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第二章 革命児編
第35話 思考
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士郎は久しぶりに実家に帰った。
士郎は元気のない声で
『ただいま』
両親が優しく迎え出てくれた。
父は優しい口調で
『お前、ちょっと様子が変だぞなんかあったか?』
『いや、別になんもないよ』
母は強い口調で
『いや、なんかおかしい絶対なんかあったわよ』
『いや、なんもないって』
『いいや、あったよ親の目はごまかせないんだよ』
『わかった、わかった話すよ』
話さそうとする士郎に父は
『とりあえず今日は遅いから話は明日聞こう』
翌日
『お主、何があった?』
静かな口調で質問する父とは対照的に大きく興奮したような声で母が
『士郎、まさか経丸様になんか失礼なことをしたんじゃないわよね』
士郎はイラッとした口調で
『ちょっと、母上静かにしてくれないかなぁ』
『だって、何やったか心配で心配で』
『とりあえず静かにしててちゃんと話すから』
母は士郎の言葉に怒りぎみで
『何よ、偉そうに』
士郎も怒りぎみに
『偉そうにってなんだよ、なんも偉そうにしてないけど』
母は士郎を睨み付けながら
『あんたがなんかやらかしたから聞いてやるんでしょ』
士郎も売り言葉に買い言葉の状態で
『別に聞いてほしいなど言ってないし』
二人のやり取りに父は大きな声で
『うるさいー!!』
父の一言で二人は黙った。
二人が黙ってから父は静かな声で
『それで士郎、何があったんだ?』
『実は、それがしが率いていた弓矢隊が松本軍にぼこぼこにされて多くの兵が命を落としたんです。それがしは次々と兵が死んでいくのに敵兵を殺せと指示しなかった。それがしが人を殺してはいけないって力がないのに自分の信念に囚われてたからたくさんの味方の兵が死んでしまったんです』
『あんた偽善者なんだよ』
母の言葉に士郎はイラッとしながら
『偽善者?』
『そうよ、あんた偽善者なんだよ、だから殺すって指示出せないんだよ心を鬼にできないんだよ自分が可愛いだけなんだよ』
『違う!!それがしはどんな人間でも殺したくないそれにどんな人間でも殺さないと父と約束したんだ』
『だから、偽善者なんだよ父と約束したから自分は約束を守ったから悪くない、自分が見殺しにしたんじゃないそう思ってるんだろ』
『違う、父のせいにしてる訳じゃないし父は全く関係ない!!』
『そうよ、あんたが見殺しにしたのあんたが味方の兵の命を奪ったの敵が強いから敵が悪いんじゃないあんたが一番悪いの』
『そうだよ、その通りだよ。でもじゃあどうすればよかったんだよ』
『じゃあどうすればよかったって人に聞いてんじゃないよあんた、どうすれば人が死なずにすむか本気で考えたか』
士郎は言葉を振り絞るように
『考えてません』
『あんたの人々の生きる英雄(希望)になるって口先だけのものだったのか、真剣に考えてなろうと行動してなかったのか』
違うと大きい声で言いたかったが士郎はその言葉を胸はって言えるほど考えも行動も足りてないことに気付いたのであった。
うちのめされた士郎に父は去り際に
『士郎、人間が他の生き物に無いものを持っているそれはなんだかわかるか?』
『力ですか?』
『力は他の生き物も持っているだろ人間が持っているのは言葉だ、言葉があるから人間は進歩した。考えろよ士郎これが我がお前に授けるヒントだ』
『言葉?それだけですか』
『後は自分で考えて己の戦いかたをお前にしかできない戦いかたをして見せろ士郎』
『わかりました』
士郎はそう言って両親に深々と頭を下げた。
父は母に
『悪かったな辛い役をやらせて』
母は泣きながら
『本当よ、私だってあんなこと士郎に言いたくなかったんだから』
父は母を優しく抱き寄せたのであった。
父から言葉と言うヒントをもらった士郎は果たして己の戦いかたを見つけることができるのだろうか
士郎は元気のない声で
『ただいま』
両親が優しく迎え出てくれた。
父は優しい口調で
『お前、ちょっと様子が変だぞなんかあったか?』
『いや、別になんもないよ』
母は強い口調で
『いや、なんかおかしい絶対なんかあったわよ』
『いや、なんもないって』
『いいや、あったよ親の目はごまかせないんだよ』
『わかった、わかった話すよ』
話さそうとする士郎に父は
『とりあえず今日は遅いから話は明日聞こう』
翌日
『お主、何があった?』
静かな口調で質問する父とは対照的に大きく興奮したような声で母が
『士郎、まさか経丸様になんか失礼なことをしたんじゃないわよね』
士郎はイラッとした口調で
『ちょっと、母上静かにしてくれないかなぁ』
『だって、何やったか心配で心配で』
『とりあえず静かにしててちゃんと話すから』
母は士郎の言葉に怒りぎみで
『何よ、偉そうに』
士郎も怒りぎみに
『偉そうにってなんだよ、なんも偉そうにしてないけど』
母は士郎を睨み付けながら
『あんたがなんかやらかしたから聞いてやるんでしょ』
士郎も売り言葉に買い言葉の状態で
『別に聞いてほしいなど言ってないし』
二人のやり取りに父は大きな声で
『うるさいー!!』
父の一言で二人は黙った。
二人が黙ってから父は静かな声で
『それで士郎、何があったんだ?』
『実は、それがしが率いていた弓矢隊が松本軍にぼこぼこにされて多くの兵が命を落としたんです。それがしは次々と兵が死んでいくのに敵兵を殺せと指示しなかった。それがしが人を殺してはいけないって力がないのに自分の信念に囚われてたからたくさんの味方の兵が死んでしまったんです』
『あんた偽善者なんだよ』
母の言葉に士郎はイラッとしながら
『偽善者?』
『そうよ、あんた偽善者なんだよ、だから殺すって指示出せないんだよ心を鬼にできないんだよ自分が可愛いだけなんだよ』
『違う!!それがしはどんな人間でも殺したくないそれにどんな人間でも殺さないと父と約束したんだ』
『だから、偽善者なんだよ父と約束したから自分は約束を守ったから悪くない、自分が見殺しにしたんじゃないそう思ってるんだろ』
『違う、父のせいにしてる訳じゃないし父は全く関係ない!!』
『そうよ、あんたが見殺しにしたのあんたが味方の兵の命を奪ったの敵が強いから敵が悪いんじゃないあんたが一番悪いの』
『そうだよ、その通りだよ。でもじゃあどうすればよかったんだよ』
『じゃあどうすればよかったって人に聞いてんじゃないよあんた、どうすれば人が死なずにすむか本気で考えたか』
士郎は言葉を振り絞るように
『考えてません』
『あんたの人々の生きる英雄(希望)になるって口先だけのものだったのか、真剣に考えてなろうと行動してなかったのか』
違うと大きい声で言いたかったが士郎はその言葉を胸はって言えるほど考えも行動も足りてないことに気付いたのであった。
うちのめされた士郎に父は去り際に
『士郎、人間が他の生き物に無いものを持っているそれはなんだかわかるか?』
『力ですか?』
『力は他の生き物も持っているだろ人間が持っているのは言葉だ、言葉があるから人間は進歩した。考えろよ士郎これが我がお前に授けるヒントだ』
『言葉?それだけですか』
『後は自分で考えて己の戦いかたをお前にしかできない戦いかたをして見せろ士郎』
『わかりました』
士郎はそう言って両親に深々と頭を下げた。
父は母に
『悪かったな辛い役をやらせて』
母は泣きながら
『本当よ、私だってあんなこと士郎に言いたくなかったんだから』
父は母を優しく抱き寄せたのであった。
父から言葉と言うヒントをもらった士郎は果たして己の戦いかたを見つけることができるのだろうか
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