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10全校集会
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朝からミンネ達が教室の中央で何かを真剣に話していた。
「おはよう、みんな」
と言えば、
「ねぇ知ってる?今日の全校集会で卒業式の話と何か特別な話が出るらしいの」
と言われた。相変わらず、一足先に情報を仕入れる情報通がいるのね…誰かしら?
「特別」と「何か」
が、みんなの話題の焦点らしい…
生徒会メンバーなんて私には関係ない。
しかしそれを正直に言えない空気感がある。
『みんな大好き、憧れの存在』
それは、絶対的で話題の中心。
その言葉を言ったらノリが悪いと言われ、みんなのテンションを下げることは明らかだ。
みんなに溶け込むように同調するのは、上手く学校で過ごす策略。
生徒会メンバーといえば、
「あっ、先日ダンスのキアヌス先生の所に靴を返しに行ったら、皆様いましたわ」
と言えば、誰かが
「ダンスってことは、もしかして生徒会の皆様現在、婚約者がいない状態でしょう。あれよ、パートナー決めじゃないかしら?」
「「「「えぇ~、確かにそうかも。卒業パーティーのお相手」」」」
一際歓声が上がった。今まで生徒会メンバーにはシリル殿下以外婚約者がいて、私達一年生にとったら初めからセレナさんがいた。(彼女は二学年のため)
勿論誰も生徒会メンバーと交流なんてしたことがない。
だからか途端に夢見る少女の顔をして、みんなうっとり妄想の世界に旅立った…
セレナさんに浮かれて破棄騒動を起こしたメンバーに何を想像できるというのだろう。私は騒動の余波をまともにくらった者として夢も何もない。出来れば平穏を返してほしいなと思うぐらい…
「何よティア難しい顔をしちゃって!こんな楽しい話に乗らないなんて」
とミンネに言われ口角を上げるだけはした。
「ミンネも誰かと踊りたいの?」
と聞けば、
「それは一度は王子様の手を取って、ダンスを踊りたいわよ。乙女の夢よ。身分的に私なんて無理だからこその空想や妄想の世界の話じゃない!ティアはそんな事も思わないの?」
考えてみたけど、
「そうね、思い浮かばないわ」
と言えば
「夢がないわね、ティアらしいけど」
と言って、私とは話していてもつまらなかったのだろう、すぐにミンネは輪の中に戻ってしまった。
言わせてもらえば、現実感ないのよね、王子様とか…
全校集会は講堂で開かれた。
壇上では、生徒会五人のメンバーが並ぶ。あの日と違うのはセレナさんがいないのとネクタイが紺色とグレイが一人だということだけ。
一体あの日のネクタイの色変えは、どんな意味あったのだろうか?クリスマスパーティーに何か関係しているのだろうか。
ボォーと話を聞いていた。卒業生じゃない私にはスケジュール的な進行は関係ないため意識を飛ばしていたから、最初の話を聞き逃した。
「…我々は、一人の女子生徒に助けられた。彼女のおかげで自分達が黒魔術にかけられていた事に気付くきっかけをもらえた。御礼をしたいと思う。この靴、ハイヒールに見覚えがある者はいるかな?あのクリスマスパーティーの終わりに片方だけ階段に置き去られた忘れ物…
もし自分のだと思う者がいたら名乗ってもらえないだろうか?」
と生徒会長ことクラード王太子殿下が言った。
その瞬間一斉に講堂にいた女生徒の右手が上がった。それは風を感じるほど早くに。
えっ
何事?
あのハイヒールは踵が踏まれた痕がある…私が階段で慌てて落とした片方、血も付いているはず。
あの日こんなに沢山の女生徒がハイヒールを落としたっていうの?
それはないわね。
嘘をついてまでどうしたいのよ?
と思ってから、今朝のミンネ達女生徒のダンスのパートナーや王子様が先程言った御礼云々が関係しているのだろう事がわかった。
私の靴だと思ったが、面倒臭いことに巻き込まれるのは、もうたくさんなのでこのまま黙っている事にした。
御礼も何もいらないわ。
先生への新しい靴も購入してしまったし、あれが戻って来たところでサイズも合わない…要らないわね。と結論づけた。
壇上では、生徒会メンバーが困っているようだった。
予想外だったのか?
イヤイヤ、考えればわかるよね、なんかそういう所が、私が彼らに興味がないというか苦手な所だと思うわ。
御礼っていったらあわよくばの方達だって出てくるだろうに…それに朝の段階で期待値はかなり上がっていたし。
婚約者候補、パートナーになりたい女生徒が盛りがついた状態で手を挙げている。
そういう人達は、今まで元婚約者達が防波堤になっていた為、アピールして来なかっただけ。自分達で手放しておいたのだから、女生徒の獰猛な圧を感じた方が今後の為だろうなと思った。
「ティア、やっぱり御礼の話になったね。ハイヒールの落とし物なんてなんか物語性意識してあざといよね~。意味深にして見つけてもらおうとしているんじゃないのかしら?わざとよ絶対に!自分を見つけてというアピールよ」
…
そう解釈されるのね、ハイヒールを忘れて来たこと、公爵令息の頭にハイヒールを落としたことを誰にも言ってなかった…すぐに婚約破棄の騒動に巻き込まれたし。
忘れていたわけではないけど何となく言いだしにくかった。
誰にも言わなくて良かったわ~。
まさかあざといだのアピールだのと言われるなんて…受け取られ方が曲解過ぎだわ。
ここに来てアレを持ってあの日の事を探してくるなんて…
あのハイヒールでセレナさんの黒魔術が解けた?って痛みによっての衝撃以外ないじゃない。(青)が解けて済し崩しに解放されたって事かしら。よくわからないけどね。
話す必要性は感じない、黙ってよう。心に決めた。
周りから
「私の靴です~」
との声が次から次に飛び交っていて、
「嘘つかないでよ、私のよ!」
「あなたこそ嘘つき!私のよ」
「私がパートナーになるのよ」
なんて言い争いが聞こえる…
そして、すぐに
制服の掴み合いに、髪の毛の引っ張り合い…
バチーン、ドカッ
まさか、叩き合い?取っ組み合い?
それは、一瞬で戦場になった。
「痛っ」
関係ない私にも何か飛んできた。
どっかから手が伸びて服も引っ張られた。
「嘘でしょう?参加してません!」
と言ってみたけど、もうみんな戦闘モードに入って、人の話を聞くより勝ち取ることを選択した女生徒ばかりだ。
これは話にならないわ。
悲鳴より、罵声が響き、巻き込まれないように両手で頭を抱え小さくなる。男子生徒と同じように床を這って端に移動する。そういった女生徒も何人かいた。
端に到着して気持ちが大きくなったのか先程喧嘩をふっかけられたからか…
君たち全員もれなく嘘つきでしょうよと上から目線で言いたくなった。心の中で罵声して溜息で隠した。
男子生徒も
「逃げろ!」
「巻き込まれるぞ」
「早く扉を開けろ、女子生徒の戦い怖すぎる!」
とガタガタしている。
確かもう片方の靴まだ処分していないのよねと意識をもう片方の靴に持っていった。早く処分しようと決めた。
この学園貴族ばかりなのに、何故こんなに殺伐と暴力上等のファイターばかりなのかしらと高みの見物をした。
(ミンネったら参戦している…)
「おはよう、みんな」
と言えば、
「ねぇ知ってる?今日の全校集会で卒業式の話と何か特別な話が出るらしいの」
と言われた。相変わらず、一足先に情報を仕入れる情報通がいるのね…誰かしら?
「特別」と「何か」
が、みんなの話題の焦点らしい…
生徒会メンバーなんて私には関係ない。
しかしそれを正直に言えない空気感がある。
『みんな大好き、憧れの存在』
それは、絶対的で話題の中心。
その言葉を言ったらノリが悪いと言われ、みんなのテンションを下げることは明らかだ。
みんなに溶け込むように同調するのは、上手く学校で過ごす策略。
生徒会メンバーといえば、
「あっ、先日ダンスのキアヌス先生の所に靴を返しに行ったら、皆様いましたわ」
と言えば、誰かが
「ダンスってことは、もしかして生徒会の皆様現在、婚約者がいない状態でしょう。あれよ、パートナー決めじゃないかしら?」
「「「「えぇ~、確かにそうかも。卒業パーティーのお相手」」」」
一際歓声が上がった。今まで生徒会メンバーにはシリル殿下以外婚約者がいて、私達一年生にとったら初めからセレナさんがいた。(彼女は二学年のため)
勿論誰も生徒会メンバーと交流なんてしたことがない。
だからか途端に夢見る少女の顔をして、みんなうっとり妄想の世界に旅立った…
セレナさんに浮かれて破棄騒動を起こしたメンバーに何を想像できるというのだろう。私は騒動の余波をまともにくらった者として夢も何もない。出来れば平穏を返してほしいなと思うぐらい…
「何よティア難しい顔をしちゃって!こんな楽しい話に乗らないなんて」
とミンネに言われ口角を上げるだけはした。
「ミンネも誰かと踊りたいの?」
と聞けば、
「それは一度は王子様の手を取って、ダンスを踊りたいわよ。乙女の夢よ。身分的に私なんて無理だからこその空想や妄想の世界の話じゃない!ティアはそんな事も思わないの?」
考えてみたけど、
「そうね、思い浮かばないわ」
と言えば
「夢がないわね、ティアらしいけど」
と言って、私とは話していてもつまらなかったのだろう、すぐにミンネは輪の中に戻ってしまった。
言わせてもらえば、現実感ないのよね、王子様とか…
全校集会は講堂で開かれた。
壇上では、生徒会五人のメンバーが並ぶ。あの日と違うのはセレナさんがいないのとネクタイが紺色とグレイが一人だということだけ。
一体あの日のネクタイの色変えは、どんな意味あったのだろうか?クリスマスパーティーに何か関係しているのだろうか。
ボォーと話を聞いていた。卒業生じゃない私にはスケジュール的な進行は関係ないため意識を飛ばしていたから、最初の話を聞き逃した。
「…我々は、一人の女子生徒に助けられた。彼女のおかげで自分達が黒魔術にかけられていた事に気付くきっかけをもらえた。御礼をしたいと思う。この靴、ハイヒールに見覚えがある者はいるかな?あのクリスマスパーティーの終わりに片方だけ階段に置き去られた忘れ物…
もし自分のだと思う者がいたら名乗ってもらえないだろうか?」
と生徒会長ことクラード王太子殿下が言った。
その瞬間一斉に講堂にいた女生徒の右手が上がった。それは風を感じるほど早くに。
えっ
何事?
あのハイヒールは踵が踏まれた痕がある…私が階段で慌てて落とした片方、血も付いているはず。
あの日こんなに沢山の女生徒がハイヒールを落としたっていうの?
それはないわね。
嘘をついてまでどうしたいのよ?
と思ってから、今朝のミンネ達女生徒のダンスのパートナーや王子様が先程言った御礼云々が関係しているのだろう事がわかった。
私の靴だと思ったが、面倒臭いことに巻き込まれるのは、もうたくさんなのでこのまま黙っている事にした。
御礼も何もいらないわ。
先生への新しい靴も購入してしまったし、あれが戻って来たところでサイズも合わない…要らないわね。と結論づけた。
壇上では、生徒会メンバーが困っているようだった。
予想外だったのか?
イヤイヤ、考えればわかるよね、なんかそういう所が、私が彼らに興味がないというか苦手な所だと思うわ。
御礼っていったらあわよくばの方達だって出てくるだろうに…それに朝の段階で期待値はかなり上がっていたし。
婚約者候補、パートナーになりたい女生徒が盛りがついた状態で手を挙げている。
そういう人達は、今まで元婚約者達が防波堤になっていた為、アピールして来なかっただけ。自分達で手放しておいたのだから、女生徒の獰猛な圧を感じた方が今後の為だろうなと思った。
「ティア、やっぱり御礼の話になったね。ハイヒールの落とし物なんてなんか物語性意識してあざといよね~。意味深にして見つけてもらおうとしているんじゃないのかしら?わざとよ絶対に!自分を見つけてというアピールよ」
…
そう解釈されるのね、ハイヒールを忘れて来たこと、公爵令息の頭にハイヒールを落としたことを誰にも言ってなかった…すぐに婚約破棄の騒動に巻き込まれたし。
忘れていたわけではないけど何となく言いだしにくかった。
誰にも言わなくて良かったわ~。
まさかあざといだのアピールだのと言われるなんて…受け取られ方が曲解過ぎだわ。
ここに来てアレを持ってあの日の事を探してくるなんて…
あのハイヒールでセレナさんの黒魔術が解けた?って痛みによっての衝撃以外ないじゃない。(青)が解けて済し崩しに解放されたって事かしら。よくわからないけどね。
話す必要性は感じない、黙ってよう。心に決めた。
周りから
「私の靴です~」
との声が次から次に飛び交っていて、
「嘘つかないでよ、私のよ!」
「あなたこそ嘘つき!私のよ」
「私がパートナーになるのよ」
なんて言い争いが聞こえる…
そして、すぐに
制服の掴み合いに、髪の毛の引っ張り合い…
バチーン、ドカッ
まさか、叩き合い?取っ組み合い?
それは、一瞬で戦場になった。
「痛っ」
関係ない私にも何か飛んできた。
どっかから手が伸びて服も引っ張られた。
「嘘でしょう?参加してません!」
と言ってみたけど、もうみんな戦闘モードに入って、人の話を聞くより勝ち取ることを選択した女生徒ばかりだ。
これは話にならないわ。
悲鳴より、罵声が響き、巻き込まれないように両手で頭を抱え小さくなる。男子生徒と同じように床を這って端に移動する。そういった女生徒も何人かいた。
端に到着して気持ちが大きくなったのか先程喧嘩をふっかけられたからか…
君たち全員もれなく嘘つきでしょうよと上から目線で言いたくなった。心の中で罵声して溜息で隠した。
男子生徒も
「逃げろ!」
「巻き込まれるぞ」
「早く扉を開けろ、女子生徒の戦い怖すぎる!」
とガタガタしている。
確かもう片方の靴まだ処分していないのよねと意識をもう片方の靴に持っていった。早く処分しようと決めた。
この学園貴族ばかりなのに、何故こんなに殺伐と暴力上等のファイターばかりなのかしらと高みの見物をした。
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