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静かな箱庭で生きる者達
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第13話 静かな箱庭で生きる者達
魔術師を倒した話は、国中に響き渡った。
魔導将軍である…ラグスさんの功績は、讃えられ
一人の少女を、守りながら…魔術師を倒した功績…それは、歴代の魔導将軍でも成し得なかった。
新しい功績として歴史に刻まれる
リートグルムは、小さい国だった。
世界からしたら「ちっぽけな国」…
それでも…こうやって多くの人達が、暮らして居て
それぞれが、仲良く笑い合っている…
「アレ」を見るまでの私には、そう見えていた。
広場に…一台の巨大な木の格子が、付いている馬車が見えた。
唐突にレクサムが呟く…
レクサム『姉貴と離れるなよ…あれは奴隷商人だ。』
レクサム『近くに奴等のアジトが、あるかもしれない…そこには沢山の奴隷たちが居て…いずれ競売に出される』
レクサム『奴等も儲けが少ないのだろう…こんな国まで売りに来るとはな…』
レクサム『俺は、そのアジトを潰しに行く…少しでも奴隷を無くす為に』
奴隷商人を乗せた馬車が、動き出す
中には老若男女様々な人達が、囚われていた。
不自由な日常…やはり此処にもあった。
私の前世もそうだった。諦めずに生き続けていた自分を思い返す
あんな身体で産まれてさえ居なければ…
ごめんなさい…お母さん…お父さん…
私が長い眠りに着いた時… 不思議な感覚と共にあの光景を見た。
お母さんもお父さんと共に泣き崩れる姿を…
子供が、亡くなって悲しく無い親なんて存在しない…
私の両親は、最後まで良い人だったのだ…
レクサムが、後を追う…
公認魔法師であるニイさんは、私とシェルピーと共に3人でレクサムより少し離れた位置を移動する
ふと…私は、思った。
レクサムが明かり1つ付けずに、低速で移動する馬車に向かう所を…
薄暗い森の中を走る馬車は、予想よりも大きく…
馬車より先が、見えないぐらいの幅がある
だが重いのかそんなに速度は出ていなかった。
しばらく後を追うと、何やら洞窟のようなものが見えてくる
どうやらあれが、アジトのようだ。
レクサムが戻って来る…
レクサム『アジトを見つけた。俺は、1人で片付けて来るお前らは、「気配」を消して待機してろ…』
レクサム『まあ…「これなら」意味無いか…』
何の事だろう…
ニイさんとシェルピーには、意味が分かっている様子だったが…
そう言ってレクサムは、馬車の乗り手の方に向かう…
遠目で眺めようとすると、ニイさんによって両目を隠された。
ニイ『後は、レクサムに任せましょう…』
先程抱いた疑問をニイさんに、聞いてみる
パメラ『明かりが無いと辺りが見えない程に、薄暗くなりつつあるのに…何故レクサムさんは、あんなに動けるのですか?』
これには、ラグスさんの話にあった。
「気配認識」と言う言葉が引っかかっていた。
どんなに鮮明に感じられたとしても…暗闇だと視認出来ないあの話が…
ニイさんは、少し困った表情を浮かべるとこう話し始める
ニイ『レクサムは、夜が好きなので良く暗い場所でも明かりを付けずに、歩いて居ましたね…それの名残りでしょう』
すると…私は、途端に強烈な眠気に襲われた。
薄らと黒い影が見える…
それから…目を覚ますと、木の格子の中だった。
両手には、手枷と足には、足枷をはめられている
どうやら奴隷商人に捕まってしまったようだ。
近くには、ニイさんとシェルピーの姿がある…
着けていたのは、私達だけではなかったようだ。
?『おい!見ろよ!こいつよく見たらヴァラメンスの王女じゃねぇか!』
?『おいおいこっちには、綺麗な女もいるぜ!もう一人は、髪が銀色の珍しいガキもいる…今日は、ボスもご機嫌だぜ!きっと!』
?『あんまり触るなよ…ガッセル!ボスに献上する商品だからな…丁重に扱え』
ガッセル『ちっ!わかってるよ…新人のくせにボスに気に入られてるからって生意気だなー!ゼイル』
ゼイル『そう言うお前は、入って3年になるがちっとも出世しない落ちこぼれだろ』
ガッセル『なんだとガキが!言わせてらー図に乗りやがって!』
ゼイル『やるか?三下』
?『辞めとけ!ゼイルの剣の腕前は、俺たちでも敵わねぇこいつは元王国の暗殺兵団だぞ』
?『下民からの俺たちでは、歯が立たないぐらい…火を見るよりも明らかだろ』
ガッセル『チッ』
盗賊『着いたぞお前ら…』
目の前には、洞窟が聳え立っている…
此処が、盗賊のアジトのようだ。
盗賊『おいウィリー…こいつらは任せるぞ…俺は、馬を馬小屋に連れて行くからな…』
ウィリー『ガッセル…お前は、頭を冷やせ…あの新人に、腹を立たせるのも分かるが…こうやって飯を食えて寝床が有るのは…ボスの人情があってこそ…』
ガッセル『…』
その洞窟には、数多くの空洞があり…
窓の役割をしている
その空洞から灯りが漏れている…
洞窟の入り口には、見張りである男性が二人立って居た。
見張り『ヨウ!お疲れ…今日はいい収穫じゃねぇか』
ウィリー『ああ…ゼイルが、催眠効果のある「ナブルの実」で捕らえて来た。』
見張りB『今夜は、酒が美味いぞ!きっと!』
ウィリー『ああ…そうだ。』
ウィリー『ゼイル…この人達を頼む…』
ゼイル『分かった。』
そうやって…ゼイルという青年に、連れられる
ゼイルが見せた。隙を見計らってニイさんが、魔法を使おうとしていた。
ゼイル『よせよ…あんたらに手荒な真似はしたく無い…』
ゼイルは、このまま小声でこう続ける…
ゼイル『いや…違うな…使うなら使えよ…』
足音で目を覚ます…
盗賊『ほらよ…飯だ。あんたらには、うんと良い飯を渡すようにと…ボスから言われている』
宿屋の料理とは、違う豪華な料理が出された。
魔術師を倒した話は、国中に響き渡った。
魔導将軍である…ラグスさんの功績は、讃えられ
一人の少女を、守りながら…魔術師を倒した功績…それは、歴代の魔導将軍でも成し得なかった。
新しい功績として歴史に刻まれる
リートグルムは、小さい国だった。
世界からしたら「ちっぽけな国」…
それでも…こうやって多くの人達が、暮らして居て
それぞれが、仲良く笑い合っている…
「アレ」を見るまでの私には、そう見えていた。
広場に…一台の巨大な木の格子が、付いている馬車が見えた。
唐突にレクサムが呟く…
レクサム『姉貴と離れるなよ…あれは奴隷商人だ。』
レクサム『近くに奴等のアジトが、あるかもしれない…そこには沢山の奴隷たちが居て…いずれ競売に出される』
レクサム『奴等も儲けが少ないのだろう…こんな国まで売りに来るとはな…』
レクサム『俺は、そのアジトを潰しに行く…少しでも奴隷を無くす為に』
奴隷商人を乗せた馬車が、動き出す
中には老若男女様々な人達が、囚われていた。
不自由な日常…やはり此処にもあった。
私の前世もそうだった。諦めずに生き続けていた自分を思い返す
あんな身体で産まれてさえ居なければ…
ごめんなさい…お母さん…お父さん…
私が長い眠りに着いた時… 不思議な感覚と共にあの光景を見た。
お母さんもお父さんと共に泣き崩れる姿を…
子供が、亡くなって悲しく無い親なんて存在しない…
私の両親は、最後まで良い人だったのだ…
レクサムが、後を追う…
公認魔法師であるニイさんは、私とシェルピーと共に3人でレクサムより少し離れた位置を移動する
ふと…私は、思った。
レクサムが明かり1つ付けずに、低速で移動する馬車に向かう所を…
薄暗い森の中を走る馬車は、予想よりも大きく…
馬車より先が、見えないぐらいの幅がある
だが重いのかそんなに速度は出ていなかった。
しばらく後を追うと、何やら洞窟のようなものが見えてくる
どうやらあれが、アジトのようだ。
レクサムが戻って来る…
レクサム『アジトを見つけた。俺は、1人で片付けて来るお前らは、「気配」を消して待機してろ…』
レクサム『まあ…「これなら」意味無いか…』
何の事だろう…
ニイさんとシェルピーには、意味が分かっている様子だったが…
そう言ってレクサムは、馬車の乗り手の方に向かう…
遠目で眺めようとすると、ニイさんによって両目を隠された。
ニイ『後は、レクサムに任せましょう…』
先程抱いた疑問をニイさんに、聞いてみる
パメラ『明かりが無いと辺りが見えない程に、薄暗くなりつつあるのに…何故レクサムさんは、あんなに動けるのですか?』
これには、ラグスさんの話にあった。
「気配認識」と言う言葉が引っかかっていた。
どんなに鮮明に感じられたとしても…暗闇だと視認出来ないあの話が…
ニイさんは、少し困った表情を浮かべるとこう話し始める
ニイ『レクサムは、夜が好きなので良く暗い場所でも明かりを付けずに、歩いて居ましたね…それの名残りでしょう』
すると…私は、途端に強烈な眠気に襲われた。
薄らと黒い影が見える…
それから…目を覚ますと、木の格子の中だった。
両手には、手枷と足には、足枷をはめられている
どうやら奴隷商人に捕まってしまったようだ。
近くには、ニイさんとシェルピーの姿がある…
着けていたのは、私達だけではなかったようだ。
?『おい!見ろよ!こいつよく見たらヴァラメンスの王女じゃねぇか!』
?『おいおいこっちには、綺麗な女もいるぜ!もう一人は、髪が銀色の珍しいガキもいる…今日は、ボスもご機嫌だぜ!きっと!』
?『あんまり触るなよ…ガッセル!ボスに献上する商品だからな…丁重に扱え』
ガッセル『ちっ!わかってるよ…新人のくせにボスに気に入られてるからって生意気だなー!ゼイル』
ゼイル『そう言うお前は、入って3年になるがちっとも出世しない落ちこぼれだろ』
ガッセル『なんだとガキが!言わせてらー図に乗りやがって!』
ゼイル『やるか?三下』
?『辞めとけ!ゼイルの剣の腕前は、俺たちでも敵わねぇこいつは元王国の暗殺兵団だぞ』
?『下民からの俺たちでは、歯が立たないぐらい…火を見るよりも明らかだろ』
ガッセル『チッ』
盗賊『着いたぞお前ら…』
目の前には、洞窟が聳え立っている…
此処が、盗賊のアジトのようだ。
盗賊『おいウィリー…こいつらは任せるぞ…俺は、馬を馬小屋に連れて行くからな…』
ウィリー『ガッセル…お前は、頭を冷やせ…あの新人に、腹を立たせるのも分かるが…こうやって飯を食えて寝床が有るのは…ボスの人情があってこそ…』
ガッセル『…』
その洞窟には、数多くの空洞があり…
窓の役割をしている
その空洞から灯りが漏れている…
洞窟の入り口には、見張りである男性が二人立って居た。
見張り『ヨウ!お疲れ…今日はいい収穫じゃねぇか』
ウィリー『ああ…ゼイルが、催眠効果のある「ナブルの実」で捕らえて来た。』
見張りB『今夜は、酒が美味いぞ!きっと!』
ウィリー『ああ…そうだ。』
ウィリー『ゼイル…この人達を頼む…』
ゼイル『分かった。』
そうやって…ゼイルという青年に、連れられる
ゼイルが見せた。隙を見計らってニイさんが、魔法を使おうとしていた。
ゼイル『よせよ…あんたらに手荒な真似はしたく無い…』
ゼイルは、このまま小声でこう続ける…
ゼイル『いや…違うな…使うなら使えよ…』
足音で目を覚ます…
盗賊『ほらよ…飯だ。あんたらには、うんと良い飯を渡すようにと…ボスから言われている』
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