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3分間で準備します
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そしてまたまた場面は変わり
璃音と一緒に武家屋敷みたいな料亭で
美味しい昼のフルコースをたらふく食べた翌日の午後、
*******
今日も学校が終わってドコにも寄らずに真っ直ぐ帰宅をした玲は
いつもの様に暇なので、とりあえずお風呂に入って歯磨きをして、
そして冷蔵庫の中からジュースとケーキを取った後……
今日も元気に自分の部屋で孤独なお菓子パーティーを楽しんでいたのだが
この後もやはり暇なので、
お気に入りのゲームを起動させて動物だらけの森に入り
ゆく宛もなく海辺をフラフラと歩いている最中に……
(あっ!このお魚はきっとシーラカンスだよねーー!)
なんと一発で高値のシーラカンスを発見できたので
大急ぎで課金の釣り竿を装備して、
ドキドキしながら海の魚を次から次へと釣りまくっていたら……
次の瞬間、ピンポーン!と家のインターホンが鳴ったので、
とりあえず急いで一階に降りてリビングのモニター画面を覗いてみると、
モニターの中には太陽神アポロンみたいな超絶イケメンの姿が映っていたので
(えーっと、この人は璃音さんだよね?
やっぱ本当に迎えに来てくれたんだ~。
でもどうして私の家の場所が分かったの?)
と密かに本音を呟いていたけれど、
そんな事よりも今の玲はゲーム機を片手に持って、
ボーダーのTシャツの上にメッチャ大きな水玉模様のウインドブレーカーを羽織り
しかもピンクのスエットズボンとイチゴ柄のスリッパを履いた恐ろしい状態なので……
いくらなんでもこんな姿で出かける事は出来ないし
そもそも本当に璃音が来てくれるとは思っていなかったから
(えっとえっと、どうしよう~……
今日はこんな格好だから外出とかは絶対に無理だし、
…って事で今夜のお出かけはキャンセルしてもらって、
また今度一緒にお出かけをしましょうってお断りをしてもいいよね?)
こうして今日の外出をやんわりと断る為に、
敢えてゲーム機を持ったままの勇ましい姿で玄関に向かい
そして勇気を出して玄関ドアを開けた直後に明るく挨拶をしようと思ったが……
結局やっぱり璃音と目が合った瞬間に、
「えーっと…そのぉ…こ、こ、こんばんは?」
と今日も元気に壊滅的な挨拶をかました挙句の果てに
「えっとですねぇ…そ、そ、そのぉ……
いま私はピンクのスエットなのでぇ……
つまり~…色々とあって、えっと駄目ですからぁ……」
と怪しい外国人の様に
自分でも何を言っているのかサッパリわからない発言をしたのに……
そんな玲に向かって璃音は真面目な表情で
「準備は出来てる様だな、じゃあ今から行くか」
と恐ろしい事を言ったので、
(いやいやいやいや、ありえないでしょ?こんな服!
…って言うか私の服は陽気なアメリカンの母親のせいで
アメリカンテイスト満載のイミフな服しか持ってないんですよ璃音さん)
とは言えない玲は慌てて璃音に向かって小さな声で
「えっと、あのぉ…3分間だけ待ってください」
と一声掛けた後すぐに、急いで2階の自室に向かい、
ピンクのスエットを一気に脱いで可愛いグレーのワンピースに着替えを済ませてサッサと下に降りてきて
そして滅多に使わない高級なハンドバッグを右手に持ちながら
「えっと、あのぉ、お待たせー…しました」
と挨拶をしてから璃音と一緒に家を出たのだが……
*****
なんだかんだで3日連続の外出をした玲は
今日も昨日と同じ種類の白い外車に案内されたので、
この後サッサと助手席に乗って無言でシートベルトを付けていたら
この後なぜかいきなり璃音から
「なぁ玲……お前パスタは好きか?」と聞かれたので
(あっ!食べ物の話なら普通に会話出来るかも!)
と思った単純な玲はこの勢いで
はい パスタは大好きです!と無駄に明るく答えたのに
そんな玲とは真逆の璃音は今日も無愛想な態度で車のエンジンをかけながら
「……そうか」と一声だけの返事をした後サッサと無言イケメンに戻ったので
結局この後、二人の会話が続く事はなかったけれど、でも昨日よりも少しだけ……
璃音の表情が明るく穏やかになっている事を、玲は密かに気が付いていた。
璃音と一緒に武家屋敷みたいな料亭で
美味しい昼のフルコースをたらふく食べた翌日の午後、
*******
今日も学校が終わってドコにも寄らずに真っ直ぐ帰宅をした玲は
いつもの様に暇なので、とりあえずお風呂に入って歯磨きをして、
そして冷蔵庫の中からジュースとケーキを取った後……
今日も元気に自分の部屋で孤独なお菓子パーティーを楽しんでいたのだが
この後もやはり暇なので、
お気に入りのゲームを起動させて動物だらけの森に入り
ゆく宛もなく海辺をフラフラと歩いている最中に……
(あっ!このお魚はきっとシーラカンスだよねーー!)
なんと一発で高値のシーラカンスを発見できたので
大急ぎで課金の釣り竿を装備して、
ドキドキしながら海の魚を次から次へと釣りまくっていたら……
次の瞬間、ピンポーン!と家のインターホンが鳴ったので、
とりあえず急いで一階に降りてリビングのモニター画面を覗いてみると、
モニターの中には太陽神アポロンみたいな超絶イケメンの姿が映っていたので
(えーっと、この人は璃音さんだよね?
やっぱ本当に迎えに来てくれたんだ~。
でもどうして私の家の場所が分かったの?)
と密かに本音を呟いていたけれど、
そんな事よりも今の玲はゲーム機を片手に持って、
ボーダーのTシャツの上にメッチャ大きな水玉模様のウインドブレーカーを羽織り
しかもピンクのスエットズボンとイチゴ柄のスリッパを履いた恐ろしい状態なので……
いくらなんでもこんな姿で出かける事は出来ないし
そもそも本当に璃音が来てくれるとは思っていなかったから
(えっとえっと、どうしよう~……
今日はこんな格好だから外出とかは絶対に無理だし、
…って事で今夜のお出かけはキャンセルしてもらって、
また今度一緒にお出かけをしましょうってお断りをしてもいいよね?)
こうして今日の外出をやんわりと断る為に、
敢えてゲーム機を持ったままの勇ましい姿で玄関に向かい
そして勇気を出して玄関ドアを開けた直後に明るく挨拶をしようと思ったが……
結局やっぱり璃音と目が合った瞬間に、
「えーっと…そのぉ…こ、こ、こんばんは?」
と今日も元気に壊滅的な挨拶をかました挙句の果てに
「えっとですねぇ…そ、そ、そのぉ……
いま私はピンクのスエットなのでぇ……
つまり~…色々とあって、えっと駄目ですからぁ……」
と怪しい外国人の様に
自分でも何を言っているのかサッパリわからない発言をしたのに……
そんな玲に向かって璃音は真面目な表情で
「準備は出来てる様だな、じゃあ今から行くか」
と恐ろしい事を言ったので、
(いやいやいやいや、ありえないでしょ?こんな服!
…って言うか私の服は陽気なアメリカンの母親のせいで
アメリカンテイスト満載のイミフな服しか持ってないんですよ璃音さん)
とは言えない玲は慌てて璃音に向かって小さな声で
「えっと、あのぉ…3分間だけ待ってください」
と一声掛けた後すぐに、急いで2階の自室に向かい、
ピンクのスエットを一気に脱いで可愛いグレーのワンピースに着替えを済ませてサッサと下に降りてきて
そして滅多に使わない高級なハンドバッグを右手に持ちながら
「えっと、あのぉ、お待たせー…しました」
と挨拶をしてから璃音と一緒に家を出たのだが……
*****
なんだかんだで3日連続の外出をした玲は
今日も昨日と同じ種類の白い外車に案内されたので、
この後サッサと助手席に乗って無言でシートベルトを付けていたら
この後なぜかいきなり璃音から
「なぁ玲……お前パスタは好きか?」と聞かれたので
(あっ!食べ物の話なら普通に会話出来るかも!)
と思った単純な玲はこの勢いで
はい パスタは大好きです!と無駄に明るく答えたのに
そんな玲とは真逆の璃音は今日も無愛想な態度で車のエンジンをかけながら
「……そうか」と一声だけの返事をした後サッサと無言イケメンに戻ったので
結局この後、二人の会話が続く事はなかったけれど、でも昨日よりも少しだけ……
璃音の表情が明るく穏やかになっている事を、玲は密かに気が付いていた。
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