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後日談 玲の親友 後編

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そして二人だけの甘い時間を過ごした後で

いつもの様にキンキラキンのバスルームに向かった玲と璃音は……

今日も泡泡の広いバスタブに浸かりながら

*****

「そう言えば明日の土曜日は
午後から恵と二人で買い物に行くんだよな?」

「はい!明日はお台場でベテラン声優のイベントがあるんですよ。
あっ、勿論お土産は沢山買ってきますから、楽しみにしててね璃音さん」

と朗らかなムードで、明日の予定についての話をしていたが……

この後、なぜか唐突に


「じゃあ晩メシは恵と食べてくるのか?」

「あっ、はい。とりあえず晩ごはんは彼女と一緒に食べてくるけど、
でも外食と言ってもラーメンとかタコ焼きとかの、
安いB級グルメを食べる予定だから、決して無駄遣いはしないつもりだし…!」

「なっ!じゃあつまり明日の夜は、ずっと俺が憧れていた
五千円の庶民的な晩メシを…俺とじゃなくて、恵と食ってしまう…のか?
しかも俺にとっては既に伝説と化している、B級グルメの『安い食いもん』を、
俺とじゃなくて彰の嫁候補の女と、二人だけで楽しそうに食う…って事なのか?」

とエラい勢いの璃音が半泣きで暴走したので

これはヤバいと思った玲は、間髪かんぱつ入れずにこの直後、

「えっ?いや…えっと、あの~……あっ!
そうだ璃音さん。よかったら夜はダブルデートしませんか?」

と引きつりながらもニコニコと微笑んで

これならきっと誰も傷付かない『ダブルデート』を提案したのに

やっぱり結局、帰国子女の璃音には……


「ダブルデートだと?つまり玲が二人に増えるのか?」

「えっ?いやいや、決してそんな事にはならないけど、え~と つまりですね?」

て感じでダブルデートが全く通じなかったから

大好きな璃音を傷つけたくない玲は思わず この勢いで、


「だからですねぇ璃音さん。
明日の夜は『お台場』で待ち合わせをして、私と璃音さんと、
恵ちゃんと彰さんのカップル4人でダブルのデートをするんですよ。
それでね璃音さん。お台場のイベント会場は遊ぶ所が沢山あるから、
よかったら夜は観覧車に乗りませんか?それとこれはココだけの話だけど、
頂上まで登った瞬間にキスをしたカップルは、別れないジンクスがあるんですよ~?」

と一生懸命、ダブルデートの説明をしたけれど


「ん?カンランシャの頂上でキスをするって事はつまり、
明日の夜は彰を連れて、カンランシャの山に登らなければいけないのか?」

と壊滅的な勢いで、

一から十まで全く理解が出来ていないから


(だめだコリャ~、あとで観覧車の画像を見せて説明しなきゃ)

と心の中で呟く玲は、このあと急いでお風呂を済ませて

璃音と二人でリビングに向かい、そして早速パソコンを開いて、

観覧車の頂上でキスをするカップル達の画像を璃音に見せまくり、

わりと強引な雰囲気で、

観覧車の頂上でキスをしたら~…のジンクスを、とにかく今すぐ納得してもらい、


「なるほど、なるほど、
よくわかったよ玲。じゃあ明日は彰と2人で
夜の7時に待ち合わせ場所の会場へ行く事にするが……
これがダブルデートと言う奴か、これは楽しみだな、フフフッ…」

「そうですね。ダブルデートなんて
初めての経験ですから、私も凄く楽しみですよ璃音さん」


こうしてやっとダブルデートの意味をわかってくれた璃音と一緒に夕食を済ませた後すぐに

リビングのソファーでアニメを見てから璃音と二人で寝室に向かい、

そして今夜もいつもの様に、至って普通の平凡的な一日を終えたのに

やはり やっぱり璃音と彰は、オタクの玲が思う以上にメッチャ有名人だったから、

*****

あっと言う間に一夜が開けて

翌日の夜の7時頃、

待ち合わせをしたお台場のイベント会場で


「えっ?ねぇねぇ!ちょっと、ちょっと!
あの人ってオブシディアンの彰じゃない?」

「えぇ~?どこどこ?きゃああぁーー!
マジで彰じゃ~ん!超カッコいいし~!」

「…って言うか龍崎璃音も一緒にいるじゃん!ヤバイよコレ!」

「えっ?じゃあやっぱり『あの』イケメンが、
龍崎財閥の御曹司なの~?うわぁ!もろに外国人モデルじゃーん!」


て感じで いつもの様に

若い女性客からピーピーキャーキャーと騒がれながらも、

初めてのダブルデートをする為に

待ち合わせ場所のカフェに向かって二人の超絶イケメン達が、

やや足早に意気揚々と歩いてきたけれど、

そんな事よりも遂にこの後、この物語は……

*****

 「待たせたな 玲」と低い声で短い挨拶をした龍崎璃音の後ろから

「遅くなって申し訳ありませんでした、俺の可愛い恵さん」

て感じの結構ヤバい敬語を話す円行寺彰が優雅な足取りで

トップアイドルみたいに可愛い星野恵の元へと辿り着いたところで


「じゃあ今から、それぞれの観覧車に乗りましょうか!」

「あぁ、賛成だ彰」

「はい、わかりました彰さん」

「私も賛成でーす!
皆さん今日はよろしくお願いしまーす!」


こうしてRay of Lightのストーリーは今まさに

とっても『お後がよろしい感じ』でピリオドを打つ事が出来たのに……

*ー*ー*ー*ー*

誰よりも勘が鋭い円行寺彰は

皆と一緒に和気あいあいと歩きながらも

どうやら恵の『何か』がお気に召さない様子だから

可愛い恵が持っている大きな紙袋をじっと見つめながら


「おや?また新しい乙女ゲームを買ったんですか?
それとこれは~、初回特典のドラマCDですよね~恵?
さてさて今度は、一体どんなイケメンにドキドキするつもりなのかな?」

「だから違うんですよ彰さん。
これは乙女ゲーじゃなくて、恋愛アドベンチャーゲームだから
トキメキとかドキドキとかは~、まったく全然ありましぇんよ~彰さん」

「なるほど、なるほど、これがちまたで噂の恋愛アドベンチャーですか……
つまり貴女は今夜も俺にたっぷりと、お仕置きをされたいと言う事なんですね?フフフッ」

「いやいや、実はこれね?
やっぱ玲ちゃんにプレゼントしようかな~って思ってたんですよー彰さん」

て感じの楽しそうな会話で盛り上がっていたけれど、

とってもセクシーな敬語を話す、長髪イケメンの円行寺彰と……

小さな最強シンデレラである星野恵との物語は、果たしてどんな恋物語なのか、

きっとそれは、また別のお話だから……

とりあえずRay of Lightの物語は、一旦ここで大団円と言う事で

キラキラと輝く光の幕を、ゆっくりと静かに閉じましょう。


*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*


【Club Versailles Series Ⅰ】

コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長

後日談 玲の親友 Fin
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