキュアなの。
いや、向こうからも話しかけてこないし、こっちから、あなた昔、誘拐されましたかなんて聞けない。確かに貴族の子かなとは思ったけど、明るい騎士だっけ予告書。マリーさんとの出会い、確かに明るかったな。
まぁ、私は、漫画には巻き込まれていないから、関わりはないけど。
「元気そうなら何より嬉しいわね」
交流会1日前
「フランツ王子様が剣舞披露をご一緒に見ることになりました。ローズリー嬢が警備を一団手配してくれたおかげで慌てずにすんだ。リア王女も参加するそうなので、粗相のないよう頼む」
とサミエル会長から、朝、連絡事項が追加された。
「最終準備とリハーサルをしましょう」
とローズリーさんが司会進行する。
首筋に視線を感じ、私は、ゆっくりと手洗い場に行く。
「アーシャ様、こちら事前に提出された警備隊と騎士団、私設警備隊で、今日変更の名前がこちらになります」
「ありがとうございます、ユイナ様」
「やめて下さい、様付けなんて私平民ですから」
「クラスメートに平民も貴族も関係ないでしょう。それより、私設警備隊と変更の名前の横の勢力図、アステリア王国の関係者ばかりじゃないですか?ガレットさんはこれでいいとおっしゃっているんですか?」
「私は渡しに来ただけですから!」
「フランツ王子様なのか婚約候補者達が邪魔なのか、もちろん誰の為かもわかりません。では、ガレットさんにフランツ王子様は剣舞披露前に挨拶されて、すぐに帰路されるルートを一本確保して下さい」
「フランツ王子様なんですか、本命?」
とユイナが聞いた。
「さぁどうでしょうね。ただ三年前のカイル王子襲撃事件の親族が中心にいるのはどうでしょうね?」
あのカイル王子襲撃、側妃の侍女が後妻に入った家の義理息子が首謀者となり、侯爵家は取り潰し、領地も没収になった。親戚一同大変だったろう。そしてアステリア王国と縁を持った家もひたすら爪を隠し、尻尾を隠し、陰謀論なんてないと何度も言う。
アステリア王国のリア王女がフランツ王子が好きかどうかもわからない、会ったこともない、悪役令嬢がどうかさえわからない。ただあの事件があった事実と政治的を思えば、王子は逃れるなら逃げた方がいい。リア王女を思えば婚約候補者を蹴散らす何か不祥事を起こすのかもしれない。
「では、ユイナさんよろしくね。事件は何も起こらない。これが一番平和だから」
寄宿舎であったガレットさんは何も言わない。管理人のガレットさんだ。理事長の顔をしたのは、学園長室の一度だけ。
「今日の夕飯も美味しいですね」
交流会当日
生徒達は、窓からアステリア王国の交流学生を見ている。
生徒会メンバーは、おそろいの黄色の腕章をした。私は、一番後ろにつく。リア王女が一番前にいる方なら、ルイーゼと同じ香りがする令嬢だ。同じ学園の生徒を指差して呼ぶ。名前は呼ばない。中々の傲慢さだ。
そしてアステリア王国の学生を会議室に案内して、これからのスケジュールをローズリーさんが説明した。
交流会参加10名を5名ずつに分けて校内見学、その後、講堂で合唱、昼食を学食で取る。そして剣舞を見る。
説明が終わると、リア王女から
「フランツ王子様が見当たらないわ」
とご立腹の様子だったが、会長が剣舞披露前に挨拶と並んで見学すると伝え納得した。
「では案内します」
と廊下を通り一年の教室から周り、四年生まで進み、
「私は、化学に興味があるので実験室を見たい」
とリクエストがあった。警備隊は、目につく所にいた。何もない事が一番、私は、そう信じていた。
ローズリーさんの司会進行もとても上手く合唱を聞き、リア王女も何も文句は言わなかった。
学食でサプライズが起きた。
フランツ王子様がいて、みんなと一緒に食べると座って待っていた。フランツ王子の横にリア王女が座り、その周りをアステリア王国の学生が座る。少し離れた場所に生徒会が座った。和やかに食事が進むわけがなかった。
「失礼します。リア王女様、私達フランツ王子様の婚約候補者ですが、あまり馴れ馴れしくしないでください」
と候補者の一人が強気な物言いで言った。そうすればルイーゼも調子に乗って、
「未婚の男女が触れそうな距離ってはしたないですわよね、みなさん」
とリア王女を蔑める発言をすれば、アステリア王国の学生が睨みつけ、学生騎士が何人か立ち上がる。
リア王女は、楽しそうに、
「みなさん、お心が狭いのね。一国の王妃候補者なら全員もう一度教育し直した方がいいわ。オルビア王国の品格を感じないですわ」
と言った。
候補者達が、少し後退りした時、学園長が現れた。
「まぁみなさん、今は、学生同士交流を深めましょう」
と言い、候補者達を席に戻した。
私の首筋に視線を感じた。手ではらい食事を続けた。会議室でお茶を飲む手筈になっているので、会長に
「カップを一つ増やしてきます」
と言って先に会議室に行く。スッと足音もなくユイナが斜め後ろに入った。
「変更だそうです。フランツ王子様は帰路しないそうです」
廊下や階段に待機している警備隊や騎士を目で確認しながら、
「フェルナンドさんだけで大丈夫?」
と聞くと、
「もう一人すぐ近くにいますが、生徒会メンバーは守れないです」
でしょうね。私達は狙われるというより、ついでや巻き込まれだろう。
「剣舞を見る時、流石に武器持ってたら怪しいよね?」
「全く平和的に感じません」
とユイナは言った。何かが起きる前提で話さないといけない。
「では、二重取りにしようか?警備隊を大外に移動させて剣舞披露の内側に下がって騎士待機かな。内と外で挟む。騎士は、担当教師や学生服着せて剣は隠せる物でね。至急ね」
「はい、お伝えします」
面倒なことにならなければいい。危惧している程度で済めばいい。何故人のために家の為に自分や家族を犠牲にするのか?何の信念を持っているのか、私にはわからない。権力なのか?
会議室でお茶を配るメイド、お菓子を配るメイド、みんな和気藹々と話している。交流はちゃんと出来ている。
何故何もなかったで終わらせないのだろうとフランツ王子を見た。笑いもしない冷たい目と合う。帰路と言った時点で私の気持ちはわかってくれていると思う。でも、フランツ王子は…
剣舞披露の会場に移動する。
ゾロゾロと。会場には、前もって配置していた警備が異常ない事を告げた。
フランツ王子の挨拶、そして剣舞披露が始まる準備をした。フランツ王子は席に戻ろうとした。令嬢が一気に近づいた。
フェルナンドさんが払ったと同時に私設警備隊が動き出した。フランツ王子に向かっていくが、中には騎士が外扉からは警備隊が入る。生徒会メンバーは、椅子席に身を屈めている。私もその一人だ。身を屈めるよう指示したのはアステリア王国の騎士学生だった。リア王女を守りながら。フェルナンドさんに簡単に捕まった令嬢、ローズリーさん。私設警備隊も取り押さえられた。エリオンは信じられないという顔をしている。
ローズリーさんの髪は乱れフランツ王子を睨んでいる。生徒会メンバーは立って見ている。ローズリーさん以外フランツ王子の婚約候補の関係者、王妃がフランツ王子に敵対する令嬢を選ぶわけない、きっと。しかし表情が気になった。なんというかギラついているような。リア王女の顔を見る。驚いてもいなさそうだ。こちらは、何故か哀れんでいるような顔?
すぐに騎士達が王女や生徒会メンバーを移動させている。
ローズリーさんのご実家は伯爵家。アステリア王国の側妃侍女が入り込んでいなかったが、先に取り潰された侯爵家の出のお母様がいただけ。
それが問題だったのだろうか。
「どうして?」
と聞きたいけど聞けないだろう。フランツ王子は、もう決めているようだから。
騎士団や警備隊に連れられて、本日は、下校。寄宿舎に戻れば、先にフランツ王子様とフェルナンドさん、ガレットさんがいた。
「これから迎えの馬車が来るまで、お茶を飲みますから、ご一緒にいかがですか?」
と誘われた。
「申し訳ございません。本日は疲れました。ご遠慮させていただきます」
と言ってミリーと自部屋に戻った。
描き溜めているイラストを一枚抜いた。
エリオンとローズリー
朗らかに優しい先輩と後輩の構図だ。
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