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67脇役令嬢 8
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夕食のテーブルで、母様に
「ヘンリが我が家を初めて訪問した時に、少し内容は違うのですが、フリップ様とレッド・ストリュート様がスリアム公国に物資を運びその時に戦いに巻き込まれると書かれた紙をもらったのです。物資強奪イベント…」
と意味もなく私がポツリと話すと、
「何を突然」
と父様が言う。
「黙って」
と母様は私の言葉を促す。
「今日ヘンリにフリップ様がスリアム公国に向かう事を話したら、それは仕組まれているのではないかと…アザミ・リューエン公爵令嬢が既存の物語路線にのせるために導いたと言うのです。でも確かに4年前にヘンリが言っていた通りで、旅の準備もリューエン公爵家からドミニオン商会へ依頼されていたと先程連絡がありました。ヘンリが言うにはスリアム公国に行く途中の盗賊かそのような兵をリューエン公爵家で用意するのではないかと…
ヘンリの深読みかもしれませんが、なんとなく今回の留学騒動でのアザミ様の嫌がらせの自作自演を見ていると…ヘンリの言う妄想話を実現しようとしているのではないかと思うんです。父様、母様、私、フリップ様と一緒に行って良いでしょうか?」
と言うと、母様は顔を振ってから、
「その手紙はまだあるの?あれば持ってきなさい」
と言われた。
仕方ないか、これで納得してもらえるなら。一応、昔に話して聖男として母様に認められた気がするのだけど。
4年前の手紙を渡す。
私が悪役令嬢にならないために、まず見た目を変えるべきという話の元ネタ(妄想話)
「やっぱり聖男様ね、養子の話、レイモンドの事は本当に驚いたのよ、そんな話があがっているというだけでまだ顔合わせもしてないのに言い当てられた、あの衝撃は忘れられないわ」
とふぅ~と深く呼吸を吐いた後、
「物資強奪ね、私がフリップ王子様の護衛に行きます、我が家の私兵も連れて行くわ。後、すぐにルボナーラには手紙を書くわ」
と言って出ていった。
「メリッサ…」
と捨てられた子犬のような顔をした父様。
母様が行ってくれるなら間違いないと思う、グリトン側だって護衛騎士は出すなのに何故か不安が消えない。
「父様、リューエン公爵の最近の動きは?」
と聞けば、
「ガザニスタン王国の商人とは仲が良いようだね、出入りを目撃されているな」
「ガザニスタン王国…ヘンリのこのガザニスタン王国の戦争って、クリスのところでは魔草を栽培していませんけど、アザミ様は見たこともない植物を魔法で栽培できるそうなのです。もしかすると繋がっているのではないですか?ミアに温室に入る許可を!」
と言えば、渋々
「ハァ~、盗んだ物は証拠にはならない…ただ確かに何をしているのか、リューエン公爵家の資金の豊富さは、先日の議会でも皆驚いていた。あの金はどこから…
十分注意するんだよ。無茶はしないで、クロウと二人でね」
と言った。
その言質を取ったのですぐにドリーを見て頷きあって頼んだ。
「ミア、クロウ、頼むわね。多分見張りが多いでしょうから気をつけて」
と言えば
「前回は失敗しましたから。今回はうまくやります」
とミアが言う。
「仕方ないわ自白薬が大きく騒いでしまってから警戒されたもの、まさか彼女も土魔法で植物の契約が出来るとは思わなかったし」
「でも今回は無理にでも入手して見せます」
と気合を入れるミア。
「父様とも約束しているの、無理はしないで、今回失敗しても大丈夫よ。あとフリップ様に至急届けて」
とクロウに今までの経過を記した手紙、を渡す。
クロウが急ぎ帰ってきた。
「良かった、まさか明日の朝方に出発なんて、母様には伝えるわ。クロウ悪いわね、そのままミアとリューエン公爵家へお願い」
と言えば
「人使い荒いですよ、お嬢様~」
とクロウは両手を上げた。
「ごめんなさい、でもヘンリいわくこの路線には乗せてはいけないって言うの。特にフリップ様に対して気をつけてと書いてきたの。ここが終わったら二人で夏休みでも結婚式でもあげていいから!」
と言うと急に照れて
「い、いや~はい」
と言って消えた。
「お嬢様そんな勝手にお約束してすぐに忙しくなりそうな予感がしますよ」
とドリーがいえば、
「まぁね、とりあえずってことで」
と笑って誤魔化した。
母様もルボナーラの剣士とはすぐに合流できないだろう。我が家の王都にいる私兵は数人、領地から人数移動しても…
「ドリー、実力者を母様の護衛につけて、もし可能ならドリーも行って欲しいの。フリップ様を守って…
リューエン公爵が賠償金を用意して、自分で強奪、回収なんて有り得ない話じゃないかもしれない」
と言えば
「お嬢様、お支度大丈夫ですか?もちろん私達は奥様のお世話の為何名か行く予定でいます、フリップ王子様も任せてください。何回侵入者と一戦交えたと思っているのですか、魔物に比べたら可愛いものですよ」
と壁に並んだメイド達が言ってくれた。
「ありがとう、みんな。絶対フリップ様に頼んで王宮騎士様とのお見合いにこぎつけるから」
朝方ミアとクロウが全身土と泥だらけになりながら帰還した。手には一株を持って。
「何とか穴を掘って一株入手出来ました。新しい温室が三棟建ち、全部同じ品種の植物です。土魔法の契約引き抜いた途端に警報級の音がなりましたよ」
と言った。
「お疲れ様。ではリューエン公爵家に間者が入ったことは知られたわね。今後、どうされるか、まぁ、また様子見て対応していきましょう。今日はゆっくり休んでね二人とも」
と言って、すぐに執事を通して父様に渡す。
「宰相と研究者に見てもらう。ヘンリ君は魔草と予知しているんだね」
「はい、ヘンリにも知らせます」
そしてお母様達は後方からの見守りながら出発になった。知っているのは、フリップ様のみ。
本当に彼も信じたかはわからないけど。念のため…
わたしも半信半疑だけど、出発の翌日には、なんと王宮でお茶会が開かれると招待状が来た。
「来週?信じられない。ダイアナ王女様を出立させて、ブラッシュ王子様主催?」
こんなの非常識だ。
でも、これは、ヘンリの手紙通りだった。では、私とカトレアが揉めて、庭園をめっちゃくちゃにしてアザミ様が植物魔法で元通りにするという筋書き…
だったら
どうする?
*
「今日ですね、お嬢様」
「そうね、とびっきり可憐にしてくれるかしら?」
とメイドの一人に言うと、
「勿論、本日も妖精令嬢と言わしまくりますよ」
と気合を入れたメイド達。
そして私は、サマードレスを身につけて王宮に向かった。
今日のお茶会は、エスコートなしメイドが側仕えとして一人だ。行きたくないからサボってしまおうかなんて前日に考えたりもした。
だけど何故かアザミ様からと王妃様それぞれ同じ内容
『絶対ブラッシュ王子主催のお茶会に来い』
という内容だった。
もちろん言い回しは違うが…
今までの非礼を詫びたいだとかこれからの王族としてのダイアナ王女との交流を考えたいとかよくわからないことをツラツラと書いたメッセージカード…
ハァ~、絶対ヘンリの予言ならカトレアとの喧嘩をどうにか仕組まれるということになる。
この何日間か考えていた。
庭園のお茶会
どう見てもアザミ様の魔法に分がある。土と植物…仕掛けようが盛り沢山のところに参加したところでね…。
馬車は王宮の入り口の門番に呼ばれる。
「確認を」
と門番に言われ、チラッと見る。
そして、一式の制服をもらう。
「では、失礼します」
フゥー、何とかなったわ。ルーさんがフリップ様のメイドとしてついて行ってしまったから、用意できないかと思った。馬車留めまでの短い距離で、もらった制服を風呂敷に包んでもらい、メイドに持ってもらう。
馬車から降りれば注目される。こんな場所でアザミ様と目が合うとは。
もしかして心配で私の様子を窺っていたのかしら。まさかこんなところから待ち伏せ?
「ヘンリが我が家を初めて訪問した時に、少し内容は違うのですが、フリップ様とレッド・ストリュート様がスリアム公国に物資を運びその時に戦いに巻き込まれると書かれた紙をもらったのです。物資強奪イベント…」
と意味もなく私がポツリと話すと、
「何を突然」
と父様が言う。
「黙って」
と母様は私の言葉を促す。
「今日ヘンリにフリップ様がスリアム公国に向かう事を話したら、それは仕組まれているのではないかと…アザミ・リューエン公爵令嬢が既存の物語路線にのせるために導いたと言うのです。でも確かに4年前にヘンリが言っていた通りで、旅の準備もリューエン公爵家からドミニオン商会へ依頼されていたと先程連絡がありました。ヘンリが言うにはスリアム公国に行く途中の盗賊かそのような兵をリューエン公爵家で用意するのではないかと…
ヘンリの深読みかもしれませんが、なんとなく今回の留学騒動でのアザミ様の嫌がらせの自作自演を見ていると…ヘンリの言う妄想話を実現しようとしているのではないかと思うんです。父様、母様、私、フリップ様と一緒に行って良いでしょうか?」
と言うと、母様は顔を振ってから、
「その手紙はまだあるの?あれば持ってきなさい」
と言われた。
仕方ないか、これで納得してもらえるなら。一応、昔に話して聖男として母様に認められた気がするのだけど。
4年前の手紙を渡す。
私が悪役令嬢にならないために、まず見た目を変えるべきという話の元ネタ(妄想話)
「やっぱり聖男様ね、養子の話、レイモンドの事は本当に驚いたのよ、そんな話があがっているというだけでまだ顔合わせもしてないのに言い当てられた、あの衝撃は忘れられないわ」
とふぅ~と深く呼吸を吐いた後、
「物資強奪ね、私がフリップ王子様の護衛に行きます、我が家の私兵も連れて行くわ。後、すぐにルボナーラには手紙を書くわ」
と言って出ていった。
「メリッサ…」
と捨てられた子犬のような顔をした父様。
母様が行ってくれるなら間違いないと思う、グリトン側だって護衛騎士は出すなのに何故か不安が消えない。
「父様、リューエン公爵の最近の動きは?」
と聞けば、
「ガザニスタン王国の商人とは仲が良いようだね、出入りを目撃されているな」
「ガザニスタン王国…ヘンリのこのガザニスタン王国の戦争って、クリスのところでは魔草を栽培していませんけど、アザミ様は見たこともない植物を魔法で栽培できるそうなのです。もしかすると繋がっているのではないですか?ミアに温室に入る許可を!」
と言えば、渋々
「ハァ~、盗んだ物は証拠にはならない…ただ確かに何をしているのか、リューエン公爵家の資金の豊富さは、先日の議会でも皆驚いていた。あの金はどこから…
十分注意するんだよ。無茶はしないで、クロウと二人でね」
と言った。
その言質を取ったのですぐにドリーを見て頷きあって頼んだ。
「ミア、クロウ、頼むわね。多分見張りが多いでしょうから気をつけて」
と言えば
「前回は失敗しましたから。今回はうまくやります」
とミアが言う。
「仕方ないわ自白薬が大きく騒いでしまってから警戒されたもの、まさか彼女も土魔法で植物の契約が出来るとは思わなかったし」
「でも今回は無理にでも入手して見せます」
と気合を入れるミア。
「父様とも約束しているの、無理はしないで、今回失敗しても大丈夫よ。あとフリップ様に至急届けて」
とクロウに今までの経過を記した手紙、を渡す。
クロウが急ぎ帰ってきた。
「良かった、まさか明日の朝方に出発なんて、母様には伝えるわ。クロウ悪いわね、そのままミアとリューエン公爵家へお願い」
と言えば
「人使い荒いですよ、お嬢様~」
とクロウは両手を上げた。
「ごめんなさい、でもヘンリいわくこの路線には乗せてはいけないって言うの。特にフリップ様に対して気をつけてと書いてきたの。ここが終わったら二人で夏休みでも結婚式でもあげていいから!」
と言うと急に照れて
「い、いや~はい」
と言って消えた。
「お嬢様そんな勝手にお約束してすぐに忙しくなりそうな予感がしますよ」
とドリーがいえば、
「まぁね、とりあえずってことで」
と笑って誤魔化した。
母様もルボナーラの剣士とはすぐに合流できないだろう。我が家の王都にいる私兵は数人、領地から人数移動しても…
「ドリー、実力者を母様の護衛につけて、もし可能ならドリーも行って欲しいの。フリップ様を守って…
リューエン公爵が賠償金を用意して、自分で強奪、回収なんて有り得ない話じゃないかもしれない」
と言えば
「お嬢様、お支度大丈夫ですか?もちろん私達は奥様のお世話の為何名か行く予定でいます、フリップ王子様も任せてください。何回侵入者と一戦交えたと思っているのですか、魔物に比べたら可愛いものですよ」
と壁に並んだメイド達が言ってくれた。
「ありがとう、みんな。絶対フリップ様に頼んで王宮騎士様とのお見合いにこぎつけるから」
朝方ミアとクロウが全身土と泥だらけになりながら帰還した。手には一株を持って。
「何とか穴を掘って一株入手出来ました。新しい温室が三棟建ち、全部同じ品種の植物です。土魔法の契約引き抜いた途端に警報級の音がなりましたよ」
と言った。
「お疲れ様。ではリューエン公爵家に間者が入ったことは知られたわね。今後、どうされるか、まぁ、また様子見て対応していきましょう。今日はゆっくり休んでね二人とも」
と言って、すぐに執事を通して父様に渡す。
「宰相と研究者に見てもらう。ヘンリ君は魔草と予知しているんだね」
「はい、ヘンリにも知らせます」
そしてお母様達は後方からの見守りながら出発になった。知っているのは、フリップ様のみ。
本当に彼も信じたかはわからないけど。念のため…
わたしも半信半疑だけど、出発の翌日には、なんと王宮でお茶会が開かれると招待状が来た。
「来週?信じられない。ダイアナ王女様を出立させて、ブラッシュ王子様主催?」
こんなの非常識だ。
でも、これは、ヘンリの手紙通りだった。では、私とカトレアが揉めて、庭園をめっちゃくちゃにしてアザミ様が植物魔法で元通りにするという筋書き…
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だけど何故かアザミ様からと王妃様それぞれ同じ内容
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という内容だった。
もちろん言い回しは違うが…
今までの非礼を詫びたいだとかこれからの王族としてのダイアナ王女との交流を考えたいとかよくわからないことをツラツラと書いたメッセージカード…
ハァ~、絶対ヘンリの予言ならカトレアとの喧嘩をどうにか仕組まれるということになる。
この何日間か考えていた。
庭園のお茶会
どう見てもアザミ様の魔法に分がある。土と植物…仕掛けようが盛り沢山のところに参加したところでね…。
馬車は王宮の入り口の門番に呼ばれる。
「確認を」
と門番に言われ、チラッと見る。
そして、一式の制服をもらう。
「では、失礼します」
フゥー、何とかなったわ。ルーさんがフリップ様のメイドとしてついて行ってしまったから、用意できないかと思った。馬車留めまでの短い距離で、もらった制服を風呂敷に包んでもらい、メイドに持ってもらう。
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