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第二章 革命児編

第21話 伊勢

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そうこの前で戦い始めようとする経丸と年齢は士郎より少しくらい下の幼い顔をした謎の男は五メートルくらい距離をとってお互いに相手の出方をうかがっていた。



謎の男はなが槍、接近戦にすれば相手は小回りが効かないから勝てるはず

経丸が自分の行動を考えていると



「うォォーー」



海老太郎は雄叫びをあげながらなが槍で経丸の胸をめがけて突っ込んでいこうとしたその時

『待ったー!!』

いきなり女の子特有の甲高い声が辺り一面に響き渡った。

経丸と謎の男はもちろん士郎達見学者も動きがとまった

謎の男より少し年上そうな気の強そうな女の子は燃えた小屋の裏の茂みから出て来て

『待ってその人じゃないよ』

謎の男はビックリした顔で

『えっ?』

『私の顔に傷つけた人はその人じゃない』

経丸達は全く二人の会話が理解できないでいると

気の強そうな女の子が謎の男の頭を押さえて

『すみませんこの子の人違いでした』

謎の男と気の強そうな女の子は頭を下げた。

経丸はいまだに理解できず士郎が

『えっ?なんなの君たち?』

気の強そうな女の子が髪で隠れていた額を髪をあげて見せた。そこには刀傷が刻まれていた。

士郎はビックリしながら

『あっ、それどうしたの?』

『私の村で天河鷲雪軍が戦を起こしその時に傷つけられたキズです』

『やはりあいつはひでぇ奴だ、でも何で我が殿を攻撃しに来たんだ?』

士郎の質問を遮るように謎の男はいきなり大声で

『天河鷲雪だからだよ!?』

士郎達は声を揃えて

『は?』

気の強そうな女の子は申し訳なさそうに

『すみません、この子の人違いでホントにご迷惑おかけしました』

謎の男は

『人違い?』

『そうよ、この方は天羽経丸様よ』

謎の男はひっくり返るぐらいの勢いで

『えっ!?』

『ねぇ、もしかしてこいつアホなやつ?』

士郎の質問に気の強そうな女の子は

『この子少し抜けてるんだよね天然って感じかな』

謎の男は少し怒ったような口調で

『天然じゃないし、だって最初の文字が同じじゃん』

士郎は勢いよく

『いや最初の文字しかあってないから』

『エグいてー』

謎の男の訳のわからない返答に士郎は

『この子は何言ってるの?』

気の強そうな女の子はあきれながら

『この子たまにいきなり奇声をあげたり意味のわからないこと言い出すけど気にしないで』

士郎は少し引きぎみに

『おっおう!!』

謎の男はいきなり経丸の両肩に手をおいて

『僕、伊勢海老太郎、あなたの名前は?』

経丸が少し怖がってる横で士郎が

『さっき、天羽経丸って君の横にいる子が言ってただろ』

伊勢海老太郎はあーっと納得した顔で

『あっ天羽経丸って言うのかよろしく僕は伊勢海老太郎』

そう言ってハイタッチを求めてくる海老太郎に動揺しながら経丸は軽くハイタッチをした。

皆はハイタッチを求める海老太郎に理解できなかったがツッコムと先に進まないので誰もツッコミをいれなかった。

海老太郎は皆がビックリするくらい大きな声で

『あっー!!そう言えば天河鷲雪って知ってますか?』

経丸は海老太郎のいきなりの大声に腰が引けながら小さな声で

『知ってますよ』

『仲いいんですか?』

『いや、敵対してます』

『敵対?』

気の強そうな女の子があきれながら

『敵だと思っているってこと』

海老太郎は目を輝かせながら

『おー僕も天河鷲雪敵だと思ってるんですよ』

経丸は冷静な口調で

『そうなんですね』

『一緒に今から倒しにいきませんか?』

困惑している経丸の横で士郎は

『いや、桃太郎みたいなノリで行ける相手じゃないぞ』

海老太郎は悲しそうな顔をして

『そっか、じゃあ僕一人で行ってきます』

『やめとけ一人じゃ危険だ』

そう言った士郎にたいし怒鳴るように

『危険だろうとなんだろうと俺の大好きな大好きな真夏の顔に傷をつけたんだ許せるわけないだろ』

士郎はいきなりの迫力に圧されながら呟くように

『さっきまでとのギャップがすごい』

大好きだと言われて真っ赤な真夏の横で海老太郎は真剣な顔して

『だから俺は天河鷲雪を懲らしめて謝ってほしいんだ』

『そっか、じゃあ天羽家に入らないか』

片倉の一言に皆ビックリし士郎が慌てて

『えっ?片倉さんこういうアホなやつ一番仲間に入れるの反対しそうじゃん』

『バカ、お前みたいなアホが入ってる時点で一人も二人も変わらないよ』

士郎は怒り気味に

『やかましいわ』

皆笑った。

皆と笑っている海老太郎に

『お前もアホって言われてんだぞ』

海老太郎は真顔で

『あっそうかそれはおかしいですね』

海老太郎の他人事のような返答に皆また笑いだした。

海老太郎は真顔で

『でも、僕天羽家に入っていいんですかね?倉庫燃やしたんですよ』

『あっそう言えばお前倉庫燃やしやがったんだ』

怒る士郎を経丸は制するようにニコッと笑いながらちょっと怒りが入り交じったような声で

『倉庫くらいいいよ別に、燃やした分天羽家で働いてもらえば』

経丸の顔を見て恐ろしいと思っている士郎の横で海老太郎はニコニコしながら意気込むように

『はい、倉庫の分頑張ります』

士郎は海老太郎をよく見て

ここまで来ると天然って恐いものなしなのかもしれない

そう思って深いため息をついた。

海老太郎は勢いよく手をあげて

『でも、条件があります』

おい、おいお前が条件出せる立場じゃないだろと誰もが思ったが

『天羽家に入るのは僕だけにしてほしい真夏は入れないでほしい』

真夏は驚き呟くように

『えっ、何で?』

『僕は真夏には戦で恐い思いをさせたくはないだから天羽家には入れないでください』

海老太郎の熱い気持ちに真夏は目を潤ませながら

『ホント、自分のこともちゃんとできないのに私のことばかり気遣ってくれるんだから』

そう言って真夏は海老太郎に抱きつき

『怪我だけはしないように無理はしないでね』

『うん!!大丈夫!!』

こうして天羽家に新たな仲間ができたのであった。

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